アウトビルトジャパン編集部のVolkswagen Passat長期テスト、第3回はリフレッシュ計画第一弾、オイル関係の交換についてレポートします。
※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。
96,000kmを後にしたPassat V6 4MOTIONを購入してから5カ月が過ぎました。大きな不具合はなさそうなので、そろそろ長く乗れるように仕上げていこうと思います。中古車はどうしても前のオーナーの色がついているので、主要パーツを交換することでクルマをリフレッシュして自分色に染めていきます。
リフレッシュ計画としてオイル系、タイヤ、内装のクリーニング、洗車といったところをやっていきます。あと、ヘッドライトのクスミも取りたいですね。
ドイツの名門「FUCHS」
まずは走りに関係するオイル系をリフレッシュします。エンジンオイルは群雄割拠、どれを選んだらいいのかわからないくらい多くの製品が売られているので、ディーラーや量販店に聞いて、予算や好みのブランドで決めるのがいいのではないでしょうか。
今回は迷わず「FUCHS(フックス)」を選びました。ドイツ車歴が長い筆者は「ドイツ車にはFUCHS」と親から刷り込まれていたこと、前のオーナーが「FUCHS」を使っていたことが決め手です。他の有名ブランドも検討しましたが、オイルの性能の良し悪しはわからないので、VWの認証を取得している製品が多くあることが決め手となりました。
そのFUCHSですが、1931年に創設された世界最大の独立系潤滑油メーカーで、あらゆる産業に潤滑油を提供しています。日本での自動車用製品は阿部商会が扱っています。マイナス27℃の極限温度で優れた潤滑性能を発揮するXTL technology®が優れた初期潤滑性能と卓越した粘度安定性を実現します。
FUCHSはメルセデス・ベンツ・グローバル・カスタマーサービス&パーツとの業務提携するなど、高性能を謳うのではなく、世界的な技術XTL technology®で「クルマの性能を維持する」「壊さない」ことを重視しています。
交換作業をお願いした港北にある「maniacs STADIUM(マニアックススタジアム)」もユーザーが安心して使えるメーカー承認の製品はお勧めされています。カタログ性能をきっちりと出して、それを維持するには開発時に使っていたオイルと同等のものを使うのが間違いないですよね。
FUCHSの製品は車種ごとに承認オイルが揃っています。エンジンオイル、フォルクスワーゲングループ独自のDSG用オイルなど他にはないVW承認の製品が用意されているので安心して使うことができます。
- エンジンオイル:GT1 PRO C-3 5W-30(VW規格 504 00・507 00)
- DSGオイル:FFL-2 TITAN(VW規格 TL 52 182)
- ギアオイル:SINTOPOID 75W-90(VW規格 G52 145A2)
- クーラント:TITAN FRICOFIN DP PNK(VW規格 TL 52 182)
リフトアップして作業開始
交換にあたって、maniacs SDTADIUMでクルマ全体の状態を診断いただきました。大きな問題がなかったのでひと安心。交換すべき消耗品が見つかったので、オイル交換を皮切りに今後も面倒見てもらいます。
オイルは車の血液だ!
エンジンオイルを交換すると本当に気持ちがいいですね。フリクションのない、滑らかさが明確にわかります。メカニカルノイズも減って、ギアをオイルがやさしく包み込んでいる感じが伝わってきます。maniacs SDTADIUMでは5,000kmごとの交換をお勧めしていますが、こんなに気持ちいいなら3,000kmくらいで交換したいものです。
オイル交換する際は必ずフィルターも交換します。オイルはかなり汚れていたので、フィルターも真っ黒です。
Passat V6 4MOTIONの3.2Lエンジンにはフィルター交換時5.5Lほどのオイルが入ります。オイルは真っ黒で粘度も落ちていました。ただ、通常の汚れ具合だそうです。
DSGオイル交換
パサートのトランスミッションはデュアルクラッチギヤボックスの6速DSGが採用されています。メーカーはDSGのオイル交換は不要としていますが、リフレッシュしたいのでフィルターとともに交換しました。
オイルはこちらもVW認証の「TITAN」です。エンジンオイル、DSGオイル、デフ用ギアオイルすべてVW認証取得のオイルです。FUCHS独特のいい匂いがしました。
デフオイル交換
われわれのPassatはV6 4MOTIONですから、前後にデファレンシャルギヤがあるので両方のオイルを交換します。走っている間は常に駆動しているのでギヤボックス内ではギヤが嚙み合って回転して相当の温度になると思うのですが、抜いたオイルは意外ときれいでした。エンジンほど温度は上がらないようです。
VolkswagenとAudiの横置きエンジン車にはハルデックスカップリングを用いた4WDが採用されています。とても優れたシステムだそうです。デフ(ギヤ)オイルとは別にオイル、フィルターが入るところがあります。オイルはSWAG(スワッグ)製のものを使いました。こちらも汚れはなくきれいに見えましたが、フィルターとともに交換しました。
「REWITEC」注入
オイル交換にあわせて「REWITEC(レヴィテック)」を入れました。エンジン用の「PowerShot(パワーショット)」と前後デフ用の「G5」です。
REWITECは“オイル添加剤”ではなく“コーティング剤”です。金属摩擦で荒れた金属の表面をシリジウムコーティングして滑らかにすることで、フリクションを減らし、故障を防ぎます。以前「メルセデス・ベンツ250CE」に入れましたが、エンジンは明らかにフリクションが軽減します。デフに「G5」を使うと明らかにメカニカルノイズが小さくなります。
次回のレポートではREWITECの効果も体感できると思いますのでご報告します。
VW、Audiのオーナーなら必ず知ってるmaniacs DTADIUMですが、とにかく仕事のクオリティが高いのと、実績に裏付けられた豊富なノウハウがあるので、ちょっと古いパサートでももちろんOK。些細な質問にも的確に答えてくれました。
リフレッシュ計画の第二弾はタイヤ交換です。
(Text & Photos by Auto Bild Japan)
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