2019年11月22日、フォルクスワーゲンは、モータースポーツの分野で電動化に注力するとともに、内燃機関を用いた活動を縮小すると発表した。
フォルクスワーゲンでは、2019年にフル電動レーシングカー「ID.R」を用いて、パイクスピーク、ニュルブルクリンク、グッドウッドなどで、電気自動車の速度記録を塗り替えてきた。
そして今後は、「ID.」シリーズに採用されるMEB(モジュラー エレクトリック ドライブ ツールキット)を用いたマシーンを使った、電動車両によるモータースポーツ活動に力を注ぐ。そのひとつとして、ファクトリーチームによるモータースポーツ活動は、電動車両を用いたカテゴリーのみになる。
カスタマーレーシング向けに供給しているゴルフGTI TCRは、2019年をもって生産を中止し、ゴルフ8をベースとする新型車両が提供されることはないという。
2019年10月のWTCR鈴鹿ラウンドでは、フォルクスワーゲンモータースポーツのダイレクターを務めるスベン・スミーツ氏が、次期型ゴルフGTI TCR(レース車両)を、市販のゴルフ8 GTIが発表された約半年後の2020年末ごろには提供したいと述べていただけに、レース関係者にとっては“寝耳に水”といったところだろう。
なお、ゴルフGTI TCRのパーツの供給は引き続き行われる。
(Text by Satoshi Ubukata)