フォルクスワーゲン グループは、3月15日、世界経済における逆風にもかかわらず、2022年は堅調な業績を上げたと発表した。

画像: フォルクスワーゲン グループ、BEVの販売台数は前年比26%増加。重要なモデルの発表を示唆

フォルクスワーゲン グループ最高経営責任者(CEO)のオリバー ブルーメ氏は「2022年度は、フォルクスワーゲン グループにとって重要な年となりました。大きな逆風にもかかわらず、戦略の実行に向けて前進しました。BEVは、総販売台数の7%という過去最高のシェアを占めました。人気の高いモデルラインナップの拡充を続け、前進させる、今年は大きな節目の年となるでしょう。”10-point plan”(10ポイントプラン)に沿い、私たちはブランドの新製品戦略、プラットフォームの合理化、ソフトウェア ロードマップの改訂など、戦略を実行するための重要な措置を講じました。私たちは、各市場に合わせた魅力的な製品およびテクノロジーの開発と生産にさらに集中することにより、世界における存在感を強化し続けました。2023年は、戦略的目標を実行し、グループ全体の前進を加速するための決定的な年になるでしょう」と述べている。

持続可能な成長のための強固な財務基盤を確保

2022年の総販売台数は前年比7%減少して830万台となった。しかし、180万台という高水準のバックオーダーと独自の製品ポートフォリオ、そして2023年にはサプライチェーンの制約が徐々に緩和されると予想している。

フォルクスワーゲン グループ最高財務責任者(CFO)兼最高執行責任者(COO)のアルノ アントリッツ氏は「2022年は、私たちのビジネスモデルの堅牢性を印象的に示しました。困難な状況下で、57万2,100台のBEVを納車し、売上高と営業利益を増加させました。2023年度は、全体的な経済の発展を考慮すると、2022年と同様に困難な年になると予想しています。しかし、説得力のある製品と約180万台のバックオーダーを抱えた私たちの力強いブランドにより、自信を持って2023年に臨むことができます。私たちは、今年も再び堅調な利益を生み出すことを目指しています。強固な財務基盤により、困難な経済環境においても、電動化とデジタル化への投資を継続することが可能になっています」と述べている。

市場をリードするBEV製品のポートフォリオ

BEVの成長は続いており、グループのBEVの総販売台数は26%増加。2022年には販売全体におけるBEVのシェアが7%に達した。BEVは現在、グループのバックオーダーの16%を占めているという。

2022年にグループでもっとも多く販売されたBEVのベスト3は次のとおり。

・Volkswagen「ID.4」1/「ID.5」:19万3,200台
・Volkswagen「ID.3」2 :7万6,600台
・SKODA「Enyaq iV」(クーペを含む):5万3,700台

フォルクスワーゲン グループは、ニューモデルの開発を続けており、2023年には、新型「ID.3」、「ID.7」、ロングホイールベース版の「ID. Buzz」、CUPRA「Tavascan」、Audi「Q8 e-tron」といった重要なニューモデルが発売されるという。これらのニューモデルを投入することにより、2023年度には全販売台数に占めるBEVのシェアを約10%に引き上げることを目指している。

好調な営業利益が示すフォルクスワーゲン グループのブランド力

プレミアム ブランドの利益率は12.3%(同:10.6%)に向上。これは、プレミアムモデル対する堅調な需要、高レベルのバックオーダーに加え、ランボルギーニ、ベントレー、ドゥカティの各ブランドの好調な業績によって実現した。プレミアム ブランドの売上高は、2022年に618億ユーロ(同:559億ユーロ)に増加し、特別項目計上前営業利益は76億ユーロ(同:59億ユーロ)に改善された。

ポルシェの営業利益率は18.6%に上昇し、販売台数の増加、価格設定や製品ミックスの改善により、BEVのシェアは総販売台数の11%を超えた。Porsche「Taycan」は、発売後わずか2年で生産台数が10万台に達した。

北米における良好なポジショニングを構築

米国におけるBEVの販売台数は前年比18.8%増となる4万4,200台で、グループ全体でBEVセグメントで4位にランクイン。グループは現在、内燃エンジン搭載車を含む市場全体で4%の市場シェアを持っており、2030年までに10%に増やすことを目指しているという。これは主に、2024年にデビューする「ID.7」および「ID. Buzz」を含む、米国における製品ラインナップの拡大によって促進される見込み。

中国市場で販売が回復

2022年には、中国における電気自動車の「ID.ファミリー」の販売台数は2倍以上に増加。2022年には、合計で前年比102.9%増となる14万3,100台の「ID.3」、「ID.4」、「ID.6」3が販売されましたという。その結果、全体として中国でのBEVの販売台数は、前年比で68%増加している。

(Text Toru Matsumura)

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