Audi A4 Sedanに続き、人気のAudi A4 Avantが日本上陸。まずはFF仕様の「Audi A4 Avant 2.0 TFSI sport」をチェックする。
新型Audi A4 Avantには、オートマチックテールゲートが装着され、スイッチを操作するだけでテールゲートの開閉が可能になった。これならテールゲートが雨で濡れていても手を汚さずに済むし、小柄な人でも簡単に操作ができるのがいい。
新型Audi A4 Avantには、オートマチックテールゲートが装着され、スイッチを操作するだけでテールゲートの開閉が可能になった。これならテールゲートが雨で濡れていても手を汚さずに済むし、小柄な人でも簡単に操作ができるのがいい。
さらに、リモコンキーを携帯していれば、リヤバンパー下で足を動かすだけでテールゲートを開けることも可能。テールゲートと連動して、トノカバーが自動的に開閉するのも便利な機能だ。これなら、広いラゲッジルームの奥にある荷物でも簡単にアクセスできる。
ラゲッジスペースの両側にはレバーがあり、これを操作することでリヤシートの背もたれのロックが解除できる。帯状のLED照明も目新しく、いかにもAudiらしいアイディアといえる。
残念なのは、リヤの背もたれを倒して荷室を広げたときに、フロアがフラットにならないこと。最近はハッチバックだけでなく、ステーションワゴンでもこの手のものが増えているが、荷物をしっかり積みたいという人には不満に違いない。個人的には、多少操作が面倒でも、昔ながらの"ダブルフォールド"式シートを用意してほしいと思う。
Avantの魅力は広い荷室だけではない。Sedanに比べて全高が25mm高くなり、ルーフが後ろまで伸びたことで後席のヘッドルームが増している。広い足元と相まって、Sedanよりもさらに余裕あるスペースが確保されているのだ。
一方、運転席の眺めはSedanと同じ。試乗車ではマトリクスLEDヘッドライトパッケージが選択されており、フルデジタルメーターのバーチャルコックピットが装着されていたが、いまやすっかり見慣れて、普通のアナログメーターでは寂しく感じるほどだ。
さらにこのAudi A4 Avant 2.0 TFSI sportにはオプションのS lineパッケージが装着されており、ヘアライン加工のアルミパネルや専用デザインのシート、ブラックのルーフライニングなどがスポーティな雰囲気をつくりあげていた。
個人的にはこのデザインは好きなのだが......。
Audi A4 Avant 2.0 TFSI sportに搭載されるのは、新開発の2.0L直噴ターボエンジン。最高出力190ps/4200〜6000rpm、最大トルク32.6kgm/1450〜4200rpmを発揮する一方、JC08モード燃費は18.4km/Lと低い数値を達成するという注目の新エンジンだ。
Audi A4 Avant 2.0 TFSI sportに搭載されるのは、新開発の2.0L直噴ターボエンジン。最高出力190ps/4200〜6000rpm、最大トルク32.6kgm/1450〜4200rpmを発揮する一方、JC08モード燃費は18.4km/Lと低い数値を達成するという注目の新エンジンだ。
Sedan同様、7速Sトロニックを搭載するが、車両重量が40kg増したAvantでも軽々と発進し、2000rpm以下の常用域でも充分に余裕が感じられる。そして、アクセルペダルを深めに踏み込むと、2000rpmを超えたあたりから急激にトルクを増し、力強い加速を見せてくれる。旧型のFFから乗り換えたなら、その走りの差に目を見張るはずだ。
7速/100km/h巡航時のエンジン回転数は1500rpmと低く、静粛性もまずまず。その際、オンボードコンピューターの燃費表示は18km/L前後で、モード燃費だけでなく、実燃費もなかなか優秀である。
高速時の直進安定性も不満がなく、それでいてハンドリングに軽快さが感じられるがFFの魅力だ。
ただ、乗り心地には改善の余地がある。新型Audi A4ではスタンダードモデルにダイナミックサスペンションが装着されるのに対し、Sportにはよりハードなスポーツサスペンションが採用される。さらに、S lineパッケージが付くこの試乗車はタイヤ&ホイールが1インチアップの18インチとなるため、乗り心地がやや硬めで、路面によってはタイヤがドタバタしたり、目地段差を通過する際のショックを遮断しきれない傾向にあった。
見た目のスタイリッシュさではSportやS lineを選びたいが、現時点ではブラッシュアップを期待したいところ。そして、快適性を重視したいという人にはスタンダードモデルをお勧めしたい。
いまどきのステーションワゴンだけに、これといってセダンに劣る部分は見あたらず、一方、荷室や後席の広さではセダンを凌ぐAudi A4 Avant。Avant派の人はいうまでもないが、「私はどうしてもセダン!」という人も毛嫌いせずに、ぜひ一度じっくりと試してほしいクルマである。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Hisashi Uemura, Audi Japan)