2021年6月15日、フォルクスワーゲン グループ ジャパン(VGJ)は、フルモデルチェンジにより8代目となった「ゴルフ」を日本で発売した。

画像1: 新型「ゴルフ」日本発売

1974年に登場し、以来、世界中で3500万台以上が販売されたコンパクトカーのベンチマークが、フルモデルチェンジにより8代目に生まれ変わった。

ゴルフ8は、旧型同様、フォルクスワーゲン グループの横置きエンジン用プラットフォーム「MQB」を採用する一方、「デジタル化」「電動化」「ドライバーアシスタンスシステムの充実」を図ることで、進化を遂げている。

ゴルフのエクステリアは、2ボックスのハッチバックスタイルや太いCピラーといった特徴を受け継ぎながら、よりシャープなデザインのヘッドライトや薄いライジエターグリルなどにより、さらに精悍なフロントマスクを手に入れている。

画像2: 新型「ゴルフ」日本発売

ボディサイズは全長4295×全幅1790×全高1475mmで、先代に対して全長がプラス30mm、全幅がマイナス10mm、全高がマイナス5mmと、ほぼ同サイズを維持している。空気抵抗を低めるデザインにより、Cd値は先代の0.30に対して、新型は0.275へと向上している。

画像3: 新型「ゴルフ」日本発売

最新のフォルクスワーゲンデザインに則り、リヤの「GOLF」のバッジがVWエンブレム下に配置されたのも新型の特徴である。

画像4: 新型「ゴルフ」日本発売

インテリアは、10インチの液晶ディスプレイを用いた「Digital Cockpit Pro」を全車に標準装着するとともに、10インチのタッチパネルを備えたインフォテインメントシステム「Ready 2 Discover」を標準で搭載。さらに、エアコンの操作パネルを省くとともに、プッシュスイッチやダイヤルを取り除くことで、すっきりとしたコックピットをつくりあげている。

DSGのシフトレバーは、シフト・バイ・ワイヤー化により、小型のスイッチに変更されている。

インフォテインメントシステムは最新世代の「MIB3」を採用し、標準のディスプレイオーディオのReady 2 Discover、オプションの純正ナビゲーションシステム「Discover Pro」ともに、モバイルオンラインサービスの「We Connect」「We Connect Plus」が利用可能だ。

ラゲッジスペースは、リヤシートを使用する場合でも380Lを確保。リヤシートを倒せば、最大1237Lまで拡大することができる。荷物にあわせてラゲッジスペースのフロアの位置が変更できるのは従来どおりだ。

パワートレインでは、48V電源システムとベルト駆動式スターター・ジェネレーター、48Vリチウムインバッテリーによるマイルドハイブリッドシステムをフォルクスワーゲンとして初めて採用。1L直列3気筒ターボの1.0 TSI(81kW/110ps)に48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた「eTSI Active Basic」「eTSI Active」、気筒休止機能を搭載する1.5L直列4気筒ターボの1.5 TSI(110kW/150ps)に48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた「eTSI Style」「eTSI R-Line」を用意。全グレードで電動化を図った。

トランスミッションは全車に乾式単板クラッチを用いた7速DSGを搭載。駆動方式はFFを採用する。燃費は、1.0 eTSI搭載車が18.6km/L、1.5 eTSIでは17.3km/Lを達成する(いずれもWLTCモード)。

ドライバーアシスタンスシステムでは、プリクラッシュブレーキシステムの「Front Assist」やアダプティブクルーズコントロールの「ACC」、レーンキープアシストシステムの「Lane Assist」、後退時警告・衝突軽減ブレーキのリヤトラフィックアシストなどを全車に標準で搭載している。ACCとLane Assistを組み合わせることで、0〜210km/hの範囲で、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作をサポートする「Travel Assist」も利用可能だ。

フロントカメラで対向車や先行車を検知し、眩惑を防ぎながらハイビームが利用できるLEDマトリックスヘッドライトの「IQ.LIGHT」は、ゴルフeTSI Active Basicを除くグレードにオプション設定される。

シャシーに関しては、フロントサスペンションは全車マクファーソンストラットを採用する一方、リヤサスペンションは、1LエンジンのゴルフeTSI Active BasicとゴルフeTSI Activeにトーションビーム式、1.5LのゴルフeTSI StyleとゴルフeTSI R-Lineに4リンク式を採用する。タイヤサイズは、前者が205/55R16、後者が225/45R17である。

なお、ゴルフeTSI R-Lineには、可変ギアレシオステアリングのプログレッシブステアリングが搭載される。

ゴルフ8のラインアップと価格は次のとおりで、2021年内には「ゴルフGTI」が追加され、また「ゴルフ ヴァリアント」や「ゴルフR」も追って登場する予定である。

  • ゴルフeTSI Active Basic……291万6000円
  • ゴルフeTSI Active……312万5000円
  • ゴルフeTSI Style……370万5000円
  • ゴルフeTSI R-Line……375万5000円

なお、VGJでは2月9日から新型「ゴルフ」の先行受注を開始していたが、これまでに2500台強の予約受注があり、同社では好調な滑り出しを切ったと見ている。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by VGJ)

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