131024-RS 6-20.jpgついに日本上陸を果たした最速のアバント、「Audi RS 6 Avant」を富士スピードウェイのショートコースでドライブ。その速さ以上に圧倒されたのは?

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Audi RS 6 Avantには、2013年の5月にオーストリアで乗る機会があった。そのときの話は131024-RS 6-11.jpg
131024-RS 6-8.jpg搭載される4.0 TFSIエンジンは、ツインスクロール・ツインターボが備わるV8で、最高出力560ps、最大トルク71.3kgmという超ハイパフォーマンスの持ち主。8速ティプトロニックが組み合わされ、2040kgの車両重量にもかかわらず0-100km/h加速が3.9秒とは驚くばかりだ。
Audi A6/S6 Avantに比べ明らかに張り出した前後フェンダーに見とれながら、コックピットへ(下の写真は試乗したクルマとは別の車両)。カーボンのデコラティブパネルやフラットボトムのステアリングホイール、ハニカム状のステッチが施されるシートなど、最上級のアバントにふさわしいインテリアだ。

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のんびりと室内を眺めている時間はなく、シートを合わせ、ESCのスイッチをポンと押してスポーツモードに切り替える。ドライブセレクトでダイナミックモードを選択したら準備完了!

まずは、他のS/RSモデルとともに流すようなペースで数周を走行。一旦ピットに入り、Audi RS 6 Avant3台と先導車だけがコースに復帰したら、お楽しみの試乗時間だ。

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さっそくストレートでアクセルペダルを踏みつけると、ほぼ瞬時に2速が吹けきり、あっというまに1コーナーが迫ってくる。カタログでは1750rpmから5500rpmまで最大トルクを発揮するとあるが、感覚的には4000rpmあたりからさらに勢いを増し、レッドゾーンの6600rpmに達する印象。ダイナミックなエキゾーストノートも刺激的だ。

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加速を楽しむには短いショートコースだが、ハンドリングを試すには格好の場所。1コーナーの先、上りのヘアピンはアンダーステアが出やすいポイント。ところがこのAudi RS 6 Avant、コーナー途中からアクセルペダルを踏み込んでいっても、アンダーステアが出る気配はない。お尻のあたりにムズムズした感覚を伝えながらも、しっかりと踏ん張るリヤタイヤが圧倒的パワーを路面に伝えている。その一方で、フロントタイヤがステアリングを切った方向にクルマを導く。それなりのペースでコーナーに進入してもESCの介入はなく、突如エンジンがパワーダウン......といった興醒めなシーンもない。

これに貢献しているのがリヤスポーツディファレンシャルで、コーナリングに勢いを与え、オン・ザ・レールのハンドリングをもたらしている。これぞ、quattroとスポーツディファレンシャルの成せる技だ。

ノーズにV8を載せるにもかかわらず、コーナー進入時のターンインも鋭く、面白いように向きを変えるAudi RS 6 Avantに、驚かずにはいれられなかった。

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その先には、右、左と切り返すコーナーが続くが、その切り返しがスパッと決まるのもこのAudi RS 6 Avantの惚れ惚れするところ。日本仕様では、DRC(ダイナミック・ライド・コントロール)付きのスポーツサスペンションが装着されるが、ロールに対して高い効果を発揮するDRCが、素早い切り返しを可能にしているのだ。

ということで、アッパーミディアムクラスのボディサイズを忘れさせるほど、軽快で俊敏なハンドリングを見せつけてくれたAudi RS 6 Avant。「RS」の名は伊達じゃない!

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Wataru Tamura)

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