120808-Hitotsuyama-4.jpgHitotsuyama RacingからSUPER GT第4戦のレースリポートが届きました。不運が重なり、苦しいレースとなりました。
■7月28日 公式練習/公式予選

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#21 ZENT Audi R8 LMS 都筑晶裕/シンディ・アレマン

前戦マレーシアから約1カ月半のインターバルを挟んで行われた第4戦菅生。今シーズンは開幕前の公式テストからここまでウェットコンディションが多かったものの、菅生では一転して搬入日から強い日差しが照りつけ、マシン、ドライバーにとっ ては厳しいレースになることが予想された。

午前中の公式練習ではまず都筑晶裕がドライブ。タイヤ選択とマシンセッティングを行うが、序盤から強いオーバーステアに苦しまされる。エンジニアの思い切った大きなセッティング変更に対してもマシンはほとんど反応を示さず、この時点でクラス17位、タイムは1分25秒446。ただでさえセッティング幅が少ないGT3マシンということもあり、これ以上劇的にマシンフィーリングを変えることは難しいと判断し、シンディ・アレマンにドライバー交代。

シンディにとっては初めて走る日本のサーキットを、限られた時間の中でいかにして攻略するかが大きな課題となっている。彼女にとってはここ菅生も初めてのサーキットだが、今回は数日前にチームだ用意したロードカーで20周ほどのテスト走行を行った。また#99 Racebook Audi R8 LMSの安岡秀徒がマネージングするレーシングシミュレーター「Race Fight Club」(http://www.racefightclub.com/)で菅生を猛特訓。その甲斐あってか中古タイヤで序盤から上々のタイムを刻む。

ただし、シンディも都筑同様オーバーステアを訴え、セッション終了までタイムアップは果たせず。オーバーステアに対する 解決策を見いだせないまま、クラス21位で公式練習を終えることになった。

迎えた公式予選。今回は予選落ちが設定され、最下位から2台(クラス24位、25位)のマシンが決勝に進めないため、各チーム予選アタックには一層の気合が入り序盤から赤旗中断の場面も。公式練習前まではスーパーラップ進出を目標にしていた#21 ZENT Audi R8 LMSだが、前述のオーバーステアに悩まされ、予選でも下位に沈む。予選アタックを担当した都筑は計測1周目に1分24秒776を刻むとその後は2度の赤旗の影響もありタイムアップを果たせず。クラス20位で予選を終えることになった。

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#99 Racerbook Audi R8 LMS マイケル・キム/安岡秀徒

#99 Racerbook Audi R8 LMSは第1戦岡山以来の登場となるマイケル・キムが安岡秀徒とコンビを組む。公式練習ではまずは安岡がタイミングを見計らってコースイン。タイヤの選択と若干のセッティング変更を行っていく。安岡も#21 ZENT Audi R8 LMSの都筑晶裕同様にオーバーステア傾向を訴える。

足回りを中心にセッティング変更を繰り返すが、セッション中盤を迎えたころ、安岡はピットアウト時にエンジンが始動しないトラブルに見舞われてしまう。データ解析によりトラブルはセルモーターの故障と判明。チームはすぐさま交換作業に取り掛かる。マシンのリヤセクションを取り外す大掛かりな作業となったが、メカニックたちの懸命な作業により約40分で交換作業を終了。残り僅かではあったがマイケル・キムにバトンを渡すことができた。

迎えた公式予選。予選アタックを担当する安岡はこの菅生が「日本で一番大好きなサーキット」ということもあり、トップ10進出を狙う。予選落ちを回避すべく各チームが開始早々にコースインする中、安岡は渋滞を避けるためにピットで待機。予選開始5分が経過した時点でコースインし、計測1周目で1分25秒063を記録。しかし計測2周目に#30 IWASAKI MODA クロコ apr R8がスピン。予選は赤旗中断に。

