11月14日、ついに2009年シリーズ最終戦の朝がやってきました。前日とはうって変わって朝日がまぶしく、清々しい秋晴れ。気温もものすごい冷え込みを感じるほどではなく、かなり条件の良いレース日和となりそうでした。
朝7時、ゲートオープンと同時にサーキット入りし、最終参加確認をイシカワさんと共にコントロールタワーにて済ませます。次に、ヘルメット、レーシングスーツ等の装備品検査とライセンスの確認のために全ての装備を持ち車検場へと向かいます。いつものようにオフィシャルに装備を確認してもらい、二人とも問題なくパス。次に、メディカルチェックのためにすぐさま医務室へ。医務室では血圧、握力測定、問診等を行います。レース経験豊富のイシカワさんもメディカルチェックは初めての経験だったため、興味津々と言う面持ちでした。医務室から出ると、目の前にある車検場ではちょうど僕達の車が検査を受けているところ。全ての項目の検査が済み、車検も無事に完了し車と共にピットへ戻りようやく一息つくことができました。本戦当日の朝は本当に忙しく、時間に追われます。
一息ついたのも束の間、8時25分からブリーフィングが始まり、ここでドイツからの招待ドライバーの二人が紹介されました。ドイツポロカップ、シリーズチャンピオンは25歳、ルーキーチャンピオンは20歳!?いやはや本当に若い。ブリーフィングが終るとすぐに車に乗り込み、9時に予選は始まりました。
今回の予選時間は30分間。いつもより長い予選時間を二人で分け合って予選アタックをし、良かった方のタイムが予選タイムとして採用されます。前日のフリーとはまったくコンディションが異なる完全ドライ。ブレーキパッドもタイヤもフレッシュな状態の一発目を、イシカワさんは僕に任せてくれました。
いつものように、浜崎さんと同時にコースイン。最終コーナーの二つ手前のコーナーから、全開でアタック体制に入ります。しかし、アタック1周目のスタートラインを切る前の最終コーナー途中からすでに浜崎さんにジリジリと離される。1コーナーに入る頃には浜崎さんに着いて行くのはすでに厳しい状態となっていました。
諦めずに可能なかぎりのアタックをした結果、1周目に1'47,660を出し、その後、2周アタックをしましたがタイムを更新できなかったため、無理をせず自分のアタックは断念。コンディションの悪くならないうちにイシカワさんにバトンタッチ。イシカワさんも初めてのドライコンディションでぶっつけ本番の予選となり、難しい状況の中を全力で走ってくれました。結局、僕の1周目のタイムが予選タイムとなり7番グリッドが確定しました。
ちなみに、浜崎さんはアタック1周目で1'43.692のコースレコードをたたき出しトップタイムをマーク。なんと予選2位のドイツチームに1.6秒もの差をつけていました。予選2位のドイツチームから5位の萩原選手(サーラLVレーシング)までが1分45秒台という混戦状況で予選は終了しました。
そして、11時15分。オンタイムで最終戦のフォーメーションラップが始まりました。4列目アウト側からのポジション。右斜め前には今シーズン、カレラカップでも活躍した#9塙選手。そして前方には宿敵?#67萩原選手。今シーズンは良く見たような光景がありました。しかし、この位置から見ると1列目が本当に遠くに見えます・・・スタートだけは得意でもあり(富士では大失敗しましたが)、スタートで前に行かなくてはチャンスが無くなります。
フォーメーションラップで最終コーナーを立ち上がり、ホームストレートをしばらく走ったところで浜崎さんがスタートを切り決勝がはじまりました。#9塙選手はピットウォールにかなり近い思い切ったイン側のラインで1コーナーへ。それをミラーで見た#67萩原選手もインにラインを取ったのでアウト側のラインがきれいに開いてます。チャンス!2台がイン側で競り合っているところをアウト側からスピードを乗せて行き、2コーナー立ち上がりで塙選手をパス。#67萩原選手の後ろにつきつつ3コーナー・4コーナーを抜け、上りのS字コーナーへ。なんと、そのS字コーナーで萩原選手がテールスライドからのスピン。まさに前戦の富士スピードウェイでのオープニングラップと同じ光景が広がっていました。『今回はこのチャンスを活かさなくては!!』これで1周目に2台を抜いて最高のスタートを切ることができました。
前方でも#72勅使河原選手が#25谷選手をスタートでパスし3位に浮上しています。浜崎さんは抜群のスタートを切ったらしく、すでに2番手の#00 Maciek Steinhof選手を引き離しにかかっています。#9塙選手はずっと後ろに張り付いたまま離れる様子はまったく無く、まるで開幕戦の岡山と同じ状況が続きます。何度もインを刺されそうになるのを何とかこらえていましたが、7周目のバックストレッチで完全に前に出られ、その先の「馬の背コーナー」でインからパスされてしまいました。
前方でも#72勅使河原選手が#25谷選手をスタートでパスし3位に浮上しています。浜崎さんは抜群のスタートを切ったらしく、すでに2番手の#00 Maciek Steinhof選手を引き離しにかかっています。#9塙選手はずっと後ろに張り付いたまま離れる様子はまったく無く、まるで開幕戦の岡山と同じ状況が続きます。何度もインを刺されそうになるのを何とかこらえていましたが、7周目のバックストレッチで完全に前に出られ、その先の「馬の背コーナー」でインからパスされてしまいました。
バックストレッチと最終コーナーの上りでスピードに乗らないまま#9塙選手が離れていくと、今度はいつの間にか#67萩原選手がすぐ後ろまで迫ってきていました。これには驚きました!そして10周目。
あっという間に追いつかれテールトゥノーズで3コーナーから4コーナーへ向かい、S字の立ち上がりで、理由のわからない失速をした瞬間に前に出られてしまいました。コースアウトをした萩原選手に10週で抜かれてしまうのは正直かなりショックでした。スタートで上げたポジションを守りきれずにイシカワさんにバトンを渡すのは残念でなりませんでした。
そのまま17周まで走り携帯電話(もちろんハンズフリーで!)でチームとやり取りをしつつ、ピットイン。イシカワさんとドライバー交代。今シーズンの耐久レースからレギュレーションが変更になり、ピットストップ時間は1分と義務付けられたため、以前のように大急ぎでドライバー交代をする必要がなくなりました。1人で出場しているドライバーは以前のように一度車から離れる必要は無く、シートに座ったまま1分経過するまで待てば、そのままレースに戻ることができます。このレギュレーションの改定は安全性の向上にもなりましたし、シンプルで解りやすいものになりました。
1分経過後、イシカワさんがスタート。非常に落ち着いた様子でピットロードからコースインしていきました。僕がピットインした際のポジションが悪かったせいで、イシカワさんがコースに戻った時には前後に全く他の車輌が無く、あまりレースとしての刺激が足りない状況にさせてしまったのは本当に申し訳の無いことでした。もっとGTI Cupの醍醐味を味わっていただきたかったのですが・・・
そして無事にチェッカー。結果は総合7位。イシカワさんは結局一度もスピンをすることなく初の菅生を走りきってくれました!自分にとって、結果は納得の行くものでもありませんでした。でもイシカワさんがチェッカーを受けたときは何だかこみ上げて来るものがありました。車検場に車を置き、ピットに戻ってきたイシカワさんは良い顔でピットに戻ってきてくれました。楽しかった!と言ってくれたのが何より嬉しかったですね・・・
今シーズンは今までで最も厳しく辛いシーズンでしたが、最後にイシカワさんと走ったことで、楽しくシーズンを終らせることができました。それは、単に一緒に組んで走ったからと言うことではなく、レース前の様々な準備のためにイシカワさんと過ごした時間は僕にとってとても有意義なものだったからです。この場をお借りしてお礼を言わせていただきます。本当にありがとうございました。
結果は、ピットイン中に一度はドイツチームに前に出られてしまったものの、すぐにトップを取り返し、圧倒的な速さで走りきった#77浜崎さんが優勝を飾り、2位には#00ドイツチーム、3位には#9塙選手が入りました。
レース終了後、わざわざ菅生まで観戦に来てくれていたご近所さんやうちの家族達、そして仙台の友人家族と一緒に記念撮影をしました。みんな「非日常」に楽しそうにしてくれていたのが忘れられません。この笑顔を見たいためにもレースを続けているのかもしれません。
正式表彰式ではシリーズランキングも発表となりました。シリーズチャンピオンは浜崎さん、2位にはルーキーの塙選手、3位は勅使河原選手でした。みなさんおめでとうございました。
後片付けも終わり、レース関係者の方や他のドライバーの方たちと挨拶をし、今シーズンの終わりを惜しみつつ、サーキットを後にし、イシカワさんと共に東北道を一路東京に向かい車を走らせました。
今シーズンもお世話になりましたVTAをはじめとする関係者の皆さん、他のチーム・ドライバーの皆さん、ヴェンチュラーチームの皆さん、浜崎さん、ありがとうございました。また忙しい中を耐久レースの準備のために多くの時間を割いてくださり、最終戦でチームメイトになってくださったイシカワさん、そしてイシカワエンジニアリングのスタッフの皆さん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。そして、今シーズンもフルサポートしてくださいましたmaniacsの皆様、本当にありがとうございました。おかげさまでシリーズ全てに参戦することができました。
最後に、応援してくださった多くの方々、遠いところまでいつも来てくれたご近所さん、そしてうちの家族、心から感謝しています。ありがとうございました。
最後に、応援してくださった多くの方々、遠いところまでいつも来てくれたご近所さん、そしてうちの家族、心から感謝しています。ありがとうございました。