今回は、ポロを2500kmほど走らせてみて、オーナーとして気づいた「ポロGTIの○と×」を率直にレポートします。
まずは○を7つ......
○その1:軽い
何といってもボディが軽い! 重量1210kgからくる動きの軽さ。ゴルフ5GTIと比べて200kg以上も軽いのですから、その差は歴然。しかもただ軽いだけではなく、高速域ではしっかり安定してきます。
○その2:速い
このサイズで179ps/25.5kgmのパワーとトルクを誇り、7速DSGが備わるので速くない訳はありません。
○その3:曲がる
中高速でのコーナリング。とにかく中高速でのフロントの入りが素直で気持ちよく、その後のスタビリティも十分に高いところは「楽しい!」の一言です。
○その4:乗り心地
思いのほか良かった乗り心地。上陸したてのポロGTIは、正直、家族で乗るには厳しいところもありましたが、2012モデル以降は改善されたらしく(公表はされていませんが)、ソリッドでありつつ家族で使うのにも全く問題ありません。
○その5:デザイン
ボディデザイン。余計なラインのないシンプルなデザインでありながら、彫りの深い面構成は、さすがワルター・デ・シルヴァが担当したデザイン。いつ見ても嬉しくなります。テールライトのデザインも素晴らしく魅力的です。
○その6:ステアリング
ステアリングのしっとり感。とにかく素晴らしい。
○その7:エンジン音
これは好みがわかれると思いますが、低回転でのビートの響き方、個人的には好きです。高回転でもう少し排気音が抜けのいい音になってくれたらなおよし。
次に、残念なところを7つ。
×その1:装備の省略
・ステアリングスイッチ
・クルーズコントロール
・アームレスト
ゴルフ5 GTIで使っていたものがないとなると、どうしても不便を感じてしまいます。 本国では標準またはオプションで選べるだけに余計に残念。できれば標準で装備してほしかった......
ということで、これは早々に対処! 今はまったく問題なく、いたって快適です。特にステアリングスイッチ、アームレストは乗るたびに必ず使うものですので、後づけした甲斐がありました(前回のバージョンアップ編にて)
×その2:アクセルペダルが吊り下げ式
ゴルフ5のオルガン式に慣れてしまっていたこともありますが......。構造上、ブレーキペダルとアクセルペダルが同じユニットにまとめられる吊り下げ式は両足でペダルを操作する際に、アクセルペダルを操作した時の振動がブレーキペダルに伝わり、どうにも抵抗がありました。が、人間とは不思議なもの。今ではすっかり慣れてしまいました(笑)
×その3:グローブボックスのオープナー
このオープナー、長さのわりに厚みが薄いので、操作をするたびにしなってしまうのがどうにも安っぽい。まあ、ポロなので多くは望んではいけないとは思いますが......。この点、アウディA1はしっかりとつくられていますね。さすがです。
×その4:後席背もたれの角度
後席の広さはゴルフには劣りますが、子供が中学生くらいまでの4人家族なら何も問題はない空間があります。しかし、背もたれの角度があと少し寝ていたらもっと快適だったのでは?と思ってしまいます。車体の骨格の問題で無理な相談かもしれませんが......残念です。
そもそもリアのヘッドレストが前に張り出しすぎているので、ヘッドレストに頭をつけるとかなり顎を引いた姿勢になってしまいます。そこでふと思いつきました。2004年にルポGTIでサーキットを走っていた時に入手した、当時のポロGTIのヘッドレスト(やはりルポのフロントのヘッドレストは大きく、ヘルメットを被った際に不自然な姿勢となっていたため、サーキットではポロ用を使用)を試しにリアシートに装着してみると、これが至極快適に。頭の位置が自然になったため背もたれの角度も気にならなくなりました。
とは言っても、ヘッドレストは安全装備品ですので元の状態に戻しています。あくまでご参考まで。
×その5:トランクルーム
