初代「Golf」デビューから2年後の1976年に誕生し、以後、ホットハッチの代名詞となったのが「Golf GTI」だ。

画像1: Golf1 GTI (1978)

Golf1 GTI (1978)

「Beetle」に代わるファミリーカーとして、フォルクスワーゲンが満を持して世に送り出したのが初代「Golf」。空冷エンジンをリヤに搭載するそれまでのレイアウトを改め、水冷エンジンで前輪を駆動する2ボックスカーは、またたくまに人々の支持を得て、コンパクトカーのベンチマークとなったのはご存じのとおりだ。

そのGolfを用いてスポーツモデルをつくりたいという社内の有志が、当初非公式のプロジェクトとして開発をスタートさせたのが「Golf GTI」だ。その後、5000台の限定生産を条件に正式なプロジェクトとして認められることになる。

画像2: Golf1 GTI (1978)

Golf1 GTI (1978)

Golf1 GTIには110psの1.6L 直列4気筒エンジンが搭載され、さらに、ハードなスプリングとビルシュタイン製ダンパー、前後スタビライザー、フロントベンチレーテッドのディスクブレーキなどを手に入れたことにより、俊敏な走りを実現。最高速180km/hオーバーの速さでアウトバーンの追い越し車線を颯爽と駆け抜け、“アウトバーンの民主化”を成し遂げる。価格は13,650マルクで、すぐにGolf1 GTIの人気は急騰する。

Golf1 GTIはデザインにも特徴がある。赤のラインで縁取られたフロントグリルをはじめ、ブラックのフェンダーアーチモール、ブラックで縁取られたリヤウインドー、ブラックとレッドのチェック柄のシート、ゴルフボール型のシフトレバーなど、そのデザインはその後のモデルにも受け継がれている。

モデル末期には排気量を1.8Lに拡大して最高出力を112psにアップ。これをもとに、4灯ライトやPのモチーフが特徴のホイールなどを装着した「Golf GTI Pirelli」が登場している。

最終的は販売台数が461,690台に達したGolf1 GTI。そのDNAは現代のモデルにも受け継がれ、GTIはフォルクスワーゲンにとってもっとも重要なアイコンとなった。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Volkswagen Classic, Volkswagen AG)

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