念願のPorsche 911 Carrera Tが納車されてから3ヶ月が経ちました。

画像: フェルディナント・ヤマグチでございます。Carrera Tが納車されてから3ヶ月が経ちましたが、1月23日現在のオドメーターはわずかに360キロ・・・。愛車に乗れない日々が続いております。

フェルディナント・ヤマグチでございます。Carrera Tが納車されてから3ヶ月が経ちましたが、1月23日現在のオドメーターはわずかに360キロ・・・。愛車に乗れない日々が続いております。

「念願」が達成されたのは良いのですが、納車以来、愛車に乗れない日々が続いておりまして、2025年1月23日現在のオドメーターはわずかに360キロ。愛するポルシェは箪笥のコヤシならぬ車庫のコヤシと化しております。転売ヤーでもあるまいし、せっかく手に入れたクルマに乗りもせずしまい込んで、いったい私は何をしているのでしょう。

画像: 愛車であるCarerra Tの仕様は左ハンドルのMT車。

愛車であるCarerra Tの仕様は左ハンドルのMT車。

この間もメインの足であるハイエースの走行距離は着々と伸びておりまして、ホイールをガリッてしまい頭に血が上った勢いで交換したCRS製のホイールとTOYO TIRESの試走も兼ねた走行は、わずか1ヶ月で3000キロを超えています。ですからクルマを運転していないわけではない。次から次へと試乗車もやってきますしね。さらにはバイクにも乗りたいしサーフィンにも行きたいし東京マラソンに向けた練習もしなければいけません・・・。タイムマネジメント能力が問われる今日このごろであります。

さて、愛車である911 Carrera Tに話を戻します。

それぞれ短い距離ではありますが、すでに何人かの妙齢女性が助手席に乗っています。

ドライブ、というほどではありませんが、軽く都内を流してからお茶を飲むような感じです。

画像: 助手席に座る彼女たちが異口同音に発するのが「どうして左のマニュアルなの?」という率直な疑問。果たしてどう説明したら良いのやら・・・。

助手席に座る彼女たちが異口同音に発するのが「どうして左のマニュアルなの?」という率直な疑問。果たしてどう説明したら良いのやら・・・。

助手席の彼女たちが異口同音に発するのが「どうして左のマニュアルなの?」ということです。素直に「ハンドルのない右側の席に座る違和感」を楽しんでくれる女性もいるのですが、中には理屈っぽい子もいる。「左側通行の日本で左ハンドルに乗るのは意味がない」なんて言ったりします。さらには「MTは変速するときは片手運転になるのだから危険」なんて言い出す始末。左ハンドルもMTも全否定。いちいち説明するのが面倒なので、今のところは「そうだねぇ・・・・・・」なんて言いつつ苦笑しつつスルーですが、もちろん心中穏やかではありません。これから同様の事態が繰り返し起こる可能性もある。今のうちに女性が納得する合理的な“抗弁”を考えておかなければなりません。

……なんてことを新年会でクルマ仲間に打ち明けると、同様の悩みを抱える左ハン乗りは意外と多い。我々は彼女たちにどのような説明をしたら良いのか。

楽しいはずの新年会は、かくしてシリアスな対策会議へと変わってしまったのでした。

ここでは同志への情報共有も含め、「左ハンドルとMT車の意義」についての考察結果を述べようと思います。

はじめに左ハンドルである“意義”を伝える必要がありましょう。

我々は決して伊達や酔狂で乗っているわけではない。

欧州車は、特にポルシェは、左ハンドルのクルマとして設計されています。

画像1: 【自動車まんげ鏡】エピソード21:左ハンドル&MT車の意義について考える

左ハンドルのクルマは、シートに対してステアリングやペダルの位置が自然にレイアウトされており、クルマ本来のバランスを楽しめる設計です。現行の992型はかなり改善されましたが、991型までの右ハンドル仕様のCarreraは、タイヤハウスやエンジンルームの構造上の制約から、ペダルの配置がやや左側にオフセットされています。

「慣れてしまえばどうということはない」「そもそも言われなければ気がつかないレベル」との声もありますが、(これを読んで事実を知ってしまった方も含め)、こういうことは気になりはじめると止まらない。運転中も、何だか身体を捻ったような座り方をしているのではないか、と気が気ではありません。やはり自然体の左ハンドルのほうがしっくり馴染みます。

最新の992型に関しては、ペダルオフセット問題は解消されているとの情報もありますが、実際のところはどうなのでしょう。いずれにしても、この「ペダルオフセット」の話をすると、大抵の女性は納得します。さらに「さすがフェルさん。クルマに詳しいのね」と尊敬されるオマケまでつくこともあります。

画像: MTよりもPDKの方が0-100km/h加速のタイムが速い。運転がラクなうえに速い。それでもMTを選ぶ意義とは?

MTよりもPDKの方が0-100km/h加速のタイムが速い。運転がラクなうえに速い。それでもMTを選ぶ意義とは?

そしてMT問題。

こちらは正直な話、理論的に説明するのは難しい。

なぜならほとんどすべての面において、DCT(ポルシェの場合はPDK)の方が勝っているからです。PDKの変速は素早く正確です。実際に現行型(992.2型)で、同じエンジン出力のCarrera(PDK)とCarerra T(6MT)で比較すると、PDKのCarerraの方が、MTのCarerra Tよりもいいタイムが出る。さらに、カタログ数値での0-100km/h加速もPDKの方が上。Carrera(PDK)が4.1秒に対して、Carerra T(6MT)は4.5秒です。つまり、運転がラクな上に速いのです。MTはまったく歯が立ちません。

画像2: 【自動車まんげ鏡】エピソード21:左ハンドル&MT車の意義について考える

では、敢えてMTの長所を挙げるとすれば、構造がシンプルで故障しにくいことと、わずかに軽量であるということだけです(Carerra Tの方が30kg軽い)。こうなると情緒面で訴えるしかありません。

MTならではの操作感、クルマとの一体感。「運転している」という没入感。このあたりになりましょうか。つまり「自分は単純な“速さ”よりも、“楽しさ”」を追求しているのだ、ということを訴えれば良いのです。

画像: 左ハンドルのMT車の運転そのものが「特別な体験」。味わえるうちに存分に楽しんでおきたい。

左ハンドルのMT車の運転そのものが「特別な体験」。味わえるうちに存分に楽しんでおきたい。

ポルシェに限らず、左ハンドルのMT車を選ぶのは、純粋に「走りを楽しむ」という行為に他ならないのです。左ハンドルのMT車の運転そのものが「特別な体験」になるのです。

クルマが「特別」なら、君という女性も「特別」な存在なのだよ、と臭いセリフで快適なドライブを楽しみましょう。

それにしても、もう少し乗らないとな…。

(Text Ferdinand Yamaguchi Photo by Ferdinand Yamaguchi & Porsche)

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