「デイタイム ランニング ランプ(昼間走行灯)」が日本でも解禁になった。これにより何が変わるのだろうか?
デイタイム ランニング ランプ(デイタイム ランニング ライトともいう。以下、DRL)は、クルマのフロント部に配置して昼間に点灯させるライトのこと。消費電力が少ないLEDを用いたタイプが主流で、これを昼間に常時点灯することで周囲のクルマや歩行者に自車の存在をアピールし、事故を減らすのが目的だ。
このDRLが、2016年10月7日の保安基準改正によって装着が認められるようになった。正確にはDRLの基準が新たに設けられたのだ。それまでは「その他の灯火」という扱いで、その光度が300カンデラ以下の場合にかぎり装着が認められていた。
一方、下の写真はドイツ仕様のゴルフGTE。フロントバンパーに備わるC字型のDRLが特徴的だ。日本でもこのLEDライトがそのまま装着されているが、DRLとしての機能は無効になっている。
ゴルフGTE(日本仕様)のヘッドライトを確認すると、認証マークに「RL」の文字は見あたらないが......
ヘッドライトとは別体のLEDライトに「RL」の文字が記されていた。つまり、C字型のLEDランプはDRLとして認証されたものだ。
デイタイム ランニング ランプ(デイタイム ランニング ライトともいう。以下、DRL)は、クルマのフロント部に配置して昼間に点灯させるライトのこと。消費電力が少ないLEDを用いたタイプが主流で、これを昼間に常時点灯することで周囲のクルマや歩行者に自車の存在をアピールし、事故を減らすのが目的だ。
EUでは2011年以降に発売された新型車には装着が義務づけられているが、日本の保安基準に適合しないことから、日本に正規輸入されるフォルクスワーゲンではDRLの機能を無効にし、ポジショニングライトなどとして使われてきた経緯がある。
このDRLが、2016年10月7日の保安基準改正によって装着が認められるようになった。正確にはDRLの基準が新たに設けられたのだ。それまでは「その他の灯火」という扱いで、その光度が300カンデラ以下の場合にかぎり装着が認められていた。
新設されたDRLの基準は、国連の「車両等の型式認定相互承認協定」(以下、相互協定)に基づく規則(以下、協定規則)で採択された「デイタイムランニングランプ(昼間走行灯)に係る協定規則(第87号)」(以下、R87)に則ったもの。R87ではDRLは白色の光で、その光度が400〜1200カンデラと定められており、その他、細かい規定に適合したDRLには国連欧州経済委員会(UNECE)の「車両等の型式認定相互承認協定に基づく型式認証マーク」(通称、Eマーク)が与えられる。
たとえば、下の写真は日本で販売されているゴルフ7GTIのヘッドライトに書かれた認証マーク。丸の中の「E9」はスペインで認証されたことを表す。ちなみにドイツはE1、日本はE43だ。
そして、「00RL」の文字列が、このヘッドライトにはR87に適合したDRLが備わることを示している。
一方、下の写真はドイツ仕様のゴルフGTE。フロントバンパーに備わるC字型のDRLが特徴的だ。日本でもこのLEDライトがそのまま装着されているが、DRLとしての機能は無効になっている。
ゴルフGTE(日本仕様)のヘッドライトを確認すると、認証マークに「RL」の文字は見あたらないが......
ヘッドライトとは別体のLEDライトに「RL」の文字が記されていた。つまり、C字型のLEDランプはDRLとして認証されたものだ。
これにより、R87の認証マークが記されたゴルフGTEのDRLは、新設された日本の保安基準を満たしており、いわゆる"コーディング"や「PLUG DRL!」などによって有効化しても車検に対応するものと考えられる。
なお、日本の保安基準ではDRLの光度は1440カンデラ以下という規定があるのに対し、R87の規定は400〜1200カンデラと、日本の保安基準よりも範囲が狭い。。
気になるのはフォルクスワーゲン正規ディーラーの対応。これまでは保安基準を満たさないということで正規ディーラーに入庫できなかったり、入庫できてもDRLが無効化されるというケースが見られた。
これについてフォルクスワーゲン グループ ジャパン(VGJ)は、
これについてフォルクスワーゲン グループ ジャパン(VGJ)は、
「国の認証制度(内容)、保安基準、道交法などを遵法すべき立場にあるVGJ(インポーター)として、正規ディーラーでの点検、整備、車検または、有効期限内における車両への保証を履行するにあたっては、原則として、『正規日本仕様車(認証取得済み車両)』と相違ない状態での入庫、保安基準に適合した車両での入庫にご理解、ご協力をいただいています。(正規日本仕様車[認証取得済み車両]への改造、仕様等の変更は、保証対象から外れます)
昨今では、車両に搭載する多くの電子機器等が複合的な機能を有し、高度に複雑化しているため、こうした機器等への改造、仕様等の変更により、思わぬ故障につながる恐れがあります」(VGJ広報部)
昨今では、車両に搭載する多くの電子機器等が複合的な機能を有し、高度に複雑化しているため、こうした機器等への改造、仕様等の変更により、思わぬ故障につながる恐れがあります」(VGJ広報部)
そして、ユーザーによるDRL有効化に対する今後の対応についても、
「すでに販売済み車両の『デイライト ランニング ランプ』で、お客様のご意志によって改造ないしは仕様変更されたものについては、これまで通り、『正規日本仕様』に戻して、車検整備等をお受けいただくようにしています。その理由は、「当該機能は、昨年10月の法改正前に認証を取得した(車両である)ことから、本件に関しては認可されていない状況であること、さらに、改造ないしは仕様変更によって、その機能が保安基準に適合しているか否かを確認できていないため、この2点となります」(VGJ広報部)
とのことで、DRLを有効化しているユーザーは注意が必要だ。
「すでに販売済み車両の『デイライト ランニング ランプ』で、お客様のご意志によって改造ないしは仕様変更されたものについては、これまで通り、『正規日本仕様』に戻して、車検整備等をお受けいただくようにしています。その理由は、「当該機能は、昨年10月の法改正前に認証を取得した(車両である)ことから、本件に関しては認可されていない状況であること、さらに、改造ないしは仕様変更によって、その機能が保安基準に適合しているか否かを確認できていないため、この2点となります」(VGJ広報部)
とのことで、DRLを有効化しているユーザーは注意が必要だ。
一方、今後輸入されるフォルクスワーゲン車については「将来的に導入される車両に装備する可能性はありますが、いつから装備するかは現時点では未定です」(広報部)とのことで、早い時点での導入を期待したい。
(Text by S.Ubukata)