2023年2月2日、8speed.net読者を対象にしたドライビングレッスン「inCELL × 8speed.net Presents Driving Lesson in FSW」を富士スピードウェイP7駐車場で開催しました。
一般道ではなかなか体験できないさまざまなシチュエーションを、安全な場所で繰り返し練習することで運転の基本を学ぶとともに、いざというときに危険を回避する能力を身につけてもらうのを目的にスタートした「8speed.net Driving Lesson」。
過去6回わたり開催されたドライビングレッスンは、どちらかというと基礎的なプログラムでしたが、今回は初となる「中上級者」の方が対象。当日は8speed.netでピックアップしているメーカー(VW/アウディ/ポルシェ)の枠を超え、腕利きのドライバーの方々がエントリー。
講師を務めるのはモータージャーナリストの齋藤 聡さんと、サポート講師を務める株式会社インフィストデザイン代表の須田 力さん。
参加者の方々のスキルやクルマの特性を踏まえつつ、豊富な知識と経験も持つおふたりから的確なアドバイスを受けられる点もこのドライビングレッスンの大きな魅力のひとつです。
さらに、一般道では体験することが難しいクルマの挙動を知ることで、危険回避やコーナーを速く安全に走るためのテクニックを学ぶことができるまたとない機会でもあります。
当日は齋藤さんの座学からスタート。スポーツ走行における正しいドライビングポジションや、ステアリングも持ち方、切り方、回し方など、海外メーカーのドライビングスクールの実例などを交えながらの解説は、「中上級者」の方でも参考になることがあったようです(ちなみに、海外の自動車メーカーはクロスハンドル推奨とのこと。しかし、送りハンドルに慣れている方はそのままでもOKというのが齋藤さん流)。最後に齋藤さんから「今日一日、ご自身でテーマを決めて走ってみてください」とアドバイスを受け、参加者の方々はいざコースへ!
午前中のプログラムはウオーミングアップ走行を経て、スラローム&ブレーキ(チキンレース)、そしてドライ路面でのオーバルコース走行。「フルブレーキ」といっても、一般道でABSが作動するほど思い切りブレーキペダルを踏み込む機会はなかなかありません(ない方がいいわけで……)。
「どこまで踏み込むことがフルブレーキなのか」を自ら体験し、何度も繰り返すことで体で覚えこませます。「フルブレーキの感覚」がつかめるだけで、緊急時の対処が変わることを参加者の方々も実感できた様子。その後はスラローム走行へ。今回は参加台数が少なったこともあり、各オーナーさんもそれぞれのプログラムで多くの本数を走ることができたようです。ドライ路面でのオーバルコース走行の頃には、皆さんガンガン攻め込んでいました。
昼食をはさみ、午後からはウェット路面でのオーバルコース走行。ウェット路面をものともせず、参加者の方々が果敢に攻め込んだ結果、スピン続出!ときには齋藤さんが同乗したり、オーナーさんのクルマを運転することでお手本を披露。齋藤さんの熱心かつていねいな指導のおかげで、みるみるうちに参加者の方々がスキルアップしている様子が分かります。そして何より、皆さんのとても楽しそうな表情が印象的でした。
仕上げは今回の各プログラムをひとつにまとめた特設コースでタイムアタック。スムーズなアクセルワーク、流れるようなスラローム、ABSがめいっぱい効くほどのフルブレーキと、わずか数時間で格段にレベルアップできていることを、講師陣はもちろん、参加者の方々も実感できたようです。
一般道ではなかなか体験できないさまざまなシチュエーションを、安全かつ思い切り体験してもらうことで、危険回避能力が高まったり、荷重移動を感じながら愛車の限界を体感できたのではないかと思います。
その結果、よりスムーズで気持ちのいいドライビングにつながったり、そして、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェの持つ基本性能の高さを、あらためて確認できたり……。参加者の皆さんがそんな体験ができたとしたら、運営スタッフとしてはうれしいかぎりです。
今後も不定期ですがドライビングレッスンを開催していきますので、興味を持った人はぜひ次回ご参加ください!もしかしたら、1人で参加するのは不安があるかもしれません。しかし実際には、講師のおふたりや運営スタッフ、参加者の方々同士で集まると、自然と会話が生まれるのでご安心ください。とても有意義な1日が過ごせること、間違いなしです!
(Text & Photos by Toru Matsumura)