今年もアウディが優勝! と高を括っていたら、勝負の世界はそれほど甘くなかった......。
プジョーの強さには脱帽です。
なんかいや〜な予感がしてたんですよ。土曜のウォームアップで#1のトムがダンロップでコースアウト。ケーブルが外れてスロットルが開きっぱなしになったそうです。同じウォームアップで#2のヴェルナーはLMGT2のクルマを避けようとして、最終コーナー手前でスピン......。
レース序盤も、#3のプレマがインディアナポリスでコースアウトするわ、#1のマクニッシュが接触してノーズ交換を強いられるわ。マシーンはアンダーステアが強く、エンジンはインタークーラーに詰まった汚れでパワーが出ない。そうこうしているうちに、#2のルールがポルシェカーブでクラッシュしリタイア。
#3もTDIエンジンの高圧インジェクションポンプの交換で長時間のピットストップ、事実上、戦列を去ることに。
そうなると、期待は#1のクリステンセン、カペロ、マクニッシュにかかりますが、#9のプジョーが大きなトラブルもなく1位と2位を守り、一方の#1のR15は、ECU交換、ステアリング交換、右リアサスの交換とさまざまなトラブルに見舞われ、その間にプジョーには引き離され、4位のアストンマーティンに迫られるという始末。あまりに辛すぎます。
そして日曜日の午後3時をまわり、#1と#3が揃ってゴール。
#1は3位表彰台を獲得しましたが、1位と2位の座をプジョーに明け渡す結果となりました。
完敗です。
それにしても、今回はルマンの怖さを思い知らされました。アウディもそうですが、LMGT1クラスでトップ争いをしていた#64コルベットが終盤にリタイヤしたり、LMP2で2位確実と思われてきた#5のNAVI TEAM GOHのポルシェRSスパイダーがゴールまであと1時間15分というところで、コース上のオイルに乗りまさかの大クラッシュ(運転していた荒選手は無事のようですが......)するなど、24時間の長さをあらためて感じました。そういえば、2004年にアウディR8で出場したTEAM GOHが優勝したとき、最後の1時間を祈るような気持ちでピットで過ごしたのを覚えています。
最後まで何があるかわからないのがルマンです。だからこそ面白いわけで、すでにアウディは来年も出場することを表明していますが、R15の雪辱を祈っています。