ポロGTIは重量配分の適正化のためにバッテリーがトランク下に移動されていることと、テンポラリータイヤが備わるため、トランルームが"上げ底"状態になっています。ちなみに18Lの灯油缶は縦に入りません。まあ、トノカバーを外せばいい事ですが(笑)
このトランクルームのスペースについてはGTIならではのこだわりの結果でもあるので、納得せざるを得ないのですが......。ただ、これからポロGTIの購入を検討されている方は要確認事項です。
×その6:発進時のタイムラグ
これは7速DSGだからなのかポロだからなのか、はたまたGTIだからなのかわかりませんが......。信号待ちからスタートする際、ブレーキペダルをパッと離すとすぐには発進してくれません。一呼吸おいてからDSGのクラッチがつながるため、スムーズな発進がけっこう難しくなってしまっています。
スムーズに発進するにはブレーキをゆっくり離すこと、もっと言うならスタートの少し前に、クルマが動き出さない程度までブレーキを緩め、半クラッチ状態(タイヤにトルクが伝わるのでわかります)にしておき、そこからブレーキペダルを離せばタイムラグなしにスタートできます。
でも、車庫入れなどでゆるく登りながらバックをする時には、相変わらずどうにもまどろっこしい思いをしています。
×その7:前後トレッド
これはホイールのサイズの問題だと思いますが、ポロ1.2TSIやクロスポロに比べてGTIのトレッドが狭いのはなぜ? クロスポロは仕方ないとしても1.2TSIと比較してもフロントで5mm、リアは10mm狭い。おかげでタイヤ&ホイールが内側に入りすぎてしまって、基本"モディ君"としては外観のバランスがどうにも納得できません。特にリア。デザインが良いだけに非常に残念です。
とりあえず、慣らしが終わるくらいの距離を走った感想ですが、残念な点については非常に細かいところですし、贅沢な要求でもあります。
といいつつ、クルマ好きにとっては残念と感じたところを自分なりに変えていくことが楽しかったりします(笑)
というわけで、次はやはり外観かな?
(Text by T.Nishijima)
まずは○を7つ......
○その1:軽い
何といってもボディが軽い! 重量1210kgからくる動きの軽さ。ゴルフ5GTIと比べて200kg以上も軽いのですから、その差は歴然。しかもただ軽いだけではなく、高速域ではしっかり安定してきます。
○その2:速い
このサイズで179ps/25.5kgmのパワーとトルクを誇り、7速DSGが備わるので速くない訳はありません。
○その3:曲がる
中高速でのコーナリング。とにかく中高速でのフロントの入りが素直で気持ちよく、その後のスタビリティも十分に高いところは「楽しい!」の一言です。
○その4:乗り心地
思いのほか良かった乗り心地。上陸したてのポロGTIは、正直、家族で乗るには厳しいところもありましたが、2012モデル以降は改善されたらしく(公表はされていませんが)、ソリッドでありつつ家族で使うのにも全く問題ありません。
○その5:デザイン
ボディデザイン。余計なラインのないシンプルなデザインでありながら、彫りの深い面構成は、さすがワルター・デ・シルヴァが担当したデザイン。いつ見ても嬉しくなります。テールライトのデザインも素晴らしく魅力的です。
○その6:ステアリング
ステアリングのしっとり感。とにかく素晴らしい。
○その7:エンジン音
これは好みがわかれると思いますが、低回転でのビートの響き方、個人的には好きです。高回転でもう少し排気音が抜けのいい音になってくれたらなおよし。
次に、残念なところを7つ。
×その1:装備の省略
・ステアリングスイッチ
・クルーズコントロール
・アームレスト
ゴルフ5 GTIで使っていたものがないとなると、どうしても不便を感じてしまいます。 本国では標準またはオプションで選べるだけに余計に残念。できれば標準で装備してほしかった......
