フォルクスワーゲンが2022年3月に電動ワーゲンバスを発表すると噂されている。現時点で把握している情報をお伝えしよう。

※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

画像1: 【Auto Bild】“電動ワーゲンバス”がまもなく発表!?

2022年、フォルクスワーゲンのアイコンである「Bulli(=ワーゲンバス)」が電動化される。

1950年に初代「T型」で始まったこのモデルは、70年以上のときを経て、駆動コンセプトを変えるという、おそらく最大の変革を遂げようとしている。

しかし、すべての変化にもかかわらず、新しいドライブは昔の美点を復活させ、何よりもバスがフォルクスワーゲンにとって非常に重要であるということを証明する。

トランスポーターとマルチバンのモデルはいましばらくは内燃機関を搭載するが、プラグインハイブリッドモデルも提供する。

エクステリア:ID.Buzzはオリジナルのワーゲンバスに回帰

2017年、フォルクスワーゲンは、その電動バスをID.Buzzコンセプトモデルで示した。Buzzのコンセプトモデルで、フォルクスワーゲンは未来の電気自動車版ワーゲンバスがどのようなものかを示した。

そのデザインは、ワーゲンバスの初代モデルであるT1を強く意識したものだった。V字型のくぼみを持つ特徴的なフロントマスクは、ここで最も印象的なデザイン要素のひとつであり、新版でも大きなテーマとなっている。

また、ワーゲンバスのコンセプトモデルでは、アイコニックなツートンカラーのペイントスキームを採用していた。

画像: エクステリア:ID.Buzzはオリジナルのワーゲンバスに回帰

試作車の写真によれば、市販モデルは驚くほど、コンセプトカーに近いものになっているようだ。オーバーハングは短く、ウィンドーエリアは大きく、カムフラージュフィルムにもかかわらず、リヤにもコンセプトカーのデザイン言語が見られる。

新型電動ワーゲンバスは、初代のカルトバスにかぎりなく近い外観を持つべきだという使命感が伝わってくる。

インテリア:コックピットはID.3 / ID.4から流用!?

コックピットは、すでに公開されているプロトタイプを参考に、ID.3とID.4を強く意識したものになるといわれている。

また、電動ワーゲンバスでは、ステアリングコラムに直接、シンプルな小型のデジタルコックピットを搭載することが予想される。車両自体の制御はセントラルモニターを介して行われる。

ボタンはほとんどなく、電気自動車の兄弟車の「ID.3」や「ID.4」と同じように、ほとんどタッチで操作することになる。

画像: インテリア:コックピットはID.3 / ID.4から流用!?

しかし、ワーゲンバスにとって重要な、シートレイアウトを含めたリヤコンパートメントがどのようにデザインされるかは、まだ現段階ではわからない。

新型「T7 Multivan」は、世代交代を機に、すでに新しいインテリア哲学を追求しており、将来的には折りたたみ式のリアシートベンチを廃止する予定だ。

個性的なシートと、スライド式のセンターコンソールが、新しい空間のコンセプトであり、「ID.Buzz」のシリーズバージョンもこの手法を採用する可能性がある。

名前とバージョン:「Samba」と呼ぶ可能性も

最初のオール電動ワーゲンバスが、本当に「ID.Buzz」と呼ばれるかどうかは、まだ不明だ。

この名前は、フォルクスワーゲンの電気モデルの命名法を引き継ぐものだが、兄弟モデルは、ID.3、ID.4といったように、これまで常に名前に数字を含んでいる。

また、一方で、「Samba」という歴史的な名前を復活させるという噂も流れている。この噂によれば、ID.Buzzの生産バージョンは、最大23枚の窓を持つ伝説的なT1にちなんだ名前になるかもしれないという。このT1は、現在、クラシックカー市場で、10万ユーロ(約1330万円)を超える価格で取引されている人気の高い1台だ。

モデル名については、おそらくワールドプレミアの直前まではっきりしないだろう。

名前はまだはっきりしないにしても、自動運転バージョンに関しても、すでに確実性が高まっている。先日、VWは2025年に運行開始を予定している完全自律型のID.Buzzバージョンの図面を公開した。数人が乗れる窓付きバスに加えて、商業用のバージョンも計画されており、その場合は後部に窓は備わらない。

MultivanとTransporterは、引き続き内燃機関を搭載するが、ID.Buzzの貨物バージョンは、都市部での移動を主とする企業向けに、外観を重視した完全な電気自動車を想定している

テクノロジー:ID.Buzzは、MEBにより柔軟に拡張可能

ID.Buzzで、新しい電動モジュラーシステム「MEB」を採用するモデルとしては最大のボディを持つことになる。

このフロアアセンブリは、ID.3、Audi Q4 e-tronなどのアンダーボディにもなっているため、アンダーボディ内にバッテリーを追加できるスペースを確保している。

フォルクスワーゲンでは、駆動用バッテリーを車軸間のフレームに配置しているため、ホイールベースを延長することで、バッテリーセルの数を増やすことができるようにもなっている。

画像: テクノロジー:ID.Buzzは、MEBにより柔軟に拡張可能

MEBベースの他のモデルと同様に、ID.Buzzは400Vで駆動し、最大125kWの充電が可能な急速充電器を使用する。約550kmの航続距離が可能だが、ID.Buzzのシリーズバージョンの性能がどのようなものになるかは、現段階においては不明だ。

ID.Buzzは基本的に後輪駆動のみの設定となっているが、これは祖先であるT1が同じくリヤエンジンと後輪駆動を採用していたことと共通しているといえる。オプションで4WDも考えられるが、プラットフォームがモジュラーデザインであるため、成立には大きな障害にはならないだろう。

電気モーターの出力は純粋な憶測だが、最もパワフルなMEBモデルでは、4MOTIONで最大306PSを発揮するだろう。

(Text by Andreas Huber / Photos by Volkswagen AG)

画像2: 【Auto Bild】“電動ワーゲンバス”がまもなく発表!?

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