年内に日本への導入が予定されている、新型ポロ。モータージャーナリスト、岡崎五朗氏による新型ポロのインプレッションです。3回に分けてお届けする試乗記の1回目です!!
75年に登場した初代以降、ポロはゴルフのひとつ下に位置するコンパクトカーとして高い人気を獲得してきた。なかでも81年にデビューした2代目は、性能、ルックス、居住性、安全性といった多くの項目においてコンパクトカーの評価基準を一気に引き上げることに成功。13年間という超ロングライフモデルとなった。
とはいえ、日本でポロがメジャーになったのは、94年に登場した3代目からだろう。ベーシックカーとしての合理性という2代目の魅力を維持しながら、上級モデルに負けない質感を実現してきた3代目は高い人気を獲得し、マーケットにおいてゴルフという偉大な兄貴分に負けない存在感を示すようになったのだ。
それは、2001年に登場した4代目ポロにも受け継がれた。パッケージング、内外装の質感、走行性能、安全性への真摯な対応など、細かく観察していけばいくほど、その完成度の高さには舌を巻くばかり。国産コンパクトカーに乗るたびに、「ポロのような素晴らしいお手本があるのに、なぜ日本メーカーは真似しないのだろう?」と思わされたものだ。
そして今回、ポロは5代目へと進化したわけだが、その出来映えは想像以上だった。とくに内外装の質感と走行性能は「コンパクトカーにいったいこれ以上何を望むのか」というレベルまで引き上げられていた。
2代目以降、ポロは常にこのクラスのベンチマークカーとして世界中の自動車メーカーのお手本となってきたが、ここに至って、ベンチマークカーとは異なる意味さえ帯び始めてきたと感じた。ベンチマークカーは目標、あるいはお手本とされる存在である。それに対し、新型ポロの出来映えは、目標、お手本とするにはあまりにも高みに達しすぎたのではないかということだ。
とくに、燃費と価格に焦点をあてた日本メーカーのコンパクトカーづくりでは、新型ポロに匹敵するようなコンパクトカーをつくるのは絶対に無理だと断言できる。何か大きなパラダイムシフトを起こさない限り、数年後に新型ポロがモデル末期を迎えた頃にも、日本のコンパクトカーは安さと低燃費を売りにした存在を脱することはできないだろう。
75年に登場した初代以降、ポロはゴルフのひとつ下に位置するコンパクトカーとして高い人気を獲得してきた。なかでも81年にデビューした2代目は、性能、ルックス、居住性、安全性といった多くの項目においてコンパクトカーの評価基準を一気に引き上げることに成功。13年間という超ロングライフモデルとなった。
とはいえ、日本でポロがメジャーになったのは、94年に登場した3代目からだろう。ベーシックカーとしての合理性という2代目の魅力を維持しながら、上級モデルに負けない質感を実現してきた3代目は高い人気を獲得し、マーケットにおいてゴルフという偉大な兄貴分に負けない存在感を示すようになったのだ。
それは、2001年に登場した4代目ポロにも受け継がれた。パッケージング、内外装の質感、走行性能、安全性への真摯な対応など、細かく観察していけばいくほど、その完成度の高さには舌を巻くばかり。国産コンパクトカーに乗るたびに、「ポロのような素晴らしいお手本があるのに、なぜ日本メーカーは真似しないのだろう?」と思わされたものだ。
そして今回、ポロは5代目へと進化したわけだが、その出来映えは想像以上だった。とくに内外装の質感と走行性能は「コンパクトカーにいったいこれ以上何を望むのか」というレベルまで引き上げられていた。
2代目以降、ポロは常にこのクラスのベンチマークカーとして世界中の自動車メーカーのお手本となってきたが、ここに至って、ベンチマークカーとは異なる意味さえ帯び始めてきたと感じた。ベンチマークカーは目標、あるいはお手本とされる存在である。それに対し、新型ポロの出来映えは、目標、お手本とするにはあまりにも高みに達しすぎたのではないかということだ。
とくに、燃費と価格に焦点をあてた日本メーカーのコンパクトカーづくりでは、新型ポロに匹敵するようなコンパクトカーをつくるのは絶対に無理だと断言できる。何か大きなパラダイムシフトを起こさない限り、数年後に新型ポロがモデル末期を迎えた頃にも、日本のコンパクトカーは安さと低燃費を売りにした存在を脱することはできないだろう。
(Text: G.OKAZAKI , Photo: VW AG, Volkswagen Group Japan)