フェルディナント・ヤマグチでございます。
買うか買わないか、ウジウジ悩んでいるうちに、空冷ポルシェの中古価格は大暴騰。
原材料費の値上げに物流価格の高騰、加えて昨今の円安基調も相俟って、新車のポルシェもジワジワと値上がりしております。
前号の終わりで「そういえば新しいポルシェに最近乗っていません。少し新しめの方にも目を向けてみましょうか」と申し上げましたが、確かに今年に入ってから最新のポルシェに乗っていない。このあたりで新しいポルシェにも目を向けてみましょう。
早速ポルシェジャパン広報の黒岩氏に連絡を入れて、一週間ばかり試乗車をお借りすることになったのですが、クルマを借り受ける際、「せっかくだからウチのオフィスを見て行ってくださいよ」という話になったのです。
場所は噂の虎ノ門ヒルズオフィスタワー。上層階にはハイアット系のホテルでナンバー2のブランドである「アンダーズ東京」が入っています。一泊10万円を超える高級ホテルと同じ建物に入っているなんて、なんてお洒落な会社なんでしょう。
ということで今回の記事ではポルシェジャパン株式会社の本社オフィス探訪記をお送りします。
と、その前にポルシェジャパン株式会社なる会社をチラッとご紹介。
会社の設立は意外と新しくて1995年。最初の社名は「ポルシェ自動車ジャパン株式会社」だったのですが、2年後の97年に現在の社名に変更しています。ポルシェ車の総輸入販売元として営業開始を始めたのが98年の1月から。それまではご存知の通り「ミツワ自動車」が輸入元として長く機能していたのでした。本社直轄の現地法人ができて、旧来の輸入元が静かに退場する……ポルシェに限らず、多くの(というかすべての)輸入車メーカーが辿る道であります。
本社はこちら虎ノ門ヒルズ森タワー29階。入り口を抜けるとご覧のようにポップなデザインのオープンスペースが広がります。
入口から向かって右側はムービングウォールで囲まれた部屋があります。この壁を動かすと、ドカンと広いスペースが生まれて、例えばディーラーミーティングなどもこちらで行えるのだそうです。今まではホテルの宴会場を借りて行っていた大きな会合も、自社内の施設で行えるという訳です。
驚いたのは1部の会議室の椅子がポルシェ純正のシートで作られていること。
電源が繋がっていてリクライニングまでするのです。ホールド性に優れたポルシェのシートですから、会議が紛糾して乱闘になっても安心ですね。ならないかww。
会議室にはそれぞれ車名が冠されています。大きい部屋のドアにはタイカンやパナメーラなど大きなクルマの車名が、小さな部屋にはケイマンなど小ぶりのクルマの車名がそれぞれ刻まれています。何と申しますか、もう何もかもがイケてます。
虎ノ門ヒルズ森タワーは円形と三角を組み合わせたような不思議な形をしています。その端から端まで。円の直径の部分がこちらです。
このような素晴らしいオフィスがある地下駐車場で911のカブリオレを借りてきました。
次号ではクルマの詳細をお届けします。
(Photo & Text by Ferdinand Yamaguchi)