フルモデルチェンジにより9代目に生まれ変わった「Passat」のなかから、プラグインハイブリッド車(PHEV)の「Passat eHybrid R-Line」を試乗会でチェックした。

画像1: 【ミニ試乗記】Passat eHybrid R-Line

新型Passatは、フルモデルチェンジを機にステーションワゴンボディのみとなり、これまで「Passat Variant」と呼ばれてきたワゴンは、単にPassatと名乗ることになった。

新型Passatの概要は上記のニュースをご一読いただくとして、今回試乗したのはPHEVのPassat eHybrid R-Lineだ。パワートレインとして、110kW(150ps)の1.5L 直列4気筒直噴ガソリンターボエンジンと85kWの電気モーターを搭載し、そのいずれか、または両方を使い、6速DSGを介して前輪を駆動する。

システム出力は150kW(204ps)を誇るとともに、25.7kWhの駆動用バッテリーとモーターだけで、142kmの航続距離を達成するのも、Passat eHybrid R-Lineの見どころである。

画像2: 【ミニ試乗記】Passat eHybrid R-Line

新型Passatのデザインや新しいユーザーインターフェースなどについては、下記の試乗記で詳しくレポートしているのでここでは割愛し、さっそくPassat eHybrid R-Lineを試乗するとしよう。

センターコンソールのスイッチを押してクルマを目覚めさせると、EV走行を行う“E-MODE”が自動的に選択される。まずはそのままクルマを発進させると、最大トルク330Nm/0〜2250rpmと低回転から大トルクを発揮するモーターが余裕ある加速を見せてくれる。モーターだけに、キャビンの静粛性を保ったまま、スムーズな加速が味わえるのがうれしいところだ。

一般道では十分な速さを示すPassat eHybrid R-Lineだが、高速に入っても不満のない加速を見せ、日本の高速の上限である120km/hであればEV走行で事足りてしまう。高速道路への合流や追い越しといった場面でもE-MODEのままで十分な加速が得られる。

“Hybrid”に切り替えると、モーターとエンジンを併用する制御に変わる。その場合でも基本的には発進はモーターが担当し、あとはアクセルペダルの踏み方にあわせて、より大きなパワーが必要になるとエンジンが自動的に始動し、さらに素早い加速が手に入る。ドライビングプロファイルを“コンフォート”から“スポーツ”に切り替えるとエンジン始動のタイミングが早まり、さらにレスポンスのよい加速が楽しめる。

画像3: 【ミニ試乗記】Passat eHybrid R-Line

新型Passatのハイライトのひとつに、アダプティブシャシーコントロール”DCC Pro”の採用が挙げられる。Passat eHybrid R-Lineの場合、DCC Proが標準装着されるのだが、おかげで、走り出した瞬間から乗り心地は穏やかでしっとりとした印象。スピードを上げてからの挙動も落ち着いていて、快適さとフラットな乗り心地を見事に両立している。しかも、DCC Proが装着されたeTSIやTDIのPassat以上に洗練された走りを見せ、乗り心地にかぎれば、このPassat eHybrid R-Lineがベストといえる。

一方、PHEV化で気になるのがラゲッジスペースの減少だが、このPassat eHybrid R-Lineの場合、床下は収納が削られているが、フロア上部はeTSIやTDIと変わらぬ広さで、ステーションワゴンとしての機能性は十分に確保している。

ところで、日本仕様のPassat eHybridは日本の急速充電規格「CHAdeMO」には対応しておらず、普通充電のみが可能だ。急速充電ができないのは不便かもしれないが、移動の途中で充電から解放されるのがPHEVのメリットだと考えれば、CHAdeMO非対応を気にすることはないと思うし、途中で急速充電をするのを厭わないなら、思い切ってBEV(電気自動車)を選ぶことをお勧めする。

画像8: 【ミニ試乗記】Passat eHybrid R-Line

自宅で普通充電ができて、ふだんの運転は1日数10km程度という人には、実に便利なPassat eHybrid。静かでスムーズな加速に慣れてしまうと、エンジン車には後戻りできなくなるに違いない。

(Text & Photos by Satoshi Ubukata)

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