110330-MMI-01.jpg「上級モデルに匹敵するインフォテイメントシステム」とプレスリリースで謳われるアウディA1のMMI(マルチメディアインターフェース)ですが、その実力は?
いままで30台近いクルマを取っかえ引っかえ乗り継いできた僕は、乗り換えのたびにオーディオやカーナビを自分で取り付けてきました。しかし、今回のアウディA1は僕のクルマ遍歴のなかではじめて、オーディオにもカーナビにも手を加えていません。というのも、標準でMMIと呼ばれるオーディオ&カーナビシステムが装着されているからです。そもそも、純正ナビがついたクルマを買うこと自体、はじめてです(笑)

MMIの特徴は、オーディオとナビを単に統合しただけでなく、操作用のスイッチを効率的にまとめて、センタークラスター/センターコンソールまわりのデザインをすっきりさせたことです。そしてもうひとつ、日本のカーナビでは常識となっているタッチパネルを使わないことも特徴として挙げておきたいと思います。

「タッチパネルじゃない」「スイッチが少ない」と聞くと、使い勝手が悪いのでは......と思われるかもしれません。僕自身、リモコンで操作していた時代からタッチパネルに移り変わったときには、ああなんて使いやすいんだろう! と感激しましたからね。それがMMIによって、ふたたびリモコンの世界に戻るのですから、心配になるのは当然でしょう。

しかし、心配する必要はありませんでした。「MMIプラス」と呼ばれる最新版のMMIは、実に使い勝手に優れていたんです!

110330-MMI-02.jpgこのMMIプラスは、基本的にはアウディのフラッグシップモデルのA8用と同じ機能を持っています。メニューのデザインもグラフィカルです。A8との違いといえば、あちらは8インチモニターでこちらは6.5インチ。そして、あちらには文字入力やカーソル操作が直接できる"タッチパッド"があるのに対し、A1には用意されないことくらいでしょう。
一方、A8ではスイッチ類がセンターコンソールに配置されるのに対して、A1ではセンタークラスターにあるため、手が伸ばしやすく、操作が確認しやすいというメリットがあります。

それはさておき、タッチパネルのほうが使いやすいと思っていた僕ですが、たとえは、地図の操作を例にとると、MMIなら拡大・縮小はロータリースイッチを回すだけでできますし、地図のスクロールもロータリースイッチ自体がジョイスティックのように8方向に動かせるので、タッチパネルでスクロールさせるよりもむしろこちらのほうがストレスを感じません。表示などの設定を変えたいときには、ロータリースイッチのまわりにある4つのスイッチのうち右下を押すと設定画面が表示され、あとはロータリースイッチを回したり押したりすれば簡単に設定できてしまいます。

それから、以前使っていたカーナビではタッチパネルの押し間違いがよくありました。とくに、リスト状に表示されたメニューから項目を選ぶ場合や、50音表から名前を入力するときなどは失敗することが多かった。走行中に操作するなんて至難の業です(基本的にはできないことになっていますが 笑)。カーナビは仕方ないにしても、走行中に音楽を換えたいときなどはイライラするものです。

その点、メニュー形式のMMIは押し間違い、選び間違いが少ないのがいいところです。項目をイッキに飛ばせないのが玉にキズですが、それを除けばタッチパネル式を凌ぐと僕は思います。

110330-MMI-10.jpg期待以上だったが、標準のオーディオでもなかなか気持ちのいい音を出すこと。僕はオーディオのプロではありませんが、常識的な音量で聞くかぎりは、素直で聞きやすい音だと思います。これまで自分のクルマで体験した純正オーディオのなかでは一番のデキではないでしょうか?
さらに、さまざまなオーディオメディアに対応したり、ハンズフリーテレフォンが使えたり、またカーナビの3メディアVICSやETCが標準装備されていたりと、必要なインフォテインメントがこれひとつにまとまっているMMIは値千金といっても過言ではないでしょう。

これが標準装着されることを考えると、289万円という車両価格は決して高くはないと思うんですが、いかがでしょう?

(Text by Satoshi Ubukata)

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