安岡はコースインのタイミングを遅らせたこともあり、この時点で計測はたった1周のみ、クラス23位と後方へ沈んでいたため、予選再開後のタイムアップに懸ける。だが、予選再開後、今度はアウ トラップで安岡自身をまさかのトラブルが襲う。サーキットモニターには失速していく#99 Racerbook Audi R8 LMSの姿が映し出される。安岡は惰性でマシンを走らせながらピットと無線で交信を続けるも、その甲斐なく最終コーナーでストップ。2度目の赤旗の原因となってしまった。

スーパーGTでは予選中に赤旗の原因となったマシンのタイムは抹消されてしまうルールが存在し、#99 Racerbook Audi R8 LMSは実質的な予選落ちとなってしまった。この後、チームでは決勝進出への僅かな望みに期待し、再びマシンの修復作業を行う。予選中のトラブルはフライホイールのボルト破損と判明。決勝日朝までにマシンを完治させフリー走行の出走は認められたものの、決勝進出への望みは叶わず、ここでレースを終えることになった。

■7月29日 決勝

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#21 ZENT Audi R8 LMS 都筑晶裕/シンディ・アレマン

この日も朝から真夏日となったスポーツランド菅生。スタート進行直前になってスコールを思わせるような大粒の雨がサーキットに降り出し、一時ピット内が騒然とする場面も見られたが、スタートまでにはほぼドライコンディションに戻り、1周のフォーメーションラップの後、81周レースがスタート。

スタート直後の1コーナーではGT500トップ争いの3台のマシンが接触、コースアウト。この影響でレース序盤数周は1コーナーで追い越し禁止のイエローフラッグが振られる中でのレースとな った。

19位スタートの都筑は、2周目にまずはトラブルでストップした#66 triple a vantage GT3をパスし18位に上がると、4周目にはスピンした#27 PACIFIC NAC イカ娘フェラーリをかわし17位へ。前を行く#0 GSR 初音ミク BMW、#4 GSR ProjectMirai BMWと等間隔の差を保ちつつ、16周目には13位までポジションを挽回。

トップ10を行くマシンと互角のタイムで追い上げを見せる都筑だが、20周を迎えたあたりからマシンモニタに警告が表示されていることをピットに告げる。ピット側はマシンに異常が発生しない限り走り続けることを指示し、都筑もそれに応える。だが、30周目、都筑は突如エンジンが止まったことを無線で報告。何度か再スタートを試みるものの、マシンが再びスタートすることはなく、#21 ZENT Audi R8 LMSにとっては悔しいシーズン初めてのリタイヤとなった。

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一ツ山幹雄チーム代表のコメント

ここまでツキに見放されたレースも久々です。ガッカリですね。菅生はR8にとっては得意なサーキットですから、期待していたのですが。#21 ZENT Audi R8 LMSは決勝日朝のフリー走行でマシンがいい方向に向かいました。そのフリー走行ではシンディもとても良いタイムを出していましたし、実際決勝が始まってからの都筑選手のペースは見ていても楽しかったです 。あのまま行けば間違いなくポイント獲得できていたはずなので......。

トラブルの原因は、炎天下のグリッド上にマシンを長時間停めていたことにより、マシン内部が熱を持ってしまい、それが原因となってしまったようです。

#99 Racerbook Audi R8 LMSに関しては、考え得る最悪のタイミングで全てが起こってしまいました。予選゙ではトップ10を目標にしていたので、 まさか予選落ちの結果になるとは。しかし、これがレースです。

ですが、今回の菅生では一つポジティブな点もありました。今回から適用されたBOPでR8勢はリストリクターが少し大きくなったのですが、その結果、ストレートスピードは多少改善されました。富士やセパンでは他のGT3マシンが上位クラスのマシンかと思うほどストレートスピードに差が出てしまっていましたが、そこまで離されなくなったようです。とはいってもポルシェやアストンと比較するとまだまだ状況は厳しいです。

第5戦鈴鹿1000kmでは#21 ZENT Audi R8 LMSにリチャード(・ライアン)選手、そして#99 Racerbook Audi R8 LMS に都筑善雄選手が加わります。引き続き、チームの応援宜しくお願い致します。

(Hitotsuyama Racing プレスリリースより)

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