Volkswagen Golf8 フェイスリフト:Volkswagen Golfのプラグインモデルが受注開始された。酷評されたものの、Golf8はドイツでもっとも売れているクルマだ。このフェイスリフトにより、その座は再び揺るぎないものとなる。
言うまでもなく、「Volkswagen Golf」は歴代ベストセラーカーである。Golfの8代目は2019年に発売され、先代の成功をさらに発展させることを意図していた。数字がフォルクスワーゲンの正しさを証明している – 少なくともドイツ市場では。
※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。
Volkswagen Golf8フェイスリフトが受注開始
2023年だけで81,000台以上が販売され、「Golf8」が発売されて以来、ドイツでは合計約40万台が販売された。これはGolfを市場でもっとも売れているクルマにしている – 少なくともドイツでは。そして、このレジェンドを電動化して乗りたい人には、そのチャンスがある。現在、2つのプラグインハイブリッドモデル、「Golfehybrid」と「GTE」が、注文可能となっている!
8代目Volkswagen Golfは酷評された
インフォテインメントシステムの技術的な問題で市場投入が大幅に遅れるなど、「Golf8」は当初から苦戦を強いられた。改良が必要な素材や不便なインフォテインメントシステムなど、多くの人にとって十分に開発されたモデルには見えなかったのだ。
ウォルフスブクルクはこのことを理解し、今回Golfに包括的なアップデートを施した。外観的には、地味なフェイスリフトに留まっているが、素材やインフォテインメントの面ではそれ以上の改良が施されている。我々の最初のチェックで、どのような調整がなされ、どこにまだ改善の余地があるかが明らかになった。
新型「Golf R」はアイスレースでウォームアップ
通常のGolfとそのスポーティな派生モデルである「GTI」はすでにフェイスリフトが施されているが、フォルクスワーゲンは今回、「Golf R」のフェイスリフトも発表した。ツェルアムゼー(オーストリヤ)近郊で開催されたアイスレースの一環として、このコンパクトな全輪駆動スポーツカーは、変装して最初の周回を走った。
2002年以来、すでに30万台以上の「R」モデルが納車されており、2023年は35,000台以上という「Golf R」の記録的な年となった。Volkswagenは、性能面でどうなるかをまだ明らかにしていないが、お馴染みの2リッター4気筒エンジンは少なくとも320psを発揮することが想定される。
価格:新型Golf8のベース価格は27,000ユーロ(約455万円)から
コンパクトカーのアイコンである「Golf」の50歳の誕生日に合わせて、フェイスリフトされた「Golf8」の販売が開始され、フォルクスワーゲンはその約束を守った: Golf8は27,180ユーロ(約457万円)から販売され、30,000ユーロ(約505万円)の大台を大きく下回る価格からスタートする。「Variant」も28,280ユーロ(約475万円)からと、30,000ユーロ(約505万円)より低い価格設定となる。電動化モデルはやや高価になる。「Golf ehybrid」は44,240ユーロ(約743万円)から、よりパワフルな「GTE」は46,745ユーロ(約785万円)からとなる。
さらに、Golfの誕生日には「Edition 50」という特別シリーズが用意される。この特別モデルを自分のものとしたいなら、最低でも36,280ユーロ(約610万円)を用意しなければならない。また、人気の「GTI」は最低でも44,505ユーロ(約748万円)からとなる。
新型「Golf8」の市場導入は2024年7月を予定しており、その後、フェイスリフトされた「Golf」と「Golf Variant」のすべての派生モデルが順次ディーラーに導入される予定である。
デザイン: VolkswagenロゴのイルミネーションとIQ.LightマトリックスLEDヘッドライト
ビジュアル面では、Golfはかなり慎重にアプローチされている。ボディワークに抜本的な変更は加えず、フェイスリフトでお馴染みの要素に重点を置いた。スポーティなトップモデルには、従来の「GTIクラブスポーツ」をベースにしたマットブラックの「GTX」エプロンが用意される。
R-Lineでは、グロスブラックの大型エアインテークが採用されている。少なくともヨーロッパでは、PerformanceヘッドライトまたはIQ-LightマトリックスLEDオプション(いずれもフロントラジエーターグリルに連続したライトストリップを装備)との組み合わせに限られる。
Golfに5種類の新塗装仕上げ
ただし、例えば「Tuareg」のように、ロゴがリヤで点灯することはない。リヤに関して言えば、リヤライトのロゴもデザイン変更の一部である。フロント同様、リヤエプロンも変更され、新しいディフューザーが装着されている。ホイールデザインも変更されている。そして、全11色のエクスリアカラーのうち5色が新たに追加された。
特別仕様車「Edition 50」は、ダーク化されたリヤウインドウ、イルミネーションが施されたラジエーターグリルのクロスバー、イルミネーションが施されたVolkswagenロゴ、Bピラーの3D「50」バッジで識別できる。ロゴはインテリヤにも採用されている。18インチホイールも装着される。
豊富なパワートレイン
エンジン面では大きな変更はなく、おなじみの1.5リッターと2リッターのガソリンエンジンが残っている。ベースモデルの115psのマイルドハイブリッドから、265psの「GTI」、300psを前輪に供給する「GTIクラブスポーツ」まで、その出力範囲は広い。
このプログラムには、システム出力204ps(ehybrid)と272ps(GTE)の2種類のプラグインハイブリッドも含まれている。競争力を維持するため、Volkswagenはハイブリッド車に19.7kWhの大型バッテリーを搭載する。そのため、「ehybrid」は143km、「GTE」は131kmの航続距離を実現する。
3気筒エンジンとGTDは廃止へ
ただし、2つのエンジンは提供されなくなる。容量1リッター、3気筒のオリジナルのベーシックなガソリンエンジンと、最高級ディーゼルの「GTD」だ。ウォルフスブクルクに本拠を置く同社が、今回のマイナーチェンジでボンネットダンパーを追加しなかったのは少々残念だ。
装備:インテリアの質感向上
「Volkswagen Golf8」のインテリヤもまた、これまで多くの批判の対象となってきた。Golfは何か新しいことを学んだのだろうか?答えはイエスだ。顧客の意見は真摯に受け止められ、適切な場所で適切な調整が行われた。
つまり、ドアパネルやダッシュボードのソフトタッチの面が大幅に増え、仕上がりも全体的に良くなった。もちろん、下を見下ろしたり、後部座席に座ったりすれば、まだ硬いプラスチックが見つかるだろうが、全体として、新型はすでに一歩前進している。
トランク容量はGolfが381リッター、最大は1237リッターまで拡大できる。Variantは611リットル、最大1642リットルを積み込むことができる。
「GTI」は引き続き、赤を基調としたカラーアクセントを採用。ステアリングホイールとシートにはコントラストの効いたステッチが施されている。希望すれば、ファブリックまたはレザーのスポーツシートを注文できる。また、トリムエレメントをカーボンファイバー製にすることも可能だ。インフォテインメントシステムも一歩前進しているが、これまでは不器用で直感的でなかったため、顧客を悩ませていた。
最大12.9インチのセンターディスプレイを備えた新しいインフォテインメント
そして、ここがもっとも変わったところだ。MIB4によって、Volkswagenの最新世代のインフォテインメントモジュラーシステムがGolfに導入された。ハードウェアが大幅に改良されたことで、よりスムーズな映像が実現され、グラフィカルな表示も最初よりはずっとシンプルに見える。
また、10.4~12.9インチと大幅に大型化されたセンタースクリーンが採用されたからだけではない。クライメートコントロールのような重要な機能は、もはやサブメニューに隠されることなく、メインスクリーンと一体化している。さらに、しばしば批判されるモニターの下にあるタッチスライダーは、暗い室内でも正しい機能を見つけられるよう、照明がついた。
標準装備となったApple CarPlayとAndroid Autoによるスマートフォンのワイヤレス統合も、使い勝手の向上に貢献している。必要であれば、衛星ナビゲーション、音楽、アンビエント照明、運転補助装置など、最も重要な設定をホーム画面のクイックアクセスで直接設定できる。
●結論:
新しいインフォテインメント、より良い素材、そして新鮮な外観。フォルクスワーゲンは「Golf8」のアップデートの際、顧客の批判を真摯に受け止め、適切な調整を行った。近々行われる予定のテストで、すべての変更が本当にすべてを良くしたかどうかが分かるだろう!
(Text by Sebastian Friemel / Photos by Volkswagen AG)