

クールな評論家たちが詰めかけるプレスデイにもかかわらず、Q5は大人気。テレビの撮影もひっきりなしだった。

しばらく待って、ようやくドライバーズシートに座る順番が回ってきた。眼前には話題のアウディ バーチャルコクピットが鮮やかに広がる。
トリムとして貼られた木目のセンスは、ドイツ製プレミアムカーの中で、最もモダーンな部類に入る。

気がつけばパセンジャーシートに陣取った外国人プレスは、センターコンソールに設けられたQi規格準拠の非接触スマートフォン充電デバイスに関心を寄せている。
もうひとつ、同業他社と思われる多くの人々が注目していたQ5のディテールはといえば、ドアハンドルだ。従来のようにグリップの左もしくは右を軸にするのではなく、引っ張ると上端を軸に持ち上がる。市場でどういった反応がみられるか気になるところだ。


他にも、Audiの話題は盛りだくさんだった。
Audi Sportは、レーシングマシーンの2016年「R18」を展示。同車は隣のフォルクスワーゲングブランドを経てAudiブースにやってくる来場者を真っ先に迎える役を果たしていた。
またフォルクスワーゲンググループでAudi傘下にある伊ドゥカティの創業90周年記念・500台限定モデル「1299パニガーレSアニヴェルサリオ」も展示されていた。


そうしたさまざまなトピックから、多くのブースからジャーナリストたちが撤収するプレスデイ2日め午後になっても、Audiブースは引き続き賑わいを保ち続けていた。
ブースの一角には、2014年にホッケンハイムサーキットを無人のままフル・レーシングスピードで走行して話題となった自動運転実験車「Audi RS 7 piloted driving concept」も展示された。Audi関係者に聞いたところによると、2017年に発表される次期「A8」では、自動運転レベル3を実現するという。レベル3とは、加速・操舵・制御を車が担当し、エマージェンシー時のみドライバーが対応するということだ。
ブースの一角には、2014年にホッケンハイムサーキットを無人のままフル・レーシングスピードで走行して話題となった自動運転実験車「Audi RS 7 piloted driving concept」も展示された。Audi関係者に聞いたところによると、2017年に発表される次期「A8」では、自動運転レベル3を実現するという。レベル3とは、加速・操舵・制御を車が担当し、エマージェンシー時のみドライバーが対応するということだ。
Audiの未来が見えてうれしいと同時に、正直なところ、いつ買えばグッドタイミングなのか困ってしまうのは筆者だけか。

ところで、Audiといえば、もう1台展示されていた。といってもブースではない。企画展「映画と車」のパビリオンである。
ゲーム「ファイナルファンタジーⅩⅤ」をースにした劇場用フルCG長編作品「KINGSLAIVE FINAL FANTASYⅩⅤ」の劇中車を再現した「R8」だ。
ストーリーでは、王国の公用車として登場する。Audiジャパンが2016年、製作に参画したものである。会場では、精緻を極めたディテールを息を殺しながら鑑賞するギャラリーがみられた。

夢のような自動運転の実現と、仮想現実の実車化。タイムマシーンで行き来しているかのようなパリショーのAudiであった。
(文と写真=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA)