2025年9月15日、Volkswagenは、1980年代から90年代にかけて一世を風靡した映画と特別仕様車「Fire and Ice」を現代に甦らせる新プロジェクトを発表した。

限定車として「ID.3 GTX FIRE+ICE」を発売するとともに、DJ兼音楽プロデューサーのPurple Disco Machineとシザー・シスターズのヴォーカリスト、ジェイク・シアーズによる「Fire + Ice」を公開。音楽、ファッション、そして自動車を融合させた異色の取り組みで、発売直後から100万回以上のストリーミング再生を記録するなど話題を集めている。
1980年代の映画から90年代の名車へ
今回の企画の原点は、1986年に公開されたウィリー・ボグナー監督のスキー映画『Fire and Ice』にある。スタントと映像美で知られる同作はカルト的な人気を獲得し、その流れを受けて1990年に「Golf 2 Fire & Ice」が誕生。ボグナーがデザインに携わり、パールエフェクトのダークバイオレット塗装や専用ホイール、最大160PSのエンジンを備えた特別仕様車は、スポーティかつ個性的な存在として人気を集めた。
今回発表された「ID.3 GTX FIRE+ICE」は、その伝説を現代の電動モビリティとして再解釈したモデルである。出力240kW(326PS)を誇るGTX仕様をベースに、専用デザインや限定カラーを採用。ファッションブランド「BOGNER FIRE+ICE」とのコラボレーションによって、スポーティかつラグジュアリーな仕上がりとなった。生産台数は、オリジナルのGolf Fire and Iceが発売された年にちなみ1,990台に限定される。
音楽でつなぐ過去と未来
プロジェクトのもうひとつの柱が音楽である。映画のテーマ曲「Fire and Ice」(マリエッタ・ウォーターズ歌唱、ハロルド・フォルターメイヤー制作)を、Purple Disco Machineが現代風にリミックス。シアーズのファルセット・ヴォイスをフィーチャーした新曲「Fire + Ice」は、オリジナルの高揚感を残しながらも現代的なダンスフロア向けサウンドに仕上げられた。
この楽曲を使用したミュージックビデオには、Golf 2 Fire & IceとID.3 GTX FIRE+ICEが登場。映画で使われた往年のスタントシーンを現代の映像技術で再現し、世代を超えて「自由と冒険心」を表現している。
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youtu.beフォルクスワーゲンのチーフブランドオフィサーであるクリスティーネ・ヴォルブルク氏は「Volkswagenは常に大衆文化の一部であり、今後も社会の中心に根付くブランドであり続けたい。今回のFIRE+ICEプロジェクトでは、自動車、ファッション、音楽を融合させることでブランドに新しい魅力を与える」とコメントしている。
Purple Disco Machineの存在感
今回の楽曲を手がけたPurple Disco Machine(本名ティノ・ピオンテク)は、1980年代サウンドをルーツに現代的なビートを融合させた独自の音楽性で知られる。2023年にはリゾの「About Damn Time」のリミックスでグラミー賞を受賞。これまでに20億回以上のストリーミングを記録しており、最新アルバム『Paradise』も世界的に高い評価を受けている。
「ID.3 GTX FIRE+ICE」は、単なる限定車にとどまらず、1990年代のポップカルチャーを現代に再生させる試みである。自動車と音楽、ファッションを融合した取り組みは、ブランドの文化的な存在感を改めて印象づけるものとなりそうだ。
(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Volkswagen AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。