ということで、これは早々に対処! 今はまったく問題なく、いたって快適です。特にステアリングスイッチ、アームレストは乗るたびに必ず使うものですので、後づけした甲斐がありました(前回のバージョンアップ編にて)
×その2:アクセルペダルが吊り下げ式
ゴルフ5のオルガン式に慣れてしまっていたこともありますが......。構造上、ブレーキペダルとアクセルペダルが同じユニットにまとめられる吊り下げ式は両足でペダルを操作する際に、アクセルペダルを操作した時の振動がブレーキペダルに伝わり、どうにも抵抗がありました。が、人間とは不思議なもの。今ではすっかり慣れてしまいました(笑)
×その3:グローブボックスのオープナー
このオープナー、長さのわりに厚みが薄いので、操作をするたびにしなってしまうのがどうにも安っぽい。まあ、ポロなので多くは望んではいけないとは思いますが......。この点、アウディA1はしっかりとつくられていますね。さすがです。
×その4:後席背もたれの角度
後席の広さはゴルフには劣りますが、子供が中学生くらいまでの4人家族なら何も問題はない空間があります。しかし、背もたれの角度があと少し寝ていたらもっと快適だったのでは?と思ってしまいます。車体の骨格の問題で無理な相談かもしれませんが......残念です。
そもそもリアのヘッドレストが前に張り出しすぎているので、ヘッドレストに頭をつけるとかなり顎を引いた姿勢になってしまいます。そこでふと思いつきました。2004年にルポGTIでサーキットを走っていた時に入手した、当時のポロGTIのヘッドレスト(やはりルポのフロントのヘッドレストは大きく、ヘルメットを被った際に不自然な姿勢となっていたため、サーキットではポロ用を使用)を試しにリアシートに装着してみると、これが至極快適に。頭の位置が自然になったため背もたれの角度も気にならなくなりました。
とは言っても、ヘッドレストは安全装備品ですので元の状態に戻しています。あくまでご参考まで。
×その5:トランクルーム
ポロGTIは重量配分の適正化のためにバッテリーがトランク下に移動されていることと、テンポラリータイヤが備わるため、トランルームが"上げ底"状態になっています。ちなみに18Lの灯油缶は縦に入りません。まあ、トノカバーを外せばいい事ですが(笑)
このトランクルームのスペースについてはGTIならではのこだわりの結果でもあるので、納得せざるを得ないのですが......。ただ、これからポロGTIの購入を検討されている方は要確認事項です。
×その6:発進時のタイムラグ
これは7速DSGだからなのかポロだからなのか、はたまたGTIだからなのかわかりませんが......。信号待ちからスタートする際、ブレーキペダルをパッと離すとすぐには発進してくれません。一呼吸おいてからDSGのクラッチがつながるため、スムーズな発進がけっこう難しくなってしまっています。
スムーズに発進するにはブレーキをゆっくり離すこと、もっと言うならスタートの少し前に、クルマが動き出さない程度までブレーキを緩め、半クラッチ状態(タイヤにトルクが伝わるのでわかります)にしておき、そこからブレーキペダルを離せばタイムラグなしにスタートできます。
でも、車庫入れなどでゆるく登りながらバックをする時には、相変わらずどうにもまどろっこしい思いをしています。
×その7:前後トレッド
これはホイールのサイズの問題だと思いますが、ポロ1.2TSIやクロスポロに比べてGTIのトレッドが狭いのはなぜ? クロスポロは仕方ないとしても1.2TSIと比較してもフロントで5mm、リアは10mm狭い。おかげでタイヤ&ホイールが内側に入りすぎてしまって、基本"モディ君"としては外観のバランスがどうにも納得できません。特にリア。デザインが良いだけに非常に残念です。
とりあえず、慣らしが終わるくらいの距離を走った感想ですが、残念な点については非常に細かいところですし、贅沢な要求でもあります。
といいつつ、クルマ好きにとっては残念と感じたところを自分なりに変えていくことが楽しかったりします(笑)
というわけで、次はやはり外観かな?
(Text by T.Nishijima)