フォルクスワーゲンのコンパクトSUV「ティグアン」として初の「R」モデルとなる「ティグアンR」がついに日本上陸! 320psの2.0 TSIエンジンと「Rパフォーマンス トルクベクタリング」を搭載する4MOTIONが生み出す走りは?

画像1: 【ミニ試乗記】ティグアンR

ティグアンのマイナーチェンジを機に追加されたのが、ハイパフォーマンスモデルの「ティグアンR」だ。235kW(320ps)を誇る2L直列4気筒エンジンに7速DSGと4WDの4MOTIONを組み合わせたRモデル初のSUVである。

注目したいのが、このティグアンRをはじめ、新型「ゴルフR」や「ゴルフRヴァリアント」に搭載される「Rパフォーマンス トルクベクタリング」。エンジンのトルクをフロントとリヤアクスルに配分するだけでなく、リヤアクスルの左右のトルク配分を自在にコントロールし、コーナリング性能を高めるというもの。その実現のために、リヤアクスルには2個の湿式多板クラッチが搭載され、リヤの外輪により多くのトルクを配分することで、コーナリングしやすい状況を生み出すのだ。

さっそくコックピットを覗いてみると、R専用ナパレザーシートが待ち構えている。Rのロゴやブルーのステッチなど、Rモデルを意識させる演出がなんともニクい。

そして、R専用ステアリングホイールには、新たに「Rボタン」が搭載されている。

ティグアンRでは、「オンロードモード」に加えて、「オフロードモード」「スノーモード」「オフロードカスタムモード」を簡単に切り替えられる「4MOTIONアクティブコントロール」が搭載されている。このうち、オンロードモードはさらに、「コンフォート」「スポーツ」「レース」「カスタム」のドライビングプロファイルが用意されているのだが、ステアリングホイールのRボタンを押すことで、ダイレクトに「レース」が選べるようになった。さらに、Rボタンを続けて押すことで、カスタム→コンフォート→スポーツ→レースと切り替えることも可能だ。

エンジン始動直後は、オンロードモードのスポーツが選択された状態。そのまま走り始めると、硬めのサスペンションが路面からのショックを拾い、少し辛い。すぐにコンフォートに切り替えるとショックの角が丸められて乗り心地は十分許容できるレベルになった。

それでも、高速道路などの目地段差を超えるような場面ではショックを遮断しきれず、場合によってはリヤから突き上げを食らうことも。そのぶん、前後方向の揺れ(ピッチング)や横方向の揺れ(ロル)はよく抑えられている。

2.0 TSIエンジンは低回転から力強いトルクを発揮するが、コンフォートのままでは多少アクセルペダルに対するレスポンスがのんびりした印象。そこでドライビングプロファイルでカスタムを選び、サスペンションはコンフォート、エンジンをスポーツに設定してやると、乗り心地とエンジンレスポンスを両立することができる。

アクセルペダルを強く踏み込むと、2.0 TSIエンジンは2500rpmを超えたあたりから一気に勢いを増し、高回転まで力強い加速が続いていく。その際、コックピットには勇ましいサウンドが広がるが、これには「サウンドジェネレーター」による人工的な音も含まれている。個人的にはサウンドジェネレーターの濁ったような音はあまり好みではないので、ドライビングプロファイルのカスタム機能でエンジン音をコンフォートに設定することで、すっきりとしたエンジン音を楽しんだ。

画像6: 【ミニ試乗記】ティグアンR

気になるハンドリング性能だが、Rパフォーマンス トルクベクタリングの効果は絶大!

プログレッシブステアリングを搭載することで、大きくステアリングを操作する場面では多少機敏さが増したものの、とりたてて切れ味が鋭くなったわけではないティグアンR。しかし、コーナーの途中でアクセルペダルを踏んでいくと、これまでならクルマが外に膨らむような“アンダーステア”に見舞われるところが、狙ったラインをそのままトレースする“ニュートラルステア”になり、タイヤの接地感も増す印象。おかげで、コーナー途中の早い段階からアクセルペダルを踏んでいくことが可能で、安定した姿勢を保ちながら素早くコーナーを駆け抜けることができる。Rパフォーマンス トルクベクタリングは動作が自然で、ドライバーがその動きを意識することがないのもうれしいところだ。

試乗した日はあいにくの雨模様だったが、それでもアクセルペダルを踏み込む場面でESCが顔を出すことなく、高いトラクションを見せてくれた。高速コーナーでの安定感も抜群で、高速道路での直進安定性もきわめて高い。

画像7: 【ミニ試乗記】ティグアンR

ティグアンRのダイナミックな走りはSUVであることを忘れるほど。人気のSUVはほしいが、ホットハッチのような熱い走りを諦められないという人には、まさに待望の一台になるはずだ。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Satoshi Ubukata,VW)

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