ゴルフシリーズに新たに設定されたクロスオーバー4WDステーションワゴン「ゴルフ オールトラック」を試乗。待望の4WDモデルの実力は?
「R32」や「R」を除けば、2代目「ゴルフ」の"シンクロ"を最後に日本での販売が途絶えていたゴルフの4WDモデルが、久しぶりに復活した。「ゴルフヴァリアント」をベースに、SUV風のエクステリアを纏う「ゴルフ オールトラック」である。
最低地上高が25mm高いゴルフ オールトラックだけに、運転席からの眺めはいつもよりほんの少し高いが、違和感はまったくない。ノーマルよりも最低地上高が高いという意識があるので、段差を超えるときや未舗装路に入るときなどに気を遣わずに済むのはありがたい。
ちなみに、ラゲッジスペースは、ゴルフ ヴァリアントと同じスペースが確保されており、4MOTIONのデメリットは見あたらない。
これだけの内容で、標準モデルが347万円、今回試乗した「アップグレードパッケージ」が367万円というのはとても魅力的。細かい装備には差があるものの、348万7000円のゴルフ ヴァリアントTSIハイラインを飛び越えて、ゴルフ オールトラックを選ぶ人が増えるのではないだろうか。
※写真は「アップグレードパッケージ」。Discover Proパッケージ、レザーシートパッケージ、電動パノラマスライディングルーフ装着車。
前述のとおり、短時間の試乗だったため燃費をチェックすることができなかったので、今後試乗車をあらためて借り出し、ロングドライブに連れ出してみようと思う。ゴルフ オールトラックの別の魅力も発見できそうだ。
「R32」や「R」を除けば、2代目「ゴルフ」の"シンクロ"を最後に日本での販売が途絶えていたゴルフの4WDモデルが、久しぶりに復活した。「ゴルフヴァリアント」をベースに、SUV風のエクステリアを纏う「ゴルフ オールトラック」である。
いわゆる"クロスオーバー"というジャンルに分類されるのだが、かつてゴルフには「クロスゴルフ」というクロスオーバーがあり、日本でも販売された時期があった。ベース車両が「ゴルフプラス」だった......というのはさておき、クロスゴルフがベースモデル同様、FFであったのに対し、このゴルフ オールトラックは4MOTION、すなわち、4WDを採用するのが大きく異なる点だ。
そんなゴルフ オールトラックの車両概要については
一方、インテリアにもオールトラック専用のアイテムが散りばめられている。その最たるが標準のファブリックシート。白のステッチと「ALLTRACK」のロゴがとてもスタイリッシュだ。
さらに、アルミ調のペダルクラスターや専用のデコラティブパネルなどにより、いつものゴルフ ヴァリアントとはちょっと違う雰囲気が楽しめる。
そして見逃せないのが「4MOTION」の文字だ。控えめに記されているとはいえ、4MOTIONの導入を待ち望んでいた人にはたまらないはずだ。ゴルフ オールトラックに搭載されるのは、最新のハルデックスカップリング(第5世代)により実現される4WDで、前輪駆動をベースに、必要に応じて後輪にもトルクを配分する。最新版では、走行状況によっては、後輪へのトルク配分を完全にカットできるのも特徴である。
前置きはこのくらいにして、さっそく試乗に出かけよう。プレス向け試乗会ということで試乗時間が90分と短かく、ごく限られた状況でのドライブになったが、第一印象はまずまずだ。
ゴルフ ヴァリアントTSIハイラインに比べて160kg、オプションの電動パノラマスライディングルーフが付いた試乗車では190kg重いということで、多少スタートはのんびりしているかな......という印象。欲をいえば、この手のクルマこそTDIエンジンがあるといいのだが......。一方、エンジンの回転数が1500rpmを超えたあたりからは余裕が感じられるようになる。さらに2000rpmを超えると俄然トルクが増してくるのだ。
そんなゴルフ オールトラックの車両概要については
一方、インテリアにもオールトラック専用のアイテムが散りばめられている。その最たるが標準のファブリックシート。白のステッチと「ALLTRACK」のロゴがとてもスタイリッシュだ。
さらに、アルミ調のペダルクラスターや専用のデコラティブパネルなどにより、いつものゴルフ ヴァリアントとはちょっと違う雰囲気が楽しめる。
そして見逃せないのが「4MOTION」の文字だ。控えめに記されているとはいえ、4MOTIONの導入を待ち望んでいた人にはたまらないはずだ。ゴルフ オールトラックに搭載されるのは、最新のハルデックスカップリング(第5世代)により実現される4WDで、前輪駆動をベースに、必要に応じて後輪にもトルクを配分する。最新版では、走行状況によっては、後輪へのトルク配分を完全にカットできるのも特徴である。
さらに、ゴルフ オールトラックでは、ドライビングプロファイル機能に「オフロード」モードが追加され、滑りやすい路面でABSの動作を調整したり、下り坂で車速を一定に保つ「ヒルディセントアシスト」が用意されることで、より安全なドライブをサポートしてくれるのだ。
前置きはこのくらいにして、さっそく試乗に出かけよう。プレス向け試乗会ということで試乗時間が90分と短かく、ごく限られた状況でのドライブになったが、第一印象はまずまずだ。
この日は雨が降ったり止んだりの生憎の空模様で試乗時には路面が濡れていたが、4MOTIONのおかげで発進は安定している。ハイパワーなFFモデルだったらESPが効きそうな状況でも、このゴルフ オールトラックは何ごともなかったかのようにしっかりと路面を捉えるのだ。
ゴルフ ヴァリアントTSIハイラインに比べて160kg、オプションの電動パノラマスライディングルーフが付いた試乗車では190kg重いということで、多少スタートはのんびりしているかな......という印象。欲をいえば、この手のクルマこそTDIエンジンがあるといいのだが......。一方、エンジンの回転数が1500rpmを超えたあたりからは余裕が感じられるようになる。さらに2000rpmを超えると俄然トルクが増してくるのだ。
高速の合流や追い越しなどの際、アクセルペダルに載せた右足に力をこめると、5000rpmを超えてもなお力強い加速が続くのが頼もしい。そんなときでも、4MOTIONはエンジンのトルクを余すところなく路面に伝えるので、多少濡れた路面でも躊躇せずにアクセルペダルを踏み込むことができた。
そのうえ、FF以上に直進安定性が高いので、ステアリングホイールを握るドライバーはいつもリラックスしていられるのもこのクルマの見どころである。
最低地上高が25mm高いゴルフ オールトラックだけに、運転席からの眺めはいつもよりほんの少し高いが、違和感はまったくない。ノーマルよりも最低地上高が高いという意識があるので、段差を超えるときや未舗装路に入るときなどに気を遣わずに済むのはありがたい。
ただ、車高が高いぶんゴルフ ヴァリアントとは足まわりが異なるために、高速走行時にはボディの上下動が気になる場面があったり、目地段差を越えたときのショックを遮断しきれないことも。このあたりは今後の熟成を期待したいところだ。現時点では日本仕様にはDCCが選べないが、その設定もぜひ検討してほしい。
残念ながらオフロード走行など、4MOTIONの実力を存分に試すチャンスはなかったが、それでもハイパワーなエンジンと4WDの組み合わせが生み出す安心を十分に感じ取ることができた。
これだけの内容で、標準モデルが347万円、今回試乗した「アップグレードパッケージ」が367万円というのはとても魅力的。細かい装備には差があるものの、348万7000円のゴルフ ヴァリアントTSIハイラインを飛び越えて、ゴルフ オールトラックを選ぶ人が増えるのではないだろうか。
※写真は「アップグレードパッケージ」。Discover Proパッケージ、レザーシートパッケージ、電動パノラマスライディングルーフ装着車。
前述のとおり、短時間の試乗だったため燃費をチェックすることができなかったので、今後試乗車をあらためて借り出し、ロングドライブに連れ出してみようと思う。ゴルフ オールトラックの別の魅力も発見できそうだ。
(Text by S.Ubukata / Photos by H.Ohshima)