10月1日から販売が開始された新型「T-Cross」で、東京から岡山までロングドライブを楽しんできました。もちろん、燃費もチェックしました!
旅の目的は、岡山国際サーキットで開催される「スーパー耐久レースin岡山」を取材するためです。ふつうは新幹線や飛行機での移動を選ぶのでしょうが、クルマでの気ままな旅が好きな私は、端から公共交通機関を使う考えなどなく、「どのクルマにしようか?」と思い悩んでいました(笑)
すると、タイミング良く、マイナーチェンジで生まれ変わった「T-Cross」が借りられるというので、プレス試乗会で乗り損ねた「T-Cross TSI Style Design Package」で二泊三日(3.5日!?)の旅に出かけることにしたわけです。
T-Crossのグレード展開や、今回、ドライブに連れ出したT-Cross TSI Style Design Packageについては、上の記事をご一読いただくとして、明るい室内やおしゃれなシートとダッシュボードなどが好印象です。
さらにうれしいのが、このDesign Packageには、beatsサウンドシステムが含まれることです。標準のオーディオよりも明らかに気持ちの良いサウンドが楽しめます。オトナの私にはやや低音が強めに思えますが、そのあたりはイコライザーで調整すれば問題なし! おかげで、直前に入手したばかりのアルバムを堪能することができました。
さて、今回のドライブですが、金曜日の早朝に東京を発ち、その日は兵庫県の明石まで移動。土曜日は早朝に明石を出て、岡山県美作(みまさか)にある岡山国際サーキットを目指します。土曜日の夜は兵庫県の赤穂市に泊まり、日曜日の午前にふたたびサーキットへ。そしてレースが終わったあと、東京に戻るというスケジュール。もし、日曜夜の移動が辛かったら、途中で一泊しようかとも考えていました。
まずは東京から、首都高〜東名〜新東名〜伊勢湾岸道〜新名神〜名神〜京滋バイパス〜阪神高速〜第二神明を乗り継いで明石まで。高速や自動車専用道路などでは、ACC(アダプティブクルーズコントロール)を使って楽をします(笑) しかも、最近のフォルクスワーゲン車はACCが優秀で、私がアクセルペダルを踏むよりも燃費がいいのです。速度設定は基本的には制限速度ですが、120km/h制限の区間では少し控えめに110km/hとしました。
この区間、544kmを走行して燃費は19.9km/L。あとコンマ1km/Lで20km/Lだったのに(笑) T-Crossの優れた直進安定性や落ち着きにある乗り心地、そして、ACCのおかげで、想像以上に楽なドライブでした。ちなみに、東京を満タンで出発し、明石まで無給油で走ることができました。
唯一惜しいのが、渋滞時のACCの動きです。T-Crossの場合、ACC使用時に渋滞などで停止すると、瞬時ならいいのですが、数秒止まると「ブレーキ」の警告が出て、そこでブレーキを踏まないとACCが解除され、クリープを始めます。Golf8やID.4のACCでは1分程度の停止なら何もせずにすむだけに、いちいちブレーキを踏まなくてはならないのが面倒でした。
ところで、T-Crossは、2020年1月に初期のモデルが導入されてしばらくは、エアコンの温度調整がダイヤル式でした。それが、2021年の仕様変更でタッチ式に変更。マイナーチェンジ後もそれが引き継がれています。
ダイヤル式のほうが使いやすかったとは思いますが、タッチ式でもそれほど不便は感じていません。ただ、温度を変更する際、指をスライドさせると連続的に温度が変えられるのですが、これが思いどおりの温度にならずイライラします。一方、指をスライドさせずに、赤または青の部分を押して、一段階ずつ温度を上げ下げするぶんにはストレスはありません。
Golfなどのステアリングホイールに採用されているタッチ式のマルチファンクションスイッチも、使いにくいという声があり、たしかに指をスライドさせて音量を変えようとするのはやりにくいですが、こちらも押して音量を上げ下げすれば、タッチ式でも物理スイッチでもあまり差はないと思います。
話を戻して、土曜の朝に明石を出てから、日曜の夜までは一般道を走りました。岡山国際サーキットの近くは急な勾配の山道が続きます。そうなると燃費は期待できないと予想していましたが、217km走行で17.5km/Lという数字をマーク。山道を除けば、一般道の流れが速く、渋滞も少なかったことが、予想以上の低燃費につながりました。
今回は暗い山道を走ることもありましたが、そのときとても重宝したのがLEDマトリックスヘッドライト“IQ LIGHT”。ハイビーム使用時に、対向車や先行車が眩しくないよう、必要な部分は光をカットしてくれるので、ずっとハイビームが使えるのが助かりました。
日曜夕方は、龍野西インターから山陽道に入り、そこから山陽道〜新名神〜名神〜新名神〜伊勢湾岸道路〜東名〜新東名〜東名〜首都高というルートで帰りました。豊田JCTから清水JCTまであえて東名を使ったのは、新東名に比べてトラックの数が少なく、追い越し車線を塞がれてイライラするのを避けるためです。
帰りもACCに頼り切りで、611km走行して燃費は18.7km/Lでした。往き同様、途中無給油で東京に辿りつくことができたのがうれしい! SA/PAで給油すると割高ですので(笑)
車両返却などを含めて、今回走行した距離は1415kmで、トータルの燃費は18.7km/L。1Lという控えめな排気量ながら、ストレスない加速が楽しめてこの燃費なら、十分納得でしょう!
(Text by Satoshi Ubukata)