160725-SGT-3.jpg2016年7月24日、宮城県のスポーツランドSUGOにおいて2016 AUTOBACS SUPER GT第4戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝が行われ、Audi Team Hitotsuyamaは惜しくもリタイヤに終わった。 前回の富士から約2カ月半ぶりとなったSUPER GT。この間、Audi Team Hitotsuyamaは公式テストに2回参加し、今シーズンから走らせている新型Audi R8 LMSと、同じく今シーズンからの採用となったDUNLOPタイヤへの理解を深め、セッティングを進めることができたという。

その成果がさっそく予選に現れた。決勝日前日の23日午後には、ノックアウト方式による予選が行われ、Audi Team HitotsuyamaはQ1をリチャード・ライアン選手に委ねた。これまでは予選に柔らかめのタイヤを使ってきたAudi Team Hitotsuyamaだが、同じタイヤを使う決勝では、そのぶんタイヤの摩耗によるタイム低下に悩まされていた。そこで今回は硬めのタイヤをチョイスしてQ1に臨んだが、ライアン選手は7番手タイムを叩きだし、危なげなくQ2へ進出。さらに、藤井誠暢選手がタイムを縮めてポジションをキープし、マシーンの仕上がりの良さを示唆する結果になった。

一方、Audi R8 LMSを駆るもうひとつのTeam TAISAN SARDは、Q1どまりの16位スタート。ポールポジションはマザーシャシーを採用する#25 VivaC 86 MCが獲得している。

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決勝が行われる24日は、朝から弱い雨が降ったり止んだりのあいにくの空模様。しかし、SUPER GTの決勝が近づくにつれて路面は乾いていき、ドライコンディションでのレースになった。

#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSのスタートは藤井選手が担当。パレードラン、フォーメーションラップのあとにローリング方式でレースが始まると、藤井選手は6番グリッドからスタートのARTA BMW M6 GT3をかわして6位で1コーナーに飛び込む。

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序盤は、#18 UPGARAGE BANDOH 86に行く手を阻まれ、ポジションアップこそできなかったものの、上位から離されることなく順調に周回を重ねていく。藤井選手は第1スティント後半でもラップタイムを落とさず、32周を終えたところで6位のままライアン選手にバトンタッチする。

素早いピット作業のおかげで、ひとつポジションを上げてコースに復帰したライアン選手は、39周目、ポジションをアップを狙い、ピットアウト直後でまだタイヤが温まっていない#11 GAINER TANAX AMG GT3を抜きにかかる。ところがその直後に左のドライブシャフトが破損しスローダウン。なんとか自走でピットに戻れたものの、そのままリタイヤとなった。

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これについてAudi Team Hitotsuyama代表の一ツ山亮次氏は、レース中の接触が原因ではないかと話していたが、そのまま走行を続けていれば3位表彰台の可能性があっただけにとても悔しい様子。

しかし、「今回は硬めのタイヤでQ1を危なげなくクリアしていますし、決勝の前半もペースを落とさずに走ることができましたので、マシーン、タイヤともにそのポテンシャルを引き出せるようになってきたと実感しています。今回は悔しい結果となりましたが、次回の富士は、いまとなってはAudi R8 LMSにとって苦手なコースではなくなりましたし、反対に富士はGT3勢がストレートスピードで優るので、十分表彰台が狙えると思っています」と次戦の富士に向けて気持ちを切り替えていた。

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その後、レースは#31 TOYOA PRIUS apr GT、#25 VivaC 86 MC、#61 SUBARU BRZ R&D SPORTが首位争いを演じる。残り6周というところで#18 86がクラッシュして赤旗中断。そのままレースは終了となり、#31 PRIUSが新型となって初の勝利を収めた。#26 TAISAN SARD FJ AUDI R8はトップから2周遅れの19位で完走している。

次戦は8月7日の富士スピードウェイ。苦手を克服したAudi R8 LMSが真夏の富士でどんな戦いを見せてくれるのか、いまから楽しみだ。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by 1to8.net, GTA)

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