150521-SACHS-02.jpg通称RS-1(アールエスワン)の名で、こだわるユーザーから高い評価を持つSACHS-PerformanceCoilover(ザックスパフォーマンスコイルオーバー)サスペンションセットをザ・ビートル・ターボに装着し、初夏の箱根でチェックした。
製品輸入元の株式会社ハンズトレーディングによると、ザ・ビートル用パフォーマンスコイルオーバーは専用設計ではなく、PQ35プラットフォーム(ゴルフ5&6など)のライトウエイトバージョン、つまりゴルフ6用をザ・ビートルに装着することになる。専用設計ではないが大丈夫なのだろうか? オーナーだったら誰もが不安に思うだろう適合に関して、ハンズトレーディングのSACHS担当者に聞いてみた。

「ザックスパフォーマンスコイルオーバーのザ・ビートル用ですが、製造元のドイツZFレースエンジニアリング社ではフォルクスワーゲンの定めるプラットフォームによって区分けされております。ザ・ビートルはPQ35プラットフォームですので、リヤ4リンクサスペンションのものなら"適合"となります。ドイツラインランド検査協会の認証も保持しており、まったく問題なくご使用いただけます。

ワイドレンジの減衰調整幅を持ち、前後の車高も調整が可能ですので、ザ・ビートルオーナーが望む最適なフットワークが手に入ります。現在、2つのバリエーションがあり50mmストラット径車両が品番118456、55mmストラット径車両が品番118451。どちらも31万2000円(税別)です」


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ワインディングロードの入り口から緩やかに加速。タイヤの転がる感覚がノーマルサスペンションに比べスムーズに感じる。すーっと車体が動く、路面抵抗から解放された不思議な感覚だ。

車速が上がるにつれて必要なインフォメーションだけが手のひらとシートに伝わってくる。「サスペンションはドライバーとクルマの重要なデバイス」という SACHS担当者の言葉を思い出した。

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タイヤの感触を確かめながら速度を上げてコーナーへアプローチ。ステアリングの舵角は一定のまま、スロットルで旋回半径と姿勢を制御する楽しさ! 「ああ、ザ・ビートル・ターボはスポーツカーだったんだ」と思うと同時に、ノーマルサスペンションでは得られないドライビングプレジャーを実感する。

思わず助手席に座るSACHS担当者に「この速度域でも乗り心地がいいですね!」と話しかけたところ......

「乗り心地は"心の問題"ですので、ドライバーがいう場合、まったく性能表現にはなりません。気持ち良く走ることができているのはわりますが(笑)。"乗り心地がいい"という言葉がパッセンジャーシートやリヤシートから出れば快適性能の表現と私達は考えています」

それはどういうこと?

「多くのドライバーは乗り心地に甘い判断を下します。これは感覚(経験値と運転に集中していること)と、物理的要素(ステアリングを握る+フットレスト荷重によりシート荷重がパッセンジャーより38~40%軽減される)から、助手席とリアシート搭乗者のほうが車体の揺れや振動に敏感であり、より正確な感覚を得られると考えています。ちなみに助手席に座っている私は快適ですよ(笑)」

なるほど、いままで誰にもいわれたことがなかったけど、いわれてみれば当たりまえの回答に納得する。

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今度はザックスパフォーマンスコイルオーバーの運動性能と、SACHS秘伝の技術について聞いてみた。

「ザックスパフォーマンスコイルオーバーはすべて、ドイツのシュヴァインフルト(SACHSブランドのヘッドクォーター)にて、熟練のレースエンジニアの手でひとつひとつつくられています。構造はいたってシンプルなニードル制御の減衰調整ですが、各パーツと組み立て精度はF1&WRCパーツが基準ですのでクオリティは世界一といっても過言ではありません。

フロントショックは倒立式ですので応力剛性が出るぶん、正立式に比べフリクションロス(接点追加の為)が出てしまいますが、組み立て精度と高性能シールのおかげで悪く感じることもないでしょう。

最後に"秘伝の技術"について......。これは120年以上、ブレずに同じこと(同じ目標を目指す)を繰り返し培った技術の厚み以外にありません。ましてフォルクスワーゲンとの関係性も、ビートルタイプ1市販開始と同時にSACHS(ザックス)ダンパーが純正装着されていますので、相互技術の信頼関係はどこのパーツブランドよりも密接なはずです。

先にお伝えしたフォルクスワーゲンが定めるプラットフォーム(PQ35シャーシ)に準じて適合が可能なわけもここにあると思います。シャーシ強度、応力剛性、固有振動数。これに基づき、減衰を設定。けっしてでしゃばらす、寄り添うようなシャシー性能を向上させる。長年の経験値は秘伝以上の性能保証になると思いますよ」


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ありがとうございました!

ザ・ビートルのオーナーさんで、サスペンションに興味がある方にとって、非常に興味深いニュースになったと思います。近々正式発売される"待望の新型MQB用ザックスパフォーマンスコイルオーバー"がますます待ち遠しくなりました。

■車両データ

ザ・ビートル・ターボ ザックスパフォーマンスコイルオーバー装着車 タイヤ:コンチネンタルスポーツコンタクト3 235/45R18(純正装着) 車高下がり幅:Frontノーマルから25mm/Rearノーマルから28mm 減衰レート:Front10/Rear12(前後ともに18段調整)

(Text by 8speed.net編集部)

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