いつの間にか、もうすぐ季節は冬。最近はあちこちから雪の便りも届くようになりました。ついこの前、開幕戦が岡山国際サーキットで始まったかと思っていたら、なんともう最終戦。今シーズンの総括は全てが終ってからあらためてするとして、まずは最終戦スポーツランドSUGOに向けてカップカーを万全の状態に整えるために「イシカワエンジニアリング」へと向かいました。
すでにブログにも書きましたが、イシカワさんにはGTI Cup第3戦「100キロ耐久レース」においてパートナーを引き受けていただいています。午後2時にイシカワエンジニアリングさんに到着すると、リフトを空けてメカニックの東さんがスタンバイしてくれていました。今回のレース前メンテナンスの内容は以下の項目を行いました。
① ブレーキフルードの交換
② ブレーキパッドのチェック
③ エアフィルターのチェック&清掃
④ アライメントの調整 (トーの調整)
⑤ 下回りボルト類のマシ締め
⑥ プラグチェック
② ブレーキパッドのチェック
③ エアフィルターのチェック&清掃
④ アライメントの調整 (トーの調整)
⑤ 下回りボルト類のマシ締め
⑥ プラグチェック
JAF戦への参戦車輌のレース前メンテナンスと言っても特別なものはまったくありません。特に「Nゼロ」クラスはイコールコンディションが徹底されており、改造などはいっさいできない上に、エンジンルーム内の様々なところに「封印」がされていてエンジンヘッドのオーバーホールも簡単にはできません。
わが家のカップカーはもう五年目になりますが、一度もエンジンのオーバーホールは行っていません。走行距離はもうすぐ3万キロ。旅行や買い物などの普段使いからGTI cupでの過酷な使用まで様々なシチュエーションで使ってきましたが、エンジンやDSGミッションは何一つトラブルを起こすことなく仕事をしてくれています。フォルクスワーゲンの耐久性能の高さにはあらためて驚かされています。そんな基本的にノーマル車両に行うメンテナンスもまたまったく基本的なものです。是非とも皆さんも車検ごとにエンジンオイルの交換や冷却水のチェックは行って頂きたい項目です。
ちなみに、今回行わなかったエンジンオイルの交換は土曜日に行われるフリーが全て終った後に行います。フリーとは言えブレーキ周りだけは走る度に万全の状態にしておかなければ危険が伴いますが、エンジンオイルは前回の第2戦Fujiで交換したばかりで危険なことはありません。エンジンオイルは少しでもタイムを短縮するため予選前にフレッシュにしておきます。もちろん、ブレーキパッドとタイヤも予選前にフレッシュにします。
さて、一つ一つ丁寧に作業を進めていただき特に問題も無く、アライメントの「トー」のみ調整を行いメンテナンスは終了しました。「トー」(車を上から見た際にボディが透けて見えるとして、タイヤがハの字又は逆ハの字もしくは平行に調整することにより直進性やハンドリングのレスポンスを変えることができるもの)について、今回は「トーゼロ」に設定しました。つまり、左右のタイヤがまったく平行になるようにしました。車種により異なりますが通常は直進安定性を確保するため「トーイン(ハの字)」、または「トーアウト(逆ハの字)」に設定します。「トーゼロ」にするということは路面からの影響を受けやすく、ステアリングが路面状態に対し敏感に反応してしまいます。逆に言うとステアリングの動きが路面に対しダイレクトに反応してくれるというこということになり、ステアリングレスポンスが良くなるという結果になります。
とは言っても、今どきのファミリーカーたるゴルフは「トーゼロ」にしてもそれほど路面の影響を受けませんし、逆に言うとものすごくステアリングレスポンスが良くなるというわけでもありません。それは、前輪の位置決めが「トー」だけではなく、「キャンバー」や「キャスター」というものから成り立っているのからです。レギュレーションにより、基本的に「トー」以外調整できないのが厳しいところですが、そこをいかに詰めていけるかどうかもセッティングの違いの見せ所になるのです。
最後にドアに近いルーフの端に「T.Ishikawa」のステッカーを追加し作業は全て終了しました。いよいよ最終戦を待つのみとなりました。厳しいシーズンとなってしまった一年間の締めくくりはもうすぐそこです。