とても残念なニュースです。アウディ ジャパンがQ7クリーンディーゼルの導入を見送るというのです。日本はクリーンディーゼルよりもハイブリッドのほうがウケがいいから!?
ニュースによれば2012年にQ5のハイブリッドを、そして2013年には「e-tron」を日本に導入するそうです。一方、Q7クリーンディーゼルは、導入が見送られることになりました。
日本でエコカーというと、ハイブリッドや電気自動車がまっさきに思い浮かびます。クリーンディーゼルもエコカーと位置づけられているのですが、ハイブリッドやEVに比べると影が薄いのは事実。しかし、世の中がすぐにハイブリッドやEVだらけになるわけではありませんし、まだしばらくは内燃機関に頼ることを考えると、アウディやVWが得意とする高効率エンジン、すなわちガソリンのTFSI/TSIとディーゼルのTDIは、とても有望な技術です。
ガソリンと軽油の供給バランスという点からも、日本の軽油の需要はもう少し増えてもいいはずで、そんなことをいろいろ考えると、アウディが最先端のクリーンディーゼルを日本に導入するのをとても楽しみにしていました。
現在、クリーンディーゼルの商品展開を積極的に進めているのはメルセデスくらいなもの。「ディーゼルは汚い、うるさい」というイメージを拭い去るところからスタートしたメルセデス・ベンツの日本の取り組み、そして、世界一厳しいといわれる日本の規制をクリアするチャレンジは、賞賛に値します。
一方、アウディは、日本でもポピュラーなハイブリッドを選びました。もちろん、日本市場で売りやすいのはハイブリッドでしょう。でも、アウディらしさが主張できるのは、むしろTDIではないのかと僕は思います。完成度の高さでは、日本勢を大きく引き離しているアウディのTDI。それを武器に新しい市場を切り開く......そんな姿勢が「Vorsprung」だと思うんですけどねぇ。
欲をいえば、Q7ではなく、主力のA4/A5あたりにクリーンディーゼルエンジン搭載車をラインアップしてほしい。ヨーロッパや北米でドライブしたTDIは、実にスポーティで運転のしやすいクルマでした。アウディらしいアウディを、日本でも運転したい......そんな願いが叶う日は、はたして来るのでしょうか?