NSUヴァンケルエンジンの誕生60周年にあたる今年、記念展「Revolution - 60 years of the NSU/Wankel engine」がドイツ・インゴルシュタットのAudi museum mobileで2017年5月20日から11月5日まで開催される。
"ロータリーエンジン"といえば、「RX-7」や「RX-8」などのスポーツモデルに搭載されていたことから、マツダのイメージを抱く人は多いだろう。しかし、ロータリーエンジンを搭載した初の量産車を手がけたのは、日本のマツダではなく、ドイツのNSU(エヌエスウー)であるのをご存じだろうか?
これをもとに、NSUとヴァンケル社が開発を進めた結果、いまから60年前の1957年2月1日、ネッカーズルムにあるNSUのテストベンチで、NSUヴァンケルエンジン(ロータリーエンジン)を初めて動かすことに成功。その6年後の1963年9月、NSUはNSUヴァンケルエンジンを搭載した世界初の量産車「NSUヴァンケル スパイダー」をフランクフルトショーで初公開している。
その後、1969年にはAudiの前身であるAuto Union(アウトウニオン)とNSUが合併してAUDI NSU Auto Union AGが設立され、1985年にAUDI AGに社名変更したのはご存じのとおりだ。
通常のレシプロエンジンがピストンの往復運動を回転運動に変えて動力を取り出すのに対し、ロータリーエンジンはローターの回転運動を利用できるのが特徴。このコンセプトを考案したのはドイツのフェリクス・ヴァンケル(写真下)で、1920年代後半から約30年かけて基本設計を完成させた。
これをもとに、NSUとヴァンケル社が開発を進めた結果、いまから60年前の1957年2月1日、ネッカーズルムにあるNSUのテストベンチで、NSUヴァンケルエンジン(ロータリーエンジン)を初めて動かすことに成功。その6年後の1963年9月、NSUはNSUヴァンケルエンジンを搭載した世界初の量産車「NSUヴァンケル スパイダー」をフランクフルトショーで初公開している。
NSUヴァンケル スパイダーは1964年から1967年まで生産され、1967年からは「NSU Ro 80」(写真下)が世に送り出された。革新的な技術と美しいデザインを備えたNSU Ro 80は、1967年のカーオブザイヤーを受賞している。
その後、1969年にはAudiの前身であるAuto Union(アウトウニオン)とNSUが合併してAUDI NSU Auto Union AGが設立され、1985年にAUDI AGに社名変更したのはご存じのとおりだ。
Audiのインゴルシュタット本社に隣接するミュージアムでは、記念展の期間中、NSUヴァンケル スパイダーやNSU Ro 80に加えて、「Audi 200 KKM プロトタイプ」、ヴァンケルエンジンをレンジエクステンダーとして搭載した「Audi A1 e-tron」、「マツダ・コスモスポーツ」などを展示する。
ドイツを訪れる予定がある人は、ぜひこの機会にインゴルシュタットに足を運んでみてはいかがだろうか? なお、Audi museum mobileの開館時間はこれまで9時〜18時だったが、6月1日以降は平日が9時〜18時、土日や祝日は10時〜16時に変更となるのでご注意を!
(Text by Satoshi Ubukata)
■関連リンク