ベースモデルの「Golf」が3代目にモデルチェンジしたのにともない、1991年に登場したのが3代目「Golf GTI」だ。
第3世代のGolfは、2ボックスのハッチバックスタイルや太いCピラーといった特徴を受け継ぎながら、楕円形のヘッドランプや丸みを帯びたボディラインなどにより、これまでのGolfとは異なる雰囲気に仕立てあげられている。インテリアの質感向上や装備の充実に加えて、安全性や環境性能の向上にも力が注がれ、世界中の安全基準を満たす衝突安全ボディの実現や運転席/助手席エアバッグの採用、水性塗料の使用、生産工程を含めたフロンの全廃など、さまざまな取り組みが行われている。
そんなGolf3のスポーツモデルであるGolf3 GTIは、発売時には115PSの2L直列4気筒SOHCエンジンを搭載していたが、翌1992年からはDOHC16バルブエンジンを採用するGolf3 GTI 16Vが選べるようになり、最高出力は150PSに向上している。
写真は、GTIの誕生20周年を記念して1996年に登場した「Golf3 GTI 20th Anniversary Edition」。バンパーに施されたレッドのラインや16インチBBSホイール、赤にペイントされたブレーキキャリパー、GTIの文字が散りばめられたチェッカーフラッグ柄のレカロシートなどといった特別装備を追加。写真の車両には、115PSの2L SOHCエンジンが搭載されている。
Golf3の時代には、Golfとしては初めて2.8L狭角V6エンジンを搭載するGolf3 VR6が登場。このVR6エンジンを搭載する新たなスポーツモデルが誕生するのは21世紀に入ってからのことだ。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Volkswagen Classic)