これが320PSを誇る「ゴルフRヴァリアント」のサーキット走行の様子だ。これより速いゴルフヴァリアントはない! 新しいゴルフRヴァリアントは、フォルクスワーゲンの中で最もパワフルで、最も高価で、最も楽しいコンパクトステーションワゴンだ。
※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。
ノルドシュライフェを7分51秒で駆け抜け、0から100km/hまで4.9秒。スポーツカーではなく、コンパクトなステーションワゴンに相応しくない数字だ。その名は「ゴルフ8 R」のステーションワゴンバージョン、ゴルフRヴァリアントである。
このスポーツステーションワゴンは、ノーマルのゴルフ8 Rと同様に、マジックシャシー、ドリフトモード、そして十分なパワーでのドライビングは感動をもたらす。子供のいない週末に親が気晴らしをするには絶好のクルマだ。
平日は家族で買い物をしたり、おもちゃ屋さんを物色したりして、土日は、いろんな道路のカーブをもっと知りたいと思う。そんなことが、このヴァリアントなら可能なのだ。
「本当に?」
その実力を確かめるために、われわれはこの高性能ステーションワゴンを徹底的に試してみたのだ。
その前に、価格について少しだけ。このモデルの購入が家計を圧迫することは間違いない。ウォルフスブルクのメーカーは、新しいゴルフRヴァリアントに、少なくとも、51,585ユーロ(約670万円)を要求している。
にもかかわらず、このクルマの装備は未完成の状態である。魅惑の19インチホイールは別料金で、アウトバーンを270km/hで走れるうちに走りたいなら、別途、パフォーマンスパッケージ(2,095ユーロ=約27万円)を追加する必要がある。アダプティブサスペンションやナビゲーションシステムも、残念ながら標準装備ではない。それだけのお金を出せば立派な「ワーゲンバス」が手に入る。
2リッターターボはすべての回転域で溢れるパワー
プライス論議から離れて、純粋にクルマを楽しむことにしよう。エンジンを始動し、ドライビングモードを「スペシャル(パフォーマンスパッケージに含まれる)」に設定すると、ニュルブルクリンクのロゴが現れ、「ビルスターベルク」でのワイルドなドライブが始まった。
勢いよくピットロードに出て、「クラブハウスS」を通過すると、自分がステーションワゴンに座っているとは思えないほどだ。背中の荷室のことなどすぐに忘れてしまうほど、すべてがノーマルのゴルフRと同じようにスポーティで骨太で音のある感じがする。
おなじみの2Lガソリンターボエンジンの320PSは、常に目を覚ましており、エンジン回転数が上がっても、4気筒エンジンは十分に力を発揮する。
ゴルフRヴァリアントのポテンシャルは、スポーツからコンフォートまで幅広い
オプションの「マジックサスペンション」はゴルフRヴァリアントでも活躍する。
縁石の上を細かくドリフトし、フロントアクスルは理想的なラインを正確にたどり、ビッグサイズのブレーキは挙動をしっかりと制御することを可能にし、高速デュアルクラッチトランスミッションは7つのギアを激しく上下させる。
まさに喜びの連続だ。
後ろにいる子供たちだけは、あまり祝ってくれないかもしれないが、今日はそのための「休み」、なのだから。
もちろん、「ゴルフRヴァリアント」はゆっくりと走ることもできる。最もソフトなドライビングモードでは、そのサスペンションは中級車のように柔らかく、しなやかなものとなり、オーディオシステムもゆっくりと楽しめるようになる。
ノルドシュライフェでのラップタイム? 7分51秒だった。ステーションワゴンとしては上出来だ。
テクニカルデータ:ゴルフRヴァリアント
● エンジン:4気筒ターボ、フロント横置き●排気量:1984cc ●
最高出力:335PS/5350rpm ●最大トルク:420Nm/2100~5350rpm ●
駆動方式:4WD、7速DSG ●全長×全幅×全高:4644×1789×1466mm ●
乾燥重量:1630kg ●トランク容量:611~1642L ●最高速:250km/h ● 0-100km/h加速:4.9秒●
平均燃費:12.8km/L ● CO2排出量:178g/L ●価格:51,585ユーロ(約670万円)
結論:AUTO BILDテストスコア=2
新型「ゴルフRヴァリアント」は、少しセンスがないかもしれないが、その運転の楽しさは、保証付きだ。このステーションワゴンは、いつでも楽しい。ドリフトモードでカーブを駆け抜けるのも、サーキットでトップタイムを叩き出すのも、家族で旅行に出かけるのも、すべてうまくいく。
(Text by Guido Naumann / Photos by Volkswagen AG)
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