楽しみにしていたゴルフRの試乗会が悪天候に見舞われ、消化不良に終わったのは以前お伝えしたとおり。このままじゃ済まないので...。
もう雪は大丈夫だろうという時期を狙って、ゴルフRを借り出すことにしました。借りたクルマは、先日試乗会で割り当てられたのと同じ車両で、オドメーターは6500kmを超えていました。
試乗会のときの印象は先のリンクをご覧いただきたいと思います。そうそう、まずはひとつ訂正しなくてはなりません。
試乗会の記事ではこのレカロのバケットシートを「乗り降りの不便さがなく......」と書きました。しかし、あらためて使ってみると、クッション部のサイドサポートが乗り降りの邪魔になります。でも、座ってしまえば座り心地はまずまず。センター部が多少ソフトなのも快適さにつながっています。さっそく箱根方面にクルマを走らせます。 距離が伸びたせいか、試乗会のときに比べて、多少乗り心地が改善されたように思えます。それでも、明らかに硬めの乗り心地で、また、首都高速の路面の繋ぎ目ではショックが伝わってきます。
一方、エンジンは相変わらずとても力強く、ハイパワーにもかかわらず、低回転でもレスポンスよく、ちゃんとトルクを出してくれるのがうれしいところです。スムーズにシフトするDSGとの組み合わせでは、街乗りも楽ラク。そのうえ、低い回転でシフトアップするので、おとなしく運転していると、予想以上に燃費が良く、ダウンサイジングの効果がはっきりと現れています。
そうこうしているうちに、箱根に到着。幸い路面はドライで、交通量も少なめ。試乗には格好の状況です！
ガッツポーズを決めて走り出すと、それまで硬く感じられていたサスペンションが、とても好ましく思えてきました。
さらに、独自のスタイリングや速さ、そして他のゴルフ同様、高い実用性が手に入るゴルフRは、ゴルフのハイエンドスポーツとして、これからも強い存在感を持ち続けるのではないでしょうか。
流すようなスピードでコーナーにアプローチすると、ゴルフRは機敏なフットワークを見せてくれます。切れ味鋭い......というほどではありませんが、そのぶん、安心してスポーティな動きを楽しむことができます。
4MOTIONがもたらす高いトラクションも魅力です。最新世代のハルデックスカップリングを採用するゴルフRは、加速の際に間髪入れずに後輪の駆動力配分が高まり、ゴルフRが誇る強烈なトルクをしっかりと受け止めてくれます。しかも、この2.0TSIエンジン、どこからでもトルクを絞り出すので、ドライビングは痛快そのもの！ 高まるエグゾーストノートも、ドライバーにはたまりません。
ただ、ひとつ難をつけるとすれば、速いペースでコーナーに入ると、ボディの重さを実感することがありました。ゴルフTSIトレンドラインの軽快さとは対極にあります。そういう意味では、同様のパワートレインを搭載しながら、ボディの重さが気にならないアウディTTSはさすがだと思うのですが......。
それからついでに記しておくと、4MOTIONのゴルフRは、FFのゴルフに比べて荷室のフロアが約10cmも上げ底になっており、そのぶん容量が減っています。twitterでのご指摘、ありがとうございました！。
それはさておき、ドライ路面での強力なトラクションが、ゴルフGTIやシロッコ2.0TSI、シロッコRに対する大きなアドバンテージであることは確かです。
さらに、独自のスタイリングや速さ、そして他のゴルフ同様、高い実用性が手に入るゴルフRは、ゴルフのハイエンドスポーツとして、これからも強い存在感を持ち続けるのではないでしょうか。(Text by S.Ubukata)
