1988年に登場した「Corrado」は、Volkswagenが初の本格的なスポーツカーとして送り出したコンパクトクーペです。当初は「Scirocco 2」の後継車として計画されましたが、開発の過程でより上級のモデルへと発展。G-Laderを備えたG60から、後に追加されたVR6まで、約7年間にわたってVolkswagenのスポーツモデルを代表しました。

Sciroccoの後継から独立したスポーツカーへ
Corradoの開発は、もともとScirocco 2に続くScirocco 3としてスタートしました。Golf 2をベースとしながら技術面で大幅な改良が加えられた結果、従来のSciroccoの枠を超えるモデルへと発展。1984年にはScirocco 2の生産を継続する一方、新型車をより上級に位置づけることが決まり、Corradoとして世に送り出されることになりました。
1988年秋に発表されたCorradoは、全長4048mm、全幅1690mm、全高1318mm、ホイールベース2470mmというコンパクトなボディを採用。生産はSciroccoと同様、ドイツ・オスナブリュックのカルマンが担当しました。

ボディは2+2シーターのクーペで、大きなテールゲートを備え、荷室容量は300Lを確保しています。スポーツカーでありながら日常での使い勝手にも配慮した設計でした。
Corradoを特徴づける装備のひとつが、速度に応じて自動的に展開するリヤスポイラーです。ドイツ仕様では120km/hに達すると展開し、高速走行時のリヤのリフトを低減することで走行安定性の向上を図りました。

登場時のパワーユニットは、G-Laderと呼ばれる機械式スーパーチャージャーを組み合わせた1.8L直列4気筒のG60です。最高出力160PS、最大トルク225Nmを発生し、駆動方式はFF。Corradoは生産終了まで一貫して前輪駆動を採用しました。
VR6追加などでラインアップを拡大
登場から3年後の1991年には、エンジンのラインアップが拡充されました。最高出力136PSの2.0L直列4気筒16バルブエンジンに加えて、新たに2.9L 6気筒のVR6を設定。VR6は最高出力190PS、最大トルク245Nmを発生しました。
VR6の搭載にあたってはフロントまわりにも手が加えられ、クロスメンバーをはじめ、ボンネットやラジエターグリル、サイドパネル、フロントエプロンなどを変更。また、全モデルで燃料タンク容量が55Lから70Lへ拡大され、オートマチックトランスミッションも選択できるようになりました。
1992年8月にはインテリアをアップデート。センターコンソールやドアパネルが変更されたほか、スイッチ類やメーターのデザインも見直されています。メーターには赤い指針が採用され、タコメーターにはCorradoのロゴが配置されました。
さらに1993年には最高出力115PSの2.0L 8バルブエンジンがラインアップに加わる一方、初期から設定されていたG60は生産を終了しました。これにより、Corradoは登場時のG-Laderを使ったスポーツクーペから、VR6を頂点とするラインアップへと変化していきました。
Corradoの生産は1995年7月6日に終了。1988年の登場から約7年間で9万8000台が生産され、ヨーロッパだけでなくアメリカやカナダにも輸出されました。
Sciroccoの後継として企画されながら、結果的にはその上位に位置する独立したスポーツモデルとなったCorrado。G60やVR6、速度感応式リヤスポイラーといった当時のVolkswagenの技術を取り入れた、同社のスポーツモデル史を語るうえで重要な1台です。

(Text by 8speed.net Editorial Team / Photo by Volkswagen AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。


