100820itt001.JPGQ: スタビライザーを強化すると良いと聞きました。スタビライザーを強化するとどのような効果がありますか?また前後の使い分けや乗り心地にはどのような効果や影響がありますか?


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A:スタビライザーは旋回時に発生するロールを抑える目的でサスペンション構成に含まれている重要なパーツです。車体のロールは、サスペンションスプリングの強化やショックアブソーバーの減衰力を強くすることでも抑えることができます。しかし、この方法では結果的に乗り心地を硬くしてしまうことになります。そこで、サスペンションスプリングで足りないロール剛性をスタビライザーがねじれることで発生する反力を利用して補い、乗り心地に影響を極力与えることなく車体のロールを抑制します。

100820itt004.jpgスタビライザーは左右輪が同時に上下するような状況では車体側(フレームなど)に固定された位置を軸にサスペンションアームと共に揺動するように動くだけで機能しませんが、コーナリング時のように、左右輪が逆相するストロークが発生するとスタビライザーは車体側に固定された2箇所の間でねじれが発生してバネ反力を発生させます。この反力がサスペンションのストロークを制御しロールを減少させるメカニズムになっています。

スタビライザーはサスペンションのチューニングパーツとして、ステアリング特性に大きな効果を発揮します。前後のロール剛性配分を変えることでステアリング特性に変化を与えることが出来ます。一般論としては、フロントのスタビライザーを強くして剛性配分をフロント側にするとアンダーステア特性が強まり、逆にリアのスタビライザーを強くして剛性配分をリア側にするとオーバーステア特性に変化します。

スタビライザーのセッティング例として、以下のような方法がありますので参考にしてください。

■ロールを減らす
・フロントスタビライザー>強化
・リアスタビライザー>強化

■コーナー進入時のアンダーステア特性の修正
・フロントスタビライザー>弱く
・リアスタビライザー>強く

■コーナーリング時のオーバーステア特性の修正
・入り口付近のオーバーステアはフロントスタビライザーを強く
・出口の付近のオーバーステアはリアスタビライザーを強く
※オーバーステアの発生するポイントにより前後の配分を決める必要があります。

■ステアリングの初期レスポンスを良くする
・リアスタビライザー>強く

100820itt005.jpgセッティングの目的によって、スタビライザーによるロール剛性配分を考慮してステアリング特性を最適化します。また強化スタビライザーはリンクの取付位置を変更することでスタビライザーの発生する反力を調整することが出来るタイプもありますので、細かいセッティングを行なう場合に便利です。

このように、スタビライザーはあまり目立たないパーツですが、その効果は非常に大きいものがあります。日常の使用において例えると、「高速道路で感じる不安定感」「高速道路の出口のように、大きな旋回をする場合にロールも大きくなり不安に感じる」「首都高速など他の車両と速度を合わせて走行する際にコーナーでステアリングの舵角に対してクルマが曲がって行かない」など、運転上の不安要素を解消できるパーツです。もし、このようなことを感じたことがあるのであれば、是非スタビライザーの交換を考えてみてください。

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