マイナーチェンジが実施された「パサート」シリーズ。そのクロスオーバーモデル「オールトラック」に試乗し、その進化をチェックする。
![画像1: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2021/04/13/113911f51d6f82e9c373b6b33b12f3aed83abb16_xlarge.jpg)
ヨーロッパでは2019年3月にマイナーチェンジが発表されているパサートが、約2年遅れで日本に上陸した。マイナーチェンジでは、前後バンパーやラジエターグリルなどを手直し。また、同一車線内全車速運転支援システム“Travel Assist”とLEDマトリックスヘッドライト“IQ.LIGHT”を全車に標準装着するなど、運転機能の強化を図ったのが特徴だ。
マイナーチェンジの概要は上記のニュースをご覧いただくとして、今回試乗したのは2.0 TDエンジンと4WDの4MOTIONを搭載するクロスオーバーモデルの「パサート オールトラック」。ぱっと見はマイナーチェンジ前からの変更がわかりにくいが、フロントマスクが存在感を増し、また、リヤの「PASSAT」のバッジがVWエンブレム下に移されたことで、新しい世代のデザインを採用しているのがわかる。
![画像2: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2021/04/14/aab0d234f150a77fc64e2509ad97762f33d84f87_xlarge.jpg)
![画像3: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2021/04/14/5af775257e260f40adc77ea4e6a7f01229d0b53a_xlarge.jpg)
![画像4: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2021/04/14/38f59ecead954dc084693f69ddcf599db06f4a67_xlarge.jpg)
試乗車は上位グレードの「パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス」で、ナパレザーシートやシートヒーター/シートベンチレーションを備えたスポーツコンフォートシート、DCC(アダプティブシャシーコントロール)、ヘッドアップディスプレイ、245/45R18モビリティタイヤを標準で装着。さらに、オプションの電動パノラマスライディングルーフが奢られている。
![画像5: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2021/04/14/44d3a6165e02eb79ce30792af4578a5faa3e58c3_xlarge.jpg)
![画像6: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2021/04/14/7f7c6d13294c39bd06146bdbdcb785189baf97fb_xlarge.jpg)
![画像7: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2021/04/14/527b2a4356068eb7121eb831eb7f4de18a3cf1c9_xlarge.jpg)
運転席に着くと、基本的には以前のデザインを踏襲しながら、これまでとは少し違ったコックピットが目に入る。たとえば、ステアリングホイールが最新のシャープなデザインになっていたり、エアコンのコントロールがタッチ式に変わっていたり、デジタルメーターが従来の“Active Info Display”が新世代の“Digital Display Pro”に変更されていたりと、細部にわたって変更が行われていた。
インフォテインメントも最新のMIB3となり、モバイルオンラインサービスの“We Connect”やAppleのワイヤレスCarPlayに対応。USBポートがタイプCになっているのも、新しいクルマならというところである。
一方、インテリアの特徴のひとつだったアナログクロックが姿を消し、代わりにハザードランプのスイッチがダッシュボード中央に配置されている。アナログクロックがちょっぴり贅沢な雰囲気をもたらしていただけに、やや殺風景になったのが個人的には残念なところだ。
![画像8: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2021/04/14/dcd8ca8c84598380a2af810f2aaf46a8daa80040_xlarge.jpg)
![画像9: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2021/04/14/ab0d3cb95dcb9a27f1ad9f5f0aea029b77d9392c_xlarge.jpg)
![画像10: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2021/04/14/787401e39662e9329fb152215cfb5390c749a194_xlarge.jpg)
![画像11: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2021/04/14/c5618c69d424a43f9b19eb7923db194df30c70d2_xlarge.jpg)
パサート オールトラックに搭載されるのは、190ps/400Nmの2.0L直列4気筒ディーゼルターボ。エンジンのスペックに変わりはないが、組み合わされるDSGが6速から7速に変更されたのは見逃せないところだ。
![画像12: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2021/04/14/b2e5db2e13d6b425aeb5a53c8e6685bc5d91055f_xlarge.jpg)
さっそく走り出すと、マイナーチェンジ前に比べて、エンジンが発するノイズが低減された印象で、耳障りな音が明らかに減ったのがうれしい。一方、TDIエンジンらしく、低回転から豊かなトルク発揮するのはこれまでどおりで、軽くアクセルペダルを踏むだけで余裕ある加速を見せてくれるのが頼もしいところだ。
高速道路などで加速する場面ではさらに力強く、マニュアルモードを選べば4750rpmあたりまでスムーズに吹き上がる。ギヤが1速増えたおかげで、100km/h走行時のエンジン回転数が約1750rpmから約1450rpmに下がり、これまで以上に静かに走行できるのもうれしい点。7速DSGの動きも従来以上に洗練されており、とくに長距離ドライブに出かける機会が多い人にとってはメリットになるはずだ。
![画像13: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2021/04/13/e7b460d30a616bdcdfad97fc365b00c7dba52ef8_xlarge.jpg)
アダプティブシャシーコントロール“DCC”を標準装着したパサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンスの走りは、車高を上げた見た目とは裏腹に、街中から高速道路まで落ち着いた動きと快適な乗り心地の両立に成功。18インチタイヤとホイールの組み合わせでややバネ下重量が重く、目地段差などではショックを伝えてくることもあるが、十分許容できるレベルに収まっている。
![画像14: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783350/rc/2021/04/13/0bdbc437d1c4835765db4f6ff5accd246a6d8723_xlarge.jpg)
ゴルフシリーズに比べて、圧倒的に広い後席やラゲッジスペースが自慢のパサートシリーズ。そのなかで、個人的に一番ほしいのが、オールマイティな性能を誇るパサート オールトラックなのだが、マイナーチェンジでさらに走りに磨きがかかり、ますますこのクルマが好きになった。
(Text & photos by Satoshi Ubukata)