
そこでAudiはデビュー翌年の1981年、このUr-quattroでWRCに参戦することにしました。

Audi quattroは、開幕戦となるラリー・モンテカルロでは途中リタイアを喫しますが、第2戦のラリー・スウェーデンではハンヌ・ミッコラ(フィンランド)がドライブするAudi quattroが初勝利を果たします。スウェーデン人以外のドライバーがこのラリーで勝利するのは初めてとあって、Audi quattroとミッコラには注目が集まりました。
さらに、シーズン終盤のサンレモ・ラリーでは、もう1台のAudi quattroをドライブするミッシェル・ムートンとファブリツィア・ポンスのペアが女性として初の優勝を飾りました。最終戦のRACラリーもミッコラが制し、Audi quattroは1年目からその存在感を示すことになりました。

勢いに乗るAudiは、翌1982年には第2戦のスウェーデンをはじめ、第3戦のポルトガル、第6戦のアクロポリス、第8戦のブラジル、第9戦の1000湖、第10戦のサンレモ、第12戦のRACと、12戦中7戦を制し、参戦2年目にして見事マニファクチュアラーズ・チャンピオンに輝きました。

これにより、Audiはquattroの実力を知らしめることとなり、WRCに勝つにはフルタイム4WDが不可欠であることを決定づけたのです。
続く......
(Text by Satoshi Ubukata)
(Text by Satoshi Ubukata)