マイナーチェンジが実施されたAudi A3を短時間試乗。パワートレインを一新した2.0 TFSI quattroの印象は?
プレミアムコンパクトのパイオニアとして人気を集めている「Audi A3」シリーズが"PI"、すなわち、マイナーチェンジを実施した。その概要については
quattroモデルは、エンジンとトランスミッションがともに変更。エンジンは従来の1.8 TFSI(180ps)から、現行Audi A4のFF仕様に搭載される2.0 TFSI(190ps)に、また、Sトロニックは6速から7速に、それぞれグレードアップが図られた。
quattroモデルは、エンジンとトランスミッションがともに変更。エンジンは従来の1.8 TFSI(180ps)から、現行Audi A4のFF仕様に搭載される2.0 TFSI(190ps)に、また、Sトロニックは6速から7速に、それぞれグレードアップが図られた。
それだけに、その走りがどう変わったのか興味津々だったのだが、新搭載の2.0 TFSIは、従来の1.8 TFSI以上に低回転からのトルクが豊かなうえ、アクセルを踏み込んだときの力強さも一段と向上している。
Audi A4のFFでは、前輪がそのトルクを持て余す場面もあったが、このAudi A3ではquattroと組み合わされたことで、その高トルクを確実に路面に伝えてくれる。荒々しさも陰を潜め、実に上質な加速をもたらすのだ。Audi A4同様、1500rpm付近でややノイズやバイブレーションが気になることもあったが、Audi A3とのマッチングは抜群である。
短時間の試乗だったので燃費のチェックはできなかったが、"Bサイクル"を採用する2.0 TFSIの低燃費はAudi A4で確認済みなので、このAudi A3でも好燃費が期待できそうだ。
試乗車はオドメーターの数字が1000kmを超えたばかりで、さらに18インチタイヤと専用スポーツサスペンションを装着するS lineということで、やや硬めの乗り心地を示していたが、乗り心地は十分に快適なレベルを確保。もう少し距離が伸びたところで、再度その乗り心地などを確認してみたい。
この日は、Audi A3 Sedan 1.4 TFSI sportにも試乗することができた。今回のマイナーチェンジで、1.4 TFSIは122psだけになったが、相変わらず十分なトルクを発揮し、街中から高速道路までストレスを感じさせない加速を見せる。
乗り心地も、17インチとスポーツサスペンションが採用される「sport」グレードであっても、快適性な乗り心地とフラットな挙動をうまく両立している。
インテリアはマイナーチェンジ前のデザインを踏襲するが、オプションのバーチャルコックピットが採用された試乗車は、元Audi A3のオーナーである私にはとても新鮮な印象。「アウディ アクティブレーンアシスト」、「アウディ サイドアシスト」、「トラフィックジャムアシスト」を組み合わせた「セーフティパッケージ」はこの夏の導入ということで、今回の試乗車には搭載されていなかったが、それなしでもその魅力を増していることは確かである。
(Text & Photos by Satoshi Ubukata)