ワインジャーナリストの柳 忠之さんがアウディA1に試乗。その味わいは?
柳さんは日本で指折りのワインジャーナリスト。最近では、ワイン1500本を試飲してオススメの301本を選んだ「MINIのオーナーだけに、1to8.net編集部が用意した試乗車はアウディA1。2012年モデルのスポーツパッケージである。さっそく柳さんに印象を語っていただくことにしよう。
ワインの世界で外観といえばまず色調ですが、このミサノレッドは若いピノ・ノワールのように鮮やかで眩いばかり。ルーフアーチのシルバーがリーデルのクリスタルグラスのような鈍い輝きを放っています。はじめはイカつく見えたヘッドライトの造形も、コロッとした全体のフォルムの中で見るとチャーミングに感じられるものですね。
くんくん。香り嗅いでます。レザーの香りですな。はい、試乗車にはオプションのレザーシートが装備されておりました......。冗談はほどほどにして、フレーバーとしてはゲルマン的な機能美優先ですが、カラフルでスタイリッシュなエアベントなど、ラテン的要素も感じられます。コクピットって外観よりもオーナーの目に入る場所じゃないですか。長くMINIの小洒落た内装に付き合ってきた身からすれば、機能美のみでは退屈してしまうんですよ。単調な果実香だけでなく、スパイス香も欲しいわけです。ボディカラーがミサノレッドなら、このハイグロスレッドは当然として、僕が選ぶであろうスクーバブルーには、ハイグロスチタニウムグレーのエアアウトレットにするでしょうね。さらにオプションで、ドアトリムやセンターコンソールもチタニウムグレーにして。
味わいの第一印象は軽快。ステアリングを切ったらスッと曲がるし、アクセルも軽く踏み込んだだけでグイっと前に出る。いや〜、とても122psなんて信じられません。おそらくよーいドンをすれば結果は違うのでしょうが、体感的には170psを誇るうちのクーパーSより俊敏に感じられたほどです。
スポーツサスペンションにオプションの17インチホイールでは乗り心地が固くなかったかって? たしかに高速道路の継ぎ目ではお尻の端がピョコピョコ跳ねる感じを受けましたが、普段乗ってるクルマがクルマですからね。街中ではまったくといってよいほど気になりませんでした。ただしスペック的にみて、天下のアウディともあろうものが、いくらシリーズの末弟とはいえ、トーションビームのリアサスでいいのか!と......。
それから忘れちゃならないSトロニック。そのスムースな変速は、まるで喉ごし滑らかなシャンボール・ミュジニーのよう。スリップやショックもなく、瞬時に最適なギアを選んでくれる。気がつくとあっという間にトップの7速。アイドリングストップ機構も相まって燃費がいいはずですね。街中だけだとリッター6キロにも届かないうちのクルマに、A1のツメのアカを飲ませてやりたくなりましたよ。
試乗から帰ってきて、先立つ物もないというのにコンフィギュレーターでカチカチやってるのですから、よほど余韻が残ってるんだと思います。思い切りアクセルを踏み込んだときの、なかなか勇ましいエキゾースト音もまだ耳に残ってますし。
言い尽くされたことですが、パネルのフィッティングやフィニッシュなど、すべてが洗練されてますよね。デザインにおいても走りにおいても、A1にはフィネスが感じられます。そこにボトムエンドの車種にさえ少しも手を抜かない、アウディというブランドの意地を思い知らされました。ただひとつ、リアサスの形式を除いては(笑)。
ワインの造り手にもいるんですよ。ボトムエンドのジェネリックなブルゴーニュ・ルージュにも、ワンランク上のヴィラージュ並みの手間をかけちゃう職人が。いやはや、いいクルマっていいワイン同様、後を引きます!
ワインの世界で外観といえばまず色調ですが、このミサノレッドは若いピノ・ノワールのように鮮やかで眩いばかり。ルーフアーチのシルバーがリーデルのクリスタルグラスのような鈍い輝きを放っています。はじめはイカつく見えたヘッドライトの造形も、コロッとした全体のフォルムの中で見るとチャーミングに感じられるものですね。
くんくん。香り嗅いでます。レザーの香りですな。はい、試乗車にはオプションのレザーシートが装備されておりました......。冗談はほどほどにして、フレーバーとしてはゲルマン的な機能美優先ですが、カラフルでスタイリッシュなエアベントなど、ラテン的要素も感じられます。コクピットって外観よりもオーナーの目に入る場所じゃないですか。長くMINIの小洒落た内装に付き合ってきた身からすれば、機能美のみでは退屈してしまうんですよ。単調な果実香だけでなく、スパイス香も欲しいわけです。ボディカラーがミサノレッドなら、このハイグロスレッドは当然として、僕が選ぶであろうスクーバブルーには、ハイグロスチタニウムグレーのエアアウトレットにするでしょうね。さらにオプションで、ドアトリムやセンターコンソールもチタニウムグレーにして。
味わいの第一印象は軽快。ステアリングを切ったらスッと曲がるし、アクセルも軽く踏み込んだだけでグイっと前に出る。いや〜、とても122psなんて信じられません。おそらくよーいドンをすれば結果は違うのでしょうが、体感的には170psを誇るうちのクーパーSより俊敏に感じられたほどです。
スポーツサスペンションにオプションの17インチホイールでは乗り心地が固くなかったかって? たしかに高速道路の継ぎ目ではお尻の端がピョコピョコ跳ねる感じを受けましたが、普段乗ってるクルマがクルマですからね。街中ではまったくといってよいほど気になりませんでした。ただしスペック的にみて、天下のアウディともあろうものが、いくらシリーズの末弟とはいえ、トーションビームのリアサスでいいのか!と......。
それから忘れちゃならないSトロニック。そのスムースな変速は、まるで喉ごし滑らかなシャンボール・ミュジニーのよう。スリップやショックもなく、瞬時に最適なギアを選んでくれる。気がつくとあっという間にトップの7速。アイドリングストップ機構も相まって燃費がいいはずですね。街中だけだとリッター6キロにも届かないうちのクルマに、A1のツメのアカを飲ませてやりたくなりましたよ。
試乗から帰ってきて、先立つ物もないというのにコンフィギュレーターでカチカチやってるのですから、よほど余韻が残ってるんだと思います。思い切りアクセルを踏み込んだときの、なかなか勇ましいエキゾースト音もまだ耳に残ってますし。
言い尽くされたことですが、パネルのフィッティングやフィニッシュなど、すべてが洗練されてますよね。デザインにおいても走りにおいても、A1にはフィネスが感じられます。そこにボトムエンドの車種にさえ少しも手を抜かない、アウディというブランドの意地を思い知らされました。ただひとつ、リアサスの形式を除いては(笑)。
ワインの造り手にもいるんですよ。ボトムエンドのジェネリックなブルゴーニュ・ルージュにも、ワンランク上のヴィラージュ並みの手間をかけちゃう職人が。いやはや、いいクルマっていいワイン同様、後を引きます!