2025年9月27日〜28日に富士スピードウェイで開催されるFIA世界耐久選手権(WEC)「富士6時間レース」で、Porscheは参戦100戦目を迎える。世界最高峰の耐久レースとして定着した同シリーズにおいて、Porscheは2012年の創設以来すべてのレースに参戦し、総合優勝21回、クラス優勝50回以上という圧倒的な戦績を築き上げてきた。WEC100戦の節目を迎える今大会は、Porscheにとって特別な意味を持つ一戦となる。

富士に挑むPorsche 963
ワークスチームのポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、最高峰ハイパーカークラスに「Porsche 963」を2台投入する。約500kW(680PS)のハイブリッドプロトタイプで、5号車はジュリアン・アンドラーとマシュー・ジャミネ、6号車はケヴィン・エストレとローレンス・ヴァンスールがドライブする。前戦オースティンでは6号車が今季初優勝を飾っており、その勢いを富士につなげたい構えだ。さらに、カスタマーチームのプロトン・コンペティションも同仕様の963で参戦し、表彰台を狙う。




LMGT3クラスでは、マンタイ・ファーストフォームが「Porsche 911 GT3 R」でタイトル争いを続けるほか、女性ドライバーのみの「アイアン・デイムズ」が今季初の表彰台を目指す。
創設期からの輝かしい歩み
Porscheは2012年の開幕戦セブリング12時間で、カスタマーチームのフェルバーマイヤー・プロトンが「911 RSR」でクラス優勝を飾り、華々しいスタートを切った。その後のスパ6時間でも「911 RSR」がGTE-Proクラス優勝を獲得し、WECの初年度から存在感を発揮した。

2013年にはワークスチーム「ポルシェAGチーム・マンタイ」がル・マン24時間レースに挑み、デビュー戦でダブル優勝を果たすという快挙を達成。Porscheにとって99回目と100回目のル・マンクラス勝利となった。この頃から、WECはPorscheにとってブランドの伝統を未来へつなぐ舞台となっていった。

LMP1時代の黄金期
2014年には「Porsche 919ハイブリッド」がデビュー。初戦シルバーストーンで表彰台を獲得し、翌2015年にはルマン24時間で総合優勝を達成。ニック・タンディ、アール・バンバー、ニコ・ヒュルケンベルグが操る919ハイブリッドが栄冠を手にした。その後も快進撃は続き、2016年にはトヨタの最終ラップ失速により劇的な逆転勝利を収め、2017年にはル・マン3連覇を達成。PorscheはLMP1時代を象徴する存在となった。

GT戦線での名勝負
LMP1活動を終えた2018年以降はGTカテゴリーに注力。「ピンクピッグ」カラーをまとった「911 RSR」が2018年ル・マンで優勝し、ブランド創立70周年を彩った。さらに2019年にはカスタマーチームのプロジェクト1がGTE-Amで勝利。2020年のバーレーン戦では新型「911 RSR」がワンツーフィニッシュを果たし、GTマシンの強さを証明した。2022年のル・マンでは「911 RSR」が有終の美を飾り、シリーズに深い印象を残した。

新時代のPorsche 963
2023年にはハイパーカークラス参戦用の「Porsche 963」がデビュー。2024年開幕戦カタールではワークスとカスタマーを含む963が表彰台を独占する圧倒的な強さを見せた。その勢いを背景に、エストレ、ロッテラー、ヴァンスール組は同年のドライバーズタイトルを獲得。2025年のルマン24時間でも2位を獲得し、LMGT3クラスでは「911 GT3 R」が優勝するなど、複数カテゴリーで存在感を示している。

富士スピードウェイはPorscheにとって特別な舞台だ。2024年大会では6号車が勝利を収め、王座争いを前進させた実績がある。今回の100戦目に向けて、ポルシェ・モータースポーツ責任者のトーマス・ローデンバッハは「さきのオースティンでの成功を礎に、マニュファクチャーランキングの差を縮めていきたいと思います」と語っており、節目のレースでさらなる成果を狙う。
創設から13年、WECは耐久レースの最高峰として発展し、Porscheはその歴史に数々のハイライトを刻んできた。総合優勝、ルマン制覇、GTでの輝き、そして新時代の963の挑戦。記念すべき100戦目が富士で開催されることは、日本のファンにとっても特別な機会となるだろう。
WEC第7戦富士6時間耐久レースの概要は下記のサイトを参照のこと。
(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Porsche AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。