今回からテストドライバー生活20年ほどの経験から、皆さんがクルマやタイヤの性能の違いを感じるコツや、運転方法などを紹介していきたいと思います。
レースの世界ではタイヤの違いだけでラップタイムが数秒も変わってしまうので、何を選ぶかがとても重要です。
タイヤ選びの基本は......。
前輪だけ減ったから、違う銘柄のタイヤを購入するのも避けましょう。また、できれば、4輪すべて交換するようにしましょう。タイヤのようなゴム製品は性能が変わるため、銘柄が同じでも製造年月や減り方に違いがあると全体的なバランスを崩してしまうからです。
(Text by Michiya Kasai)
「黒くて丸い」タイヤ。そもそも何をしてくれているのでしょうか?
クルマをスムーズに走らせたり路面の凸凹を吸収したり......。走るだけなら何でもいいと思われがちなタイヤですが、実はそうとはいえません。レースの世界ではタイヤの違いだけでラップタイムが数秒も変わってしまうので、何を選ぶかがとても重要です。
では、一般のクルマではどうでしょうか?
グリップ、乗り心地、騒音......。さまざまな性能がタイヤに左右されます。タクシーや長距離を走る方はタイヤの寿命も大事ですし、最近だと燃費も気にされる性能のひとつ......。外観にこだわる人は見た目も気にされます。
これらすべてがタイヤの選び方でかなり変わってくるのです。
タイヤ選びの基本は......。
タイヤサイズを合わせるのはもちろんですが、前後同じ銘柄を選ぶことや、クルマのカテゴリーに合ったタイヤを選ぶことも必要です。
インチアップは、自動車メーカーが想定している範囲内に抑えた方が無難です。タイヤとサスペンション、ボディはある程度合わせて設計されているので、あまりにも違うサイズのものをつけたり、またエコカーにスポーツタイヤをつけたり......ということになると、クルマの動き方が崩れたり、燃費や乗り心地などに犠牲が出てしまい、「ウチのクルマってこんなだっけ?」ということにもなりかねません。
前輪だけ減ったから、違う銘柄のタイヤを購入するのも避けましょう。また、できれば、4輪すべて交換するようにしましょう。タイヤのようなゴム製品は性能が変わるため、銘柄が同じでも製造年月や減り方に違いがあると全体的なバランスを崩してしまうからです。
日頃からできることとして、空気圧チェックやタイヤの減り状況に注意するよう心掛けてみてください。片減り防止、燃費向上、そして本来の性能を出すためにも。
(Text by Michiya Kasai)