パサートにクロスオーバーの「パサート オールトラック」が復活! 4WDの4MOTIONと2.0L TDIエンジンを得た最新モデルの実力をチェックする。

画像1: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス

フルモデルチェンジを機にラインアップから姿を消していた「パサート オールトラック」が、TDIエンジンを手に入れて日本市場に戻ってきた。日本で販売されるパサートのなかでは、このパサート オールトラックだけが4WDということもあり、導入を心待ちにしていた人は少なくないはずだ。

クルマの概要についてはニュースをご覧いただくとして、今回は上級グレードの「パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス」の試乗が叶った。

画像2: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス

パサート オールトラックの魅力のひとつが、存在感を増したエクステリアデザインだ。標準のパサート ヴァリアントに比べて車高を30mmアップするとともに、専用の前後バンパーやコントラストカラーのホイールエクステンション/サイドシルが施されたことで、どちらかといえばおとなしい印象のパサート ヴァリアントが、ワイルドに変身している。

画像3: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス

車高とともに全高も1535mmにアップしているが、それでも高さ制限1550mmの機械式駐車場に収まるのがうれしいところ。「ティグアン TDI 4MOTIONがほしいけれど、駐車場の問題が……」と諦めた人などは、このパサート オールトラックが気になっているに違いない。

画像4: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス

一方、インテリアは、パサート ヴァリアントとほぼ同じデザインだが、一見カーボンのようなシルバーのデコラティブパネルや「ALLTRACK」のロゴがコックピットに彩りを添えている。Discover Proの車両メニューにオフロード表示が追加されるのも、パサート オールトラックだけの機能。上級モデルの「アドバンス」グレードには、フルデジタルメーターのActive Info Displayが標準装着される。

画像5: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス

また「アドバンス」グレードには、ナパレザーのトップコンフォートシート(運転席/助手席)が装着される。シートヒーターに加えて、シートベンチレーション機能が装着され、一年を通して快適なドライブが楽しめるのも見逃せない。

画像6: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス

パサート オールトラックに搭載されるのは、パサート/パサート ヴァリアントと同じ190ps/400Nmの2.0L直列4気筒ディーゼルターボ。エンジンを始動すると、最新のディーゼルエンジンに比べて少しノイズが大きめ……といっても、かつての日本のディーゼル乗用車と比べたらはるかに洗練されているのはいうまでもない。

さっそく走り出すと、低回転からTDIならではの豊かなトルクが感じられ、出足もスムーズ。軽くアクセルペダルを踏むだけで、すぐさまグイッと加速してくれるのが、なんとも頼もしい。その際のノイズや振動が目立つことがあり、とくに街中では気になる場面もあるが、スピードが上がるにつれてその印象は薄らいでいく。

高速道路を走行するシーンでは、TDIエンジンのデメリットは消え、ガソリンエンジンよりも低い回転を保つTDIエンジンのほうが、ノイズが低く抑えられるくらいだ。追い越し加速でも十分すぎるほどの速さを見せ、5000rpmの高回転まで力強さが持続するのは、この2.0 TDIエンジンの美点である。

画像7: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス

一方、パサート オールトラックの走りは期待以上。車高を上げたクロスオーバーの場合、走行時の前後(ピッチ)/左右(ロール)が大きかったり、あるいはそれを抑えるためにサスペンションを締め上げて乗り心地が硬くなってしまったりするケースが少なくないが、パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンスでは、アダプティブシャシーコントロール“DCC”を標準装着することで、落ち着いた動きと快適な乗り心地の両立に成功。高速走行時のフラット感もまずまずで、クロスオーバーの弱点が感じられなかった。

残念ながら、今回はラフロードを走る機会はなかったが、4MOTIONによる走破性向上は確実で、パサート ヴァリアントからオールトラックに進化するうえで、これといって失ったモノはないといっていいだろう。

画像8: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス

気になる燃費だが、高速道路を流れに乗って走ったときが19.4km/L、ペースを抑えてエコランを心がけたときが24.6km/L、渋滞の高速道路や一般道を含めたトータル燃費が17.0km/Lという結果になった。

ちなみに、100km/h、6速走行時のエンジン回転数は1750rpmで、これはパサート TDI(6速/FF)やティグアン TDI 4MOTION(7速/4WD)の1650rpmよりも若干高め。パサート オールトラックにも7速DSGが採用され、100km/h巡航時のエンジン回転数がもう少し下がれば、高速燃費はさらに向上するのではないだろうか。

画像9: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス

それはさておき、TDIエンジンによる力強い加速と低燃費、車高の高さを感じさせない落ち着いた動き、標準のFFモデルを超える走破性、そして、強い存在感を放つデザインなど、さまざまな魅力を手に入れたパサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンスは、個人的にはパサートシリーズのベストグレードに思える。

ロングドライブを楽しみたい人、アウトドアのアクティビティやウインタースポーツが趣味という人にぜひお勧めしたい一台である。

画像10: 【試乗記】パサート オールトラック TDI 4MOTION アドバンス

(Text & Photos by Satoshi Ubukata)

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