170330-AudiSportGmbH-2.jpg「Audi Sport 2017 Press Conference」出席のために来日したAudi Sport GmbH(Audi Sport社)マネージングダイレクターのステファン・ヴィンケルマン氏が、インタビューに答えた。 quattro GmbH(クワトロ社)は、Audi R8やRSモデルを手がけるAUDI AGの100%子会社。それ以外にも、「Audi R8 LMS」や「Audi RS 3 LMS」といったカスタマーレーシングカーの制作や、車両のカスタマイズ(Audi exclusive)などを行ってきた。

170330-AudiSportGmbH-5.jpg
そのquattro GmbHが、ビジネスの中核となるAudi R8やRSモデルがAudi Sportブランドで販売されるようになったのにともない、社名をAudi Sport GmbHに変更。ちなみにモータースポーツについては、「フォーミュラE」や「DTM」など、Audi Sportの名前で行われているファクトリーチームの活動はAUDI AGの管轄であり、Audi Sport GmbHはプライベートチームに向けてのレーシングカーの製造・販売を担当している。

そんなAudi Sport GmbHの指揮を執るのが、直前までAutomobili Lamborghini S.p.A.(アウトモビリ ランボルギーニ社)のCEOを務めたステファン・ヴィンケルマン氏だ。マネージングダイレクター就任から1年が経った彼に話を聞く。

170330-AudiSportGmbH-1.jpg
----quattro GmbHからAudi Sport GmbHに社名を変更した理由は?

今回の社名変更は避けて通れないものでした。というのも(Audi車において)"quattro"というのは選択できる機能であり、すべてのモデルのUSP(ユニークセリングポイント)ではありません。それに対して、"Audi Sport"というのは、すべてを覆う傘、または屋根のようなもので、その下にスポーティな商品をまとめあげるという位置づけなのです。

いま、私たちに課せられているのは、できるだけ早くAudi Sportというブランドの認知度を高めることです。というのも、quattro GmbH時代は商品をプロモーションするだけで、quattro社というブランドをアピールしてこなかった。それに対して、Audi Sportというブランドは、それぞれのモデル以上に重要なものだと思います。ブランドの認知度を高め、ブランドを盛り上げることがいまは大切です。

----Audi Sport GmbHが提供するスポーツカーとは?

スポーツカーには2タイプあります。ひとつは、エクストリームなスーパースポーツカー。ときどきしか乗りませんが、とてもスポーティでハンドリングもいい、趣味のクルマです。もうひとつが、Audi Sportが提供するパフォーマンスカーです。これは優れたパフォーマンスとデザインを備えていながら、日常使いができる、バランスの良いクルマです。

170330-AudiSportGmbH-4.jpg
----台数よりも特別さを追求する?

Audi Sportは、台数を稼ぐためにすべてのモデルにRSを設定するつもりはありません。むしろ特別感(エクスクルーシビティ)を演出するためには、プレスティージ性や、どのセグメントにRSモデルを投入するかを考えることが重要です。

----SUVの展開を考えているというが?

これからはSUVの分野のラインアップを増やしていこうと考えています。ヨーロッパではAudi Sportは強みを発揮していますが、ヨーロッパ以外ではまだまだ。北米やアジアなど、ヨーロッパ以外のところで台数を伸ばすには、そういった国々でも受け入れらやすいセグメントに私どものモデルを出していくことが大切なのです。

----「RS 8」をつくらない理由は?

私たちは、限られた予算をどこに使うかという決断をしなければなりません。たとえば、Audi Sportでつくるモデルを5つ選びなさいと言われたら、プレスティージ性がきちんと確保できるかどうかや、そのボディタイプが適切なのかということを基準に考える必要があります。その場合、個人的にはセダンというボディタイプは、RSモデルとして予算を割くところではないと思います。ただし、次期型については最終的には決まっておらず、現時点ではコメントはできません。

170330-AudiSportGmbH-3.jpg
----ライバルに対するAudi Sportの強みは?

ドイツにはAudi以外に2つのプレミアムブランドがありますので、当然その2つがAudi Sportのライバルということになります。私が考える彼らに対する強みは、パフォーマンス、デザイン、使い勝手の点で完璧なバランスが取れていることではないでしょうか。

この数年で多数のニューモデルを投入する予定で、それにより認知度も台数もアップするものと期待しています。お客さまも必ず気に入ってくれると信じています。

(Text by Satoshi Ubukata)

This article is a sponsored article by
''.