2026年1月に仕様変更が行われた「ID.4」。カタログではID.4 Proの一充電走行距離は587kmとありますが、実際はどれだけ走れるのか? ロングドライブで確認しました。

画像1: 【電費調査】ID.4 Proって実際何キロ走れるの?

東京〜兵庫往復で電費と航続距離をチェック

つい数年前まで、岡山出張の移動手段といえば新幹線か飛行機でした。でも、もともとクルマで走ることが好きなうえ、取材機材などで荷物が多いこともあって、自分で運転して行くほうが気楽に感じます。長距離ドライブも苦にならない性格なので、気づけば「今回も運転して行こうか」と考えるようになり、今では岡山まで自走するのがすっかり定番になっています。

今回の目的地は、兵庫県にあるセントラルサーキット。岡山の手前ですから迷わずクルマで行くことに決定! そして今回の相棒はID.4 Pro。その実力は次のレポートをご一読ください。

電費だけを追い求めるなら、エアコンを切り、高速道路では大型トラックの後ろをゆっくり走れば、空気抵抗が減って走行距離はぐっと伸びます。でも、それではあまり楽しくありません。せっかくのドライブですから、今回はエアコンはしっかりオン。その代わり平均速度を抑えるため、高速道路だけに頼らず一般道を積極的に使うルートを選びました。

都内から横浜市戸塚区までは首都高速と横浜新道を利用。その後は愛知県の豊明インターまで、国道1号や国道23号を中心に進みました。豊明インターからは伊勢湾岸道へ入りますが、その先は新名神や名神を使わず、速度域の低い東名阪や名阪国道を経由。最終的に山陽道の三木SAを目指すというルートです。

少し遠回りになりますが、速度が抑えられるぶんEVには相性が良く、しかも景色の変化も楽しめます。

バイパス区間で電費がぐんぐん伸びた

この日は自宅近くでバッテリーを満充電にして出発。自動車専用道を使った戸塚まで7.6km/kWh、箱根越えを含む国道1号区間では7.9km/kWhでしたが、信号がほとんどないバイパス主体で走った磐田までの区間は9.1km/kWhに向上。磐田から豊明インターまででも8.2km/kWhと好成績です。

ちなみに、磐田には、最近いつも立ち寄るお気に入りの場所があります。それが磐田の餃子店「福みつ」です。私の中では勝手に“関所”と呼んでいて、ここで餃子をいただき、関所番のような看板娘さんに見送られると、「これで通ってよし」とお墨付きをもらったような気分になります。その勢いのまま堂々と天竜川を渡るのが、最近すっかり恒例行事になりました。旅先にこうした自分だけのルーティンがあると、移動そのものがぐっと楽しくなるものです。

話を戻すと、豊明インターから先はいよいよ終盤。当初は三木SAまで一気に走るつもりでしたが、このペースでは少し厳しそうです。そこで、バッテリー残量と相談しながら、「どこまで粘れるだろう」と考えつつアクセルを踏み続けました。

当初は近畿道の八尾PAで充電する予定でしたが、実際に到着してみるとバッテリー残量はまだ10%以上残っています。「これならもう少し行けそう」と判断し、そのまま26km先の吹田PAまで足を延ばすことにしました。

吹田PAに到着した時点での走行距離は586km。区間電費は8.7kmkWhと優秀。バッテリー残量は7%で、メーターには走行可能距離54kmと表示されていました。この数字を見るかぎり、あと少し頑張れば600kmを超えるだけにちょっと悔しい(笑)

ただ、電費チャレンジが目的とはいえ、電欠してしまっては元も子もありません。今回はここで素直に充電することにしましたが、カタログ値の587kmを超えることは確実で、それが確認できたのは大きな収穫でした!

区間区間距離積算距離平均速度区間電費積算電費SOC残距離
自宅〜首都高速〜横浜新道〜戸塚68km68km67km/h7.6km/kWh7.6km/kWh88%434km
〜R1〜長泉74km143km47km.h7.9km/kWh7.8km/kWh75%394km
〜R1〜県道262〜磐田136km280km42km/h9.1km/kWh8.4km/kWh55%328km
〜R150〜R1〜R23〜豊明IC106km387km41km/h8.2km/kWh8.2km/kWh38%220km
〜伊勢湾岸道〜東名阪〜名阪国道
〜近畿道〜名神〜吹田SA
198km586km62km/h8.7km/kWh8.4km/kWh7%54km

目的地充電ができると安心

吹田PAの90kW充電器で18分充電したあと、この日の目的地である加東市のルートイン加東に向かいました。ここには6kW普通充電器があり、事前にネット予約しておいたので安心です。

翌朝、100%には届きませんでしたが、SOCは93%まで回復。その後は2日間にわたってセントラルサーキットへ通いました。

帰路はまず三木SAに立ち寄り、150kWの急速充電器でバッテリーを80%まで回復させました。これで走行可能距離は487kmになりましたが、さすがにこのまま東京までノンストップというわけにはいきません。

そこで今回も、休憩や食事のタイミングに合わせて充電する作戦を選択。そのほうが時間を有効に使えますし、長距離ドライブもずっと気楽です。そんな計画で、東京へ向けて走り始めました。

最初に休憩した浜名湖SAでは150kW器を使い、約15分でSOC28%から68%へ回復。続く日本坂PAでは夕食を取る約18分の間に90kW器で28%から78%まで充電できました。

どちらも休憩や食事の時間を充電に充てただけで、充電待ちのために余計な時間を費やした感覚はほとんどありません。

帰りは高速道路主体だったこともあり電費は6.6km/kWhで、往路の8.4km/kWhに対して約2割下がりました。それでも十分優秀な数値であり、高速巡航でも安心して距離を伸ばせることを確認できました。最終的な総走行距離は1321km、平均電費は7.1km/kWhでした。

電費性能の高さに加え、急速充電性能にも優れる最新版のID.4 Pro。長距離移動でも“充電のために余計な時間がかかる”というストレスが少なく、自然なペースで移動を続けられる使い勝手の良さを、あらためて確認できました。

電費チェックのつもりで走り出しましたが、最後には「またこのクルマで遠くへ行きたい」と思わせてくれる旅になりました。また機会があれば、最新のEVでロングドライブに出かけようと企んでいます(笑)

(Text & Photos by Satoshi Ubukata)

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