日本のポルシェ乗りの聖地「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京(以下、PEC東京)」が、今年の10月で開場3周年を迎えたことは前号でお伝えした通り。何度も言いますが、早いものですね月日が経つのは。
3周年という“旬”のタイミングを外してはいけませんから、連続でパンパンと記事にしましょう、と担当編集M氏と話していたのですが、気が付けば続編の入稿を約束した日から4週間も経過してしまいました。大変申し訳ございません。
前回はPEC東京の佐藤麻子マネージャーに、PEC東京の進化と変化についてお話を伺いましたが、肝心の“エクスペリエンス”をお伝えしていませんでした。今号では、その“得難い体験”をお話いたしましょう。
PEC東京にはハンドリングトラック、ドリフトサークル、ダイナミックエリア、オフロード、と4つのモジュールが用意されています。オフロードコースはカイエン専用ですから今回はパス。試乗車としてチョイスしたのは、第8世代の911Carerrra S。いわゆる「タイプ992」です。あらゆるスポーツカーの“ベンチマーク”と呼ばれるクルマであります。
まずはハンドリングトラック。センター全体を囲む2.1kmの起伏に富んだコースは実にエキサイティングです。インストラクター氏が助手席に乗り、コース取りやブレーキングポイントを親切丁寧に教えて下さいます。
ここで気付かされたのは、自分が意外にも“ビビり”であることです。
かなり頑張って何周かしたところで、「それではもう少しペースを上げましょう」と無情のお言葉が。いやこれでも結構頑張っているんですけど……。
「ブレーキングは最初にチョンと踏んで、クルマにこれから曲がるよと教えてあげる。それからイッキにグワッと踏んで前輪に荷重をかける。踏むポイントはもっと奥でも大丈夫。まだまだまだまだ。もっと奥です。おやフェルさん。意外と慎重ですね」
いやそう言われてもですね……怖いものは怖い。
しかし10月にはオーダーを入れていたCarerra Tの納車が控えている。
不肖フェルも何年ぶりかでポルシェのオーナーです。モタモタ運転している場合ではありません。この機会にスキルを上げなければ。
「はいここでステアリング切る。その先は我慢。我慢して我慢して。はいアクセルを開ける。踏んで踏んで。もっと踏んで大丈夫です。クルマを信じてください。コースを大きく使いましょう。そうそうその調子。だんだん慣れてきましたね。イイ感じです」
周回を重ねるごとに、ペースが上がっていくのが自分でも分かります。ペースが上がれば気分もアガる。褒め上手のインストラクター氏のお陰で、気持ちよく技術が向上して行きます。
これは素晴らしい。あらゆるスポーツに共通することですが、正しい指導者から、正確な技術を学ばなければスキル向上は見込めません。上達への近道は、「習う」ことです。
我流はいけません。ゴルフが下手でなのは「テヘヘ」で済みますが、運転が下手なのは、特にポルシェのようなスポーツカーの運転がヘタクソなのは危険極まりない。PECに行って正しい運転を学びましょう。
ブレーキングポイントは、自分が思っているよりもはるかに奥。
逆にアクセルを開けるのは、自分が思っているよりもかなり早いタイミング。
この「今までの自分と違うタイミング」を克服するのが非常に難しい。
長年の運転で染み付いた“癖”というのはなかなか抜けないものです。
その悪癖を、徐々に解きほぐし、正しく“上書き”してくれるのがこのプログラムです。
いったんピットに戻り、インストラクター氏と運転を交代します。
最後の数周、デモンストレーションラップも体験させてもらいました。
この世のものとは思えないインストラクター氏のハイレベルなドライビング。
同じクルマとは思えない異次元のスピード。ポルシェはかくも速いのです。
デモンストレーションラップのみの受講であれば、運転免許は不要とのこと。これは体験するべきです。プロの技術を目の当たりにする機会など、滅多にありませんからね。
と、ハンドリングトラックの体験だけで長文になってしまいました。
他のセクションは次号でお伝えします。今度こそサクサク入稿します。
それではみなさまごきげんよう。
ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京(PEC東京)について
・URL:https://porsche-experiencecenter-tokyo.jp
・Tel:0120-718-911 / 受付時間:9:00-18:00 (定休日を除く)
・住所:千葉県木更津市伊豆島中ノ台1148-1
・Google Map:https://maps.app.goo.gl/Qm6AdZHFnYtUPjH19
・アクセス(*pdfファイル):https://cdn.porsche.co.jp/pec/images/20220821_accessmap_JP.pdf
・各種お問い合わせ:https://porsche-experiencecenter-tokyo.jp/pages/10
(Interview / Text by Ferdinand Yamaguchi & Photo by Porsche Japan & Toru Matsumura)