151109-A3e-04.jpg東京〜九州ドライブの前後に、都内の一般道で燃費をチェックしました。

えっ、平均燃費が101.1km/L !?
燃費の話をする前に、走行モードをおさらいしておきましょう。Audi A3 Sportback e-tronには4つの走行モードがあります。

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(1)EV
(2)ハイブリッド オート
(3)ハイブリッド ホールド(バッテリーレベル持続)
(4)ハイブリッド チャージ

このうち(1)はバッテリーの電気でモーターを動かして走ります。一方、(2)〜(4)はエンジンとモーターの両方を動かしますが、電気の使い方に違いがあり、(2)は積極的に電気を使い、(4)は反対に電気を貯めます。そして、その中間の(3)はバッテリーの充電量を減らさないよう電気の使用をやや控えめにします。

それぞれのモードで、ストップ&ゴーの多い都内を同じルートで走ってみました。平均速度は20〜25km/h程度......たぶん、日本一悪いサンプルではないかと(笑)

(1)のEVモードでは、満充電の状態で最大52.8km走ることができるとカタログにありますが、現実の世界では30〜40kmというところです。もちろんEVだからといって遅いなんてことはなく、むしろその力強い走りを知ってしまうと病みつきになります。毎日の通勤距離がこれ以下という人なら、ガソリンを使わずに済んでしまいますね。もちろん、ガソリンさえあれば、バッテリー残量が少なくなっても純粋な電気自動車のように立ち往生する心配がないのがプラグインハイブリッドの良いところです。

(2)のハイブリッド オートは、バッテリーの残量が許すかぎり基本的にモーターで走行します。下の写真はAudi A3 e-tronのメーターパネルです。回転計の代わりにあるのがパワーメーターで、右に動くほどパワーを使っていることを示します。走行中にこれを観察するかぎり、30%以下の「EFFICIENCY」領域で走っているぶんにはエンジンは始動しませんでした。一方、30%以上のパワーで加速が必要なときや65km/hを超えるとエンジンが始動します。

実際の走行はほぼEFFICIENCY領域で済んでしまい、走りに不満はありません。状況によりときどきエンジンがかかると、燃費計の数字は300km/Lから減っていくんですが......この日は101.1km/Lをマーク! ただ、ハイブリッド オートではみるみるうちにバッテリー残量が減っていき、残り一目盛りになるとEFFICIENCYでもエンジンがかかるようになります。こうなってしまうと、(3)のハイブリッド ホールドと変わりませんから、EVモード同様、ハイブリッド オートはバッテリーに電気が残っていないと本来の実力を発揮できない走行モードといえます。いいかえれば、プラグインハイブリッドのメリットを最大限に生かせるのがEVモードとハイブリッド オートということになります。

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そういう意味では、ハイブリッドカーとして実力は(3)のハイブリッド ホールドでの走行時に表れます。ハイブリッド ホールドも発進はモーターを使いますが、「EFFICIENCY」領域でもエンジン主導の走りになり、当然、ハイブリッド オートに比べて燃費は落ちるわけで、同じルートを走ったときの燃費は14〜15km/L台でした。日本のハイブリッド車に比べやや物足りない数字ですが、私のAudi A3 Sportback 1.4 TFSIよりは1〜2割良いうえに、加速は力強くスムーズでした。

ハイブリッドチャージも試してみましたが、充電のためにガソリンエンジンパワーを余分に使うわけですから、同然燃費はガクッと悪くなります。実際、同じルートで9km/L台。出先でどうしてもEVモードを使いたいが事前に充電ができなかった......など、特殊な事情がある場合以外は選ぶ理由が見つかりません。

ということで、外部から充電できる環境があり、1回の走行距離がEVモード、または、ハイブリッド オートで走りきれる範囲内にあるという人なら、プラグインハイブリッドであるAudi A3 Sportback e-tronのアドバンテージを十二分に生かすことができるでしょう。反対に、充電できる環境がなかったり、充電できても1回の走行距離が長い人にとっては、ハイブリッド走行時の燃費を見るかぎりAudi A3 Sportback e-tronのメリットは見出しにくいかもしれません。

しかし、Audi A3 Sportback e-tronのEV&ハイブリッドのスムーズで力強い走りには、運転好きの心をかきたてるものがあります。クルマは数字だけではわからない......。あらためてそう感じさせられたAudi A3 Sportback e-tronでした。

(Text by Satoshi Ubukata)

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