フォルクスワーゲン グループのフランクフルトショー2015は、報道関係者公開日前夜に恒例となった「フォルクスワーゲン グループナイト」で幕を開けた。9月14日、会場の「フラポート・アレーナ」は世界各国からジャーナリストや関係者が詰め掛け、あまりの多さから観覧席に入れない人も出るほどだった。
フォルクスワーゲンにとって最大の話題は、同ブランドの乗用車部門を担当するH-J・ノイサー役員によって紹介された、2代目となる新型「ティグアン」である。フォルクスワーゲンのSUVとして初のMQBプラットフォームを採用した同車の詳報は、本サイトの
加えて、新型「マルチバン」をベースにした「パナメリカーナ」も公開した。4MOTION+7段DSGを装備。モーターサイクル・ファンが愛車のトランスポーターとして活用することをイメージし、さまざまな工夫が施されたコンセプトモデルだ。
フォルクスワーゲンにとって最大の話題は、同ブランドの乗用車部門を担当するH-J・ノイサー役員によって紹介された、2代目となる新型「ティグアン」である。フォルクスワーゲンのSUVとして初のMQBプラットフォームを採用した同車の詳報は、本サイトの
加えて、新型「マルチバン」をベースにした「パナメリカーナ」も公開した。4MOTION+7段DSGを装備。モーターサイクル・ファンが愛車のトランスポーターとして活用することをイメージし、さまざまな工夫が施されたコンセプトモデルだ。
フォルクスワーゲン グループが所有するイタリアのドゥカティが発表した「モンスター1200R」が搭載されたうえディスプレイされた。
ステージに立ったフォルクスワーゲン グループのマルティン・ヴィンターコルンCEOは、世界の潮流であるデジタル化に積極的に関わってゆく姿勢を強調した。そして「2020年までにEVおよびプラグインハイブリッド車をグループ全体で20モデル以上追加する」と発表した。
また、ユーザーには自動運転技術の恩恵をより早く受けることを目指すとコメントした。
その一例として紹介されたのはフォルクスワーゲンの「Vチャージ」システムだ。駐車場入口で車を降りると、あとは無人で駐車してくれる自動パーキングシステムと、EV用非接触充電プレートを組み合わせたものである。
前夜祭翌日、ショーの本会場にいた担当技術者マティアス・フリューエル氏によると、フルチャージに要する時間は、通常の充電ポールと同じ(6〜9時間)だ。しかし「考えてみてください。1年365日で合計約700回行うプラグの抜き差しから、ドライバーは解放されるのです」と彼は語る。傍の説明板には、「チャージャー・ケーブルは、もう過去のもの」と誇らしげに記されていた。
同時に車両前部、充電プレートとともに、ひと目でチャージ済を示すイルミネーションが装備されている。他のEVのように、車両に近づいて小さなチャージランプや充電ポールを確認する必要がない。
■フォルクスワーゲンブースをさらに探訪する
「Junge Fahrer(ヤングドライバー)」という机があって、お姉さんが待機している。「なんですか、これ?」と聞けば、ドイツ国内で免許取得後2年以内のドライバーを対象にしたプログラムだった。フォルクスワーゲンの新車・認定中古車優遇ローンに加え、燃料1000ユーロ(約13万円)分、さらにドライビング・トレーニングの無料講習券をセットにしたものだ。
キャンペーンビデオのシリーズは、ドイツの女優エミリア・シューレが実際に免許を取るまでを追ったドキュメントだ。タイトルは「ErsteLiebe(初恋)」。人気スターのクルマへの初恋、というわけである。
オフィシャルグッズ・コーナーを覗く。レトロな筆記体Volkswagenロゴや初代ビートルをあしらった新ラインが並んでいる。参考までに写真のトロリーケースは、109ユーロ(約1万5千円)である。
レトロといえば、お立ち台のモデル嬢こそ前述のデジタル化をイメージしたものだったが、車両説明員の女性たちのいでたちといえば、1960-70年代のヒッピー・カルチャーを彷彿とさせるものだ。ブラウスのプリントだけなら昨今ファストファッションでもみられるトレンドだが、頭のバンドがそれを決定的にしている。
そういえばパビリオン外では、初代タイプ2を彷彿とさせる2トーンカラーのマルチバン「ジェネレーション・シックス・スペシャルエディション」が、ジャーナリストたちのパビリオン間移動を助けるシャトルとして使われ衆目を集めていた。
かくも、最新技術と懐かし風情のコントラストが並存するフォルクスワーゲンブランドのブースであった。
(文=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA/写真=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA, Volkswagen)