去る9月3日、深い霧が出る箱根ターンパイクに多くのクルマたちが集合した。メーカーや車種、年式も実にさまざまだが、唯一の共通点がただひとつだけある。すべての車両がホイールメーカーであるOZ社のホイールを愛車の足に装着している点だ。
この日、OZ Fan Meeting 2023がアネスト岩田のスカイラウンジで開催された。この日のためにこのターンパイクの駐車場には70台以上の車両が集結、メーカーであるオーゼットジャパン株式会社や、協力会社との交流が図られた。
OZ Fan Meetingの開催は今回で5回目だ。ラウンジでも初参加から皆勤賞までどのくらいいるのか、司会を務めたオーゼットジャパン株式会社内山社長が話の流れから確認すると、思いの外、出席率が良いことが参加者の挙手で確認できた。イベントリピーター、それだけ熱心なファンが多いことも特徴といえそうだ。和やかな雰囲気のなか、各参加車両の写真撮影と箱根ターンパイクラウンジをバックに全体写真(集合写真)の撮影を行っていく。その後、舞台をラウンジへ移して、主催者からの舞台あいさつで開会が宣言される。
スカイラウンジで改めて語られるのはOZの歴史だ。シルヴァーノ・オゼッラとピエトロ・ゼンによって設立したOZ(社名はこの2人の頭文字から取られている)。ミニによるラリー選手権での優勝を皮切りに有名個人チームにそのホイールを提供、1984年にはレーシング用のホイールのみを製造する会社を設立し、F1用のホイールを製造し始めた。
そして1990年台にはWRCでトヨタの勝利に貢献し、現在も数多くのレースにホイールを提供している。その供給網は世界各国で70カ国にも及び、世界中のスポーツカーはじめ、多くのクルマに装着されているのは知ってのとおりだ。
昼食にはイタリアはカラブリア州の料理、エリオ・ロカンダのフィンガーフード(一口で食べられる料理)とラザニアが振る舞われた。今回の料理は、神奈川県鎌倉市にある「SANTILLO CICLI & CAFFE THE GARAGE」という、サイクルカフェ&ショールームを持つサンティッロ・フランチェスコ氏だ。本業はシェフではなく、イタルデザイン出身のデザイナーでプロダクトデザインを主業としている。今回は協力会社として紹介のため、舞台で自身のデザインしたロードバイクも用意していた。
午後からは協賛各社により1分間PRコーナーが行われた。各社、持ち時間1分間の間にできる限り自社のアピールを行うというもの。
初々しいクスコジュニアチームのドライバー、赤城ありささんの挨拶から始まり、ラリードライバー兼松由奈さん、カングーにOZスポーツを履かせて現れたプロバスケットボールチームの横浜エクセレンスの広報担当者さん、カーアクセサリーショップのDAMD、ラテン車のメンテナンスで知られたレッドポイント、カラーリングのプロトタイプ、今回の運営であるマニアックス(キザス株式会社/以上、敬称略)など、多彩な顔ぶれの皆さんが1分間のPRを行った。
持ち時間とコメントのやりくりに戸惑う方、懸命のアピールをされる方、OZホイールと各車両との相性を語ってくれるショップ、持ち時間を完全にすっ飛ばして語りつくすツワモノ(?)まで参加者の注目や笑いを誘っていた。
そして、最後の行われた大抽選会は、OZのロゴの入った素敵なお土産となっていたが、最後の方では大ジャンケン大会と化しており、フィナーレにふさわしい盛り上がりを見せてくれた。
会場のパーキングを歩いていると目についたThe Beetleが眼に留まった。左ハンドルのThe Beetleは珍しい。オーナーに話を伺うと、驚くことに個人輸入で仕入れた個体だという。
現行のThe Beetleであれば、わざわざ個人でまで輸入しなくてもと思いきや、オーナー曰く、本当の意味での最終モデルは実際には正規輸入はされていないということだ。そのためバンパー周辺や細部が違っているという。日本にはその2年前に正規販売は終了していたので、これに一目ぼれしての購入だとのこと。ご自身は他にも空冷モデルも所有するほどのBeetleフリークのようだ。
2台並んだ画像を見せながら、元々は新しいBeetleは黒い塗装だったものを、こちらと合わせるために塗りなおしたそうだ。OZのホイールも、デザインはもちろん、さまざまなご縁もあり、チョイスしたそうだ。
閉会の言葉をもって、無事にOZ Fan Meeting 2023は終了。充実した秋の休日を満喫したOZホイールユーザーたちが会場をあとにするが、イベントはまだ終わっていない。「家に帰るまでがOZ Fan Meeting 2023」が適切な表現だろう。
参加者の方たちも、その日の夜は心地良い疲れをおぼえつつ、イベントの余韻にひたりながらゆったりと眠りについたに違いない。
(Text & Photo Kimoda Koyoshi)