2012年2月に日本でも新型が発表になった「アウディA6アバント」。都内で開かれた試乗会で上級グレードの「A6アバント 3.0 TFSI クワトロ」を試す。
セダン同様、新型A6アバントは「Audi ultra」による軽量化と、FSI/TFSIエンジン、Sトロニック、スタート・ストップシステムなどによる高性能・高効率化を武器に、ますます魅力的なクルマに仕上がったように見える。果たして期待どおりなのか?
まず今回は上級モデルのA6アバント 3.0 TFSI クワトロでその出来映えをチェックすることにした(本当は時間の関係で1グレードしか乗れなかったのだが......)。
全長4940×全幅1875×全高1495mmのボディは、数字だけ見るとかなり巨大に思えるし、実際、目の前にあるととても立派なサイズだが、少し離れた場所から眺めると、全長と全高のバランスが絶妙なのか、A4アバントよりもスポーティかつスタイリッシュに見える。
セダンよりも10mm長く、30mm背の高いアバントは、同じエンジンを積むグレードどうしで比べると、セダンに対する重量増はわずか40kg。ということは......
アウディが世に送り出すいまどきのステーションワゴンだけに、セダンにくらべて明らかにボディがユルイなんてことはなく、40kgの重量増も最高出力310ps、最大トルク440Nm(44.9kgm)の3.0 TFSIエンジンの前では誤差みたいなもの。そう、結論からいってしまえば、A6 アバント 3.0 TFSI クワトロは、セダンに負けず劣らずスポーティで快適なクルマだった。
強力なエンジンに7速Sトロニックが組み合わされたA6アバントは走り出しが軽快でスムーズ。「4.2L V8に匹敵するエンジン」といわれるのも頷ける。低回転からグゥーっと効くスーパーチャージャーが大排気量エンジンのような太い低速トルクを発揮するのだ。飛ばすのでなければ2000rpm以下キープでも十分に流れに乗れる。ドライバーとしてはゆったり、のんびり運転できるから、街中でもリラックスできる。
高速の合流や追い越しなどの場面では、少し強めにアクセルペダルを踏みつけてやれば、最大トルクを発揮する2900〜4500rpmあたりを使ってグイグイ加速していく。さらにスポーティに走らせたいなら、アクセルを全開、あるいはパドルで低いギアを選んで高めのエンジン回転をキープ。スーパーチャージャー付きとはいえ、低中回転域だけでなく高回転も得意な3.0 TFSIエンジンだから、レブリミットまで気持ちよく吹け上がり、期待どおりの加速を見せてくれるはずだ。
乗り心地は適度に硬めで、走行中の動きも落ち着いている。快適さも十分だ。ただ、オプションの20インチタイヤ&ホイールを装着しているため、路面からのショックを拾いやすく、標準の19インチだったらもっと快適なんだろうなぁ、と推測する。一方、高速時にはもう少し硬めでもいいかな、というのが個人的な感想だ。さらに欲をいえばS-lineやエアサス装着車も設定してほしい......
カンジンの荷室はスクエアで広い。いざというときには後席を倒してスペースを拡大でき、荷室のレバーでワンタッチで倒せるのもうれしい点。ただ、その際にリアシートの部分が完全にフラットにならないのが気になった。まあ、リアシートを倒さなくても十分に広いのだが......。
オプションのこんなスタイリッシュで機能的なクルマをいつも手元に置けたらいいなぁ、というのが私の本音。ドライバーズカーとしてはまさに理想のクルマ......それがA6アバントである。
(Text by Satoshi Ubukata)
まず今回は上級モデルのA6アバント 3.0 TFSI クワトロでその出来映えをチェックすることにした(本当は時間の関係で1グレードしか乗れなかったのだが......)。
全長4940×全幅1875×全高1495mmのボディは、数字だけ見るとかなり巨大に思えるし、実際、目の前にあるととても立派なサイズだが、少し離れた場所から眺めると、全長と全高のバランスが絶妙なのか、A4アバントよりもスポーティかつスタイリッシュに見える。
セダンよりも10mm長く、30mm背の高いアバントは、同じエンジンを積むグレードどうしで比べると、セダンに対する重量増はわずか40kg。ということは......
アウディが世に送り出すいまどきのステーションワゴンだけに、セダンにくらべて明らかにボディがユルイなんてことはなく、40kgの重量増も最高出力310ps、最大トルク440Nm(44.9kgm)の3.0 TFSIエンジンの前では誤差みたいなもの。そう、結論からいってしまえば、A6 アバント 3.0 TFSI クワトロは、セダンに負けず劣らずスポーティで快適なクルマだった。
強力なエンジンに7速Sトロニックが組み合わされたA6アバントは走り出しが軽快でスムーズ。「4.2L V8に匹敵するエンジン」といわれるのも頷ける。低回転からグゥーっと効くスーパーチャージャーが大排気量エンジンのような太い低速トルクを発揮するのだ。飛ばすのでなければ2000rpm以下キープでも十分に流れに乗れる。ドライバーとしてはゆったり、のんびり運転できるから、街中でもリラックスできる。
高速の合流や追い越しなどの場面では、少し強めにアクセルペダルを踏みつけてやれば、最大トルクを発揮する2900〜4500rpmあたりを使ってグイグイ加速していく。さらにスポーティに走らせたいなら、アクセルを全開、あるいはパドルで低いギアを選んで高めのエンジン回転をキープ。スーパーチャージャー付きとはいえ、低中回転域だけでなく高回転も得意な3.0 TFSIエンジンだから、レブリミットまで気持ちよく吹け上がり、期待どおりの加速を見せてくれるはずだ。
乗り心地は適度に硬めで、走行中の動きも落ち着いている。快適さも十分だ。ただ、オプションの20インチタイヤ&ホイールを装着しているため、路面からのショックを拾いやすく、標準の19インチだったらもっと快適なんだろうなぁ、と推測する。一方、高速時にはもう少し硬めでもいいかな、というのが個人的な感想だ。さらに欲をいえばS-lineやエアサス装着車も設定してほしい......
カンジンの荷室はスクエアで広い。いざというときには後席を倒してスペースを拡大でき、荷室のレバーでワンタッチで倒せるのもうれしい点。ただ、その際にリアシートの部分が完全にフラットにならないのが気になった。まあ、リアシートを倒さなくても十分に広いのだが......。
オプションのこんなスタイリッシュで機能的なクルマをいつも手元に置けたらいいなぁ、というのが私の本音。ドライバーズカーとしてはまさに理想のクルマ......それがA6アバントである。
(Text by Satoshi Ubukata)