100215ogu001.jpg3日間、ジックリと新型ポロを試乗した。走行距離はおよそ440km。その全容を知ろうと、街中、高速道路、ワインディングと走ってみた。日本導入以来、予約も含めると、すでに4000台が売れているという人気モデル。今回の試乗は、改めてその実力を知ることになった。
100215ogu002.jpg■小型車枠に留まるボディサイズ

豊橋ナンバーを付けたポロ1.4コンフォートラインを借り受け、夕方の混雑が始まった東京の街を走り出す。普通、ニューカーで走り出した特は、そのクルマのボディ感覚に慣れるまで慎重な運転になるものだが、新型ポロの場合、そんな気遣いはまったく必要ない。なにしろ、ポロのボディは従来モデルよりは大きくなったというものの、全長4m以下で、全幅は輸入車のなかでは今時珍しいともいえる1.7m以下。小型車枠に入る5ナンバー車だ。

100215ogu019.jpgボディのディメンションは、正確には全長3995mm、全幅1685mm、全高1475mm。このところ、エンジンの排気量は小さいのに、ボディサイズで3ナンバー車になるクルマは少なくない。それはそれで別に悪いことではないが、道路や駐車場など日本の自動車に関するインフラが小型車を基本に形成されてきたことを考えると、小型車枠に留まることは、使い勝手という面で、メリットこそ数あれデメリットは少ない。スーパーに出かける奥様はもちろん、特に小型車枠のクルマで育ってきただろう年配層には、理想的なサイズといえるのではないだろうか。ご存知のように、いま、ボディが大きいことはステータスでもなんでもない。良識と知性を感じさせるのはむしろ小さめのクルマといえるから、新型ポロには強い説得力があるというわけだ。

100215ogu021.jpgゴルフ4からボディがコンパクトとはいえないサイズとなって、それが理由でいまなおゴルフ3に乗り続ける方には、新型ポロの登場は朗報だ。昨年の4月、本コラムにアップした100215ogu010.jpg■荷室の使い勝手は抜群

室内空間は必要にして十分だ。当然、ゴルフ6ほど横方向に余裕があるわけではないが、といって、助手席の人と肩が触れ合ってしまうほど狭いわけでもない。気になるリアシートの空間も、決して広々としているとはいえず、ヘッドクリアランスも少なめだが、キチッと座れば狭さを感じることはないだろう。座面と背もたれの角度は自然なもので、長時間座っていても疲労は少ないと思われる。なにより、好ましいと思われるのは、そのヒップポイントとがフロントシートよりも高いことで、前方視界も悪くなく、閉じ込められた感じがしないことだ。多分、リアに座ることが多いと思われる子供達や、お爺さま、お婆さまからも、不満の声はあがらないと思う。

100215ogu013.jpgラゲッジスペースも配慮が行き届く。荷室は通常の状態で280Lの容量を持ち、リアシートをダブルフォールディング式に折りたためば、952Lもの大容量を得ることができる。秀逸なのはその使い勝手のよさで、不等分割可倒式であるのは当然としても、まずヘッドレストを外さずにそのまま背もたれを倒せるのがいい。

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ダブルフォールディング式に折りたたむと、現れるのはフルフラットの床面。このフラットなフロアは、トランクルーム下のフロアを二重底とし、ワザワザ上げ底にすることで実現しているが、これはゴルフプラスやゴルフ・ヴァリアントに用いられている手法。ゴルフ5が割り切ってしまい、ゴルフ6でも復活させていないフラットフロアを、この新型ポロは実現しているのだ。しかも、床面の下は、浅いけれども、エクストラスペースとして使える。その床面(ボード)を上げた時には、トノカバーのステー側に付くストッパーが働いて、手で持っておく必要がないというのもいい。

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100215ogu017.jpg国産車並みに確保されているのが、小物収納スペースだ。ドアポケットはペットボトルがおける形状となっているのをはじめ、フロアコンソールには前席用に2つ、後席用に1つのカップホルダーがあって、それは別体となる灰皿を差し込めるようにもなっている。フロントシートは左右ともシートアンダートレーが装備され、シートバックポケットも付く。
100215ogu008.jpgグローブボックス内には、下面にもうひとつ小さな収納スペースが設けられて、そこに車検証(分厚い取扱説明書も)を入れられるようになっている。このあたり、これまではどちらかといえばフォルクスワーゲンの不得意分野だっただけに、驚くほどの進歩。小物の持ち物が多い女性ユーザーの好感度アップは間違いない。

100215ogu020.jpgジックリと付き合ってみて、初めて分かることも多い。そのボディサイズから予想された扱いやすさは予想できたことではあるが、たとえば、ザックリとした試乗では小物収納スペースの有用性などは見逃しがち。ということもあって、つい書き込んでしまったが、次回のPart2では、走りの面をリポートしてみたい。
(Text by M.OGURA